盛りだくさんな『四谷怪談忠臣蔵』

観劇:2010年4月12日 (3階1列目上手寄り)
会場:新橋演舞場

1月に来て以来の演舞場。
トイレットペーパーのホルダーがもとに戻っていました。
おや? そんなに不評だったのでしょうか?
おかげでフツーに使えるようになってよかったですが…


通し狂言四谷怪談忠臣蔵 仮名鑑双繪草紙(かなでほんにまいえぞうし)

面白いよ! すごく楽しめたよ! さすがオモダカ屋!!

正直、会場に到着するまではテンション低かったんですよ。
最近、歌舞伎観ても寝ちゃうこと多いし
ぶっちゃけDVD見てる方が楽しいんだよね
四谷怪談と忠臣蔵って私、何度観ているんだろ? もう飽き…ごほごほ。
でもオモダカ屋だし…
とブツクサ言いながらの3階席。
それも発売日をスルーして先行の恩恵を無にするという体たらく。

どうせなら1階席を買えばよかったのに!

なんだか訳のわからないキレ方をしてしまうほど
面白く楽しかったのでした。

おなじみの四谷怪談と忠臣蔵をミックスしたお話です。
もともと四谷怪談は忠臣蔵の裏話としてリンクしているのですが
もっと猿之助テイストを加えたのが今回の『仮名鑑双繪草紙』。

数年前のコクーンでの四谷怪談とも違う
更に仕掛けたっぷりで見どころ満載でスピーディな展開でした。

まさか発端が
新田義貞の霊右近)が高師直猿弥)に乗り移ったことだとは
思わないじゃないですか!
いきなり怨霊登場ですよ! やってくれるぜ!

ええと、著しくネタバレしてしまったので隠します。

怨霊登場の後、序幕は『忠臣蔵』の「松の間」「判官切腹」。
先月の図書に続いて憎たらしい役の猿弥さん。
この憎たらしさなら塩冶判官笑也)が思わず刀抜くのも頷ける。

判官切腹の報を受け「許すまじ!」と立ち上がる赤穂の家臣を
なだめる大星由良之助彌十郎)。ちょっと出番が少ないぜ(笑)
家臣の中にさりげなく佐藤与茂七門之助)と小汐田又之丞弘太郎)。

ここでいち早く没落した主家に見切りをつけるのが
民谷伊右衛門段治郎)。
ドライな男だね。
ついでに蔵からお金を盗んで退散するなんて…酷い男だね。
その際に共犯の直助権兵衛右近)が投げつけた小柄が腿に刺さって
破傷風になるのが小汐田又之丞。
ああ、そういう繋がりか!

そのまま『四谷怪談』の世界になり「浅草観音」「伊右衛門浪宅」へ。
赤穂の家から持ち出した金は盗賊に盗まれ
もとの黙阿弥でビンボーに苦しむ民谷家。お決まりの展開です。
伊藤の孫娘に惚れられた伊右衛門
あっさり妻のお岩さん(笑三郎)を捨てる覚悟。
留守を按摩宅悦(猿弥)に託し、自分は伊藤家へ。

押し入れに閉じ込められた小仏小平笑三郎)の「薬くだせぇ」が
小汐田又之丞の破傷風のためなんですね。
ふむふむ。そうでした。
おなじみの場面ですが因果が目の前に提示されると面白さ倍増です。
が、やや控えめ。
いつもならもっとたっぷり見せてくれるんですけどね。

とはいえ、ここまで一気に展開されるのでもうおなかいっぱい。
だけど、このままおどろおどろして終わる気分じゃないのよね~。
と見守っていると…

「両国橋」の場面です! ここは華やかです!
なんてったって花火ですよ!

その花火を背景に盗賊でありながら義貞のご落胤である暁星五郎右近)と
鉄砲お定春猿)の立ち回り。
…春猿さん、その役なあに???
鉄砲とおと言えば定九郎ですが…定九郎は実は女?! それは新説!!
と驚いていると、実は女に化けた定九郎。あ、女装姿でしたか。
定九郎は暁星となにかと因縁があるんですよ。
お定の着物がよく見るとイノシシで笑いました。

第一幕の幕切れは、惜しげもなく宙乗りまで披露!
そう! こういうのを見たかったの!!
猿之助さんはわかってらっしゃる♪

二幕目も「隠亡堀」、「討入」と
四谷怪談と忠臣蔵の名場面が詰め込まれつつ
メインは直助とお袖笑也)!
この二人のエピソードが入ると伊右衛門とお岩さんは不利ですね。
内容の濃さではこの二人と与茂七のこんがらがり具合には敵いません。
与茂七と間違えて直助が殺した人物が
恩ある主君の御子息だったとか追い打ちがあったりしてもう大変!

なんかいろいろあって盛りだくさんすぎる~。
でも積み込み過ぎて唐突感が否めない…
盛りだくさんなのにあっさり感。こはいかに?
こうなるとコッテコテの歌舞伎が恋しくなるぜ。


という私の心が読まれたかのように義太夫登場
天川屋義平右近)という名前の通り“義”の漢のエピソード!
彼の志に感じ入った由良之助によって
合い言葉が“天”と“川”になったというお話でした。

もちろん伊右衛門もこのままでは終わりません!
お岩さんにとり殺されるというへたれな末路ではありませんでした。
討入に参加です! まさかの高家サイドに味方して!
女物の小袖を被って登場です。
それって師直のトレードマーク、と油断させといて表われるんだもんな~。
頭に小柄を数本差して八ツ墓ルックなのが謎ですが…

そういや隠亡堀で伊右衛門母お熊寿猿)に
「口をきいてあげよう」と言われているんですよね。
それがこういうことになるのか~。
しかし、そうなるとお岩さんも黙っちゃいません。
どろどろと登場! そうこなくっちゃ!!

さらに新田義貞の霊力を得た高師直に苦戦する赤穂浪士を援護するのが
塩冶判官の霊
霊になってからは強いぞ、判官!
おかげで本懐を遂げられた赤穂浪士たち。

さらに霊験あらたかな矢を授ける判官。
なにその万能感(笑)
実は赤穂の味方・斧定九郎、それを託され怒濤のエンディングへ!

大詰には本水! 大滝出現!!
ラストは妖術も使える暁星五郎実は新田鬼龍丸が水遊び。
そこへ参加するのが一文字屋お軽笑三郎)と斧定九郎。
この二人はラブラブなんですよ。
お軽の存在がそう役立つのか! な名(迷?)場面を経て水遊びの場面です。
まさか春猿さんの本水での立ち回りを観られる日が来るとは(遠い目)


こんな感じの約5時間。
これで全部? なにか忘れてない?
もりもり詰め込まれていて重大な見落としをしているような…
そんな不安が生まれるほどてんこ盛りでした。
おかげで長丁場でしたが、まったく眠気を感じませんでした!

蓋を開けてみれば斧定九郎大活躍で意外でした。
久しぶりに段治郎さんも拝見できたし
怨霊大爆発で大いに楽しめ
四谷怪談と忠臣蔵のいいとこどりだったこの演目。

やっぱり猿之助さんの演出はスバラシイ! と再確認したのでした。
もっとじゃかじゃか上演してほしい! マジで!!
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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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