いのうえ歌舞伎☆號『IZO』

観劇:1月27日
会場:青山劇場


2008年初の新感線は『IZO』でした。
舞台の感想の前にひとつ。

行った日に、罰ゲームが行われました!

新感線は失敗すると罰ゲームを行うシステム。
ポイント制なのかな?
小さなミスの積み重ねか、シャレにならない大きなミスをすると実行される仕組みのようです。

もちろん前もって予告があるわけではないのでいつ実行されるかは謎なのです。
あるかどうかすら分からないのだ。
完全にサプライズ

罰ゲームの内容はいくつかパターンがあるのですが
今回はカーテンコールの後にミニライブ。
カーテンコールでなんだかいつもと様子がチガウぞ。
もしかして…と期待していたら

お鶴役の中谷さとみさんによる“ひとりDarling”が始まりました(爆)

どうやらさとみさん、初日に出とちりをやらかしたようです。
あらら
広~い舞台にただ一人、やたらデカイカツラを被り、白いスーツに身を包み
きちんと振り付け覚えて歌い踊るさとみさん。
この振り付けはもしかして直伝??
公演の真っ最中に教え、覚え、練習し、披露する。
この本来ならやらなくてもいいこと(笑)に全力を注ぐパワー。偉すぎるっ

最後、ちょっとだけ本家の以蔵さんも踊ってくれました。
二人で踊ればいいのに~
って、それじゃあ罰ゲームにならないのか。

舞台上の出演者たちも楽しんでいらっしゃいました。
涙流して喜ぶ龍馬さんがラブリー。


では舞台の感想です。
ネタバレします ★

おまけにあんまり誉めないかも…
めちゃくちゃ個人的な理由でですが、あんまり好みじゃなかったもので
イヤな予感がした方は、続きは読まない方がよろしいかと存じます。



 いのうえ歌舞伎☆號『IZO』


タイトルの『IZO』で、察しの良い方ならお分かりかと思いますが
幕末の“人斬り以蔵”こと岡田以蔵を主人公にした物語でした。

回り舞台やスクリーンを駆使して
場面転換のときも、ぼんやり待つことがありません
特にスクリーン。
背景はもちろん、舞台上の役者さんの影と映像をリンクさせて物語を展開したり
流血シーンを影絵で見せたり、ナレーション的な部分もあり大活躍

回り舞台もずいぶん活用されていました。
階段落ちもあったし、いつも通り殺陣のシーンもございます。
流血多し。ものすごい頻度で血が流れます。

で、お話ですが。人斬り以蔵の話です。…ってこれだけ!?
うう~ん。あんまり知らないのよね
唯一接したのが数年前に読んだ『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)ですか。
この小説の前半に出てきたなぁ。

だけど、読んでいてすっごい苦痛だったんですよ~。以蔵が出てきた辺りのくだりは。
以蔵には特に苦手意識はないんですけど
武市半平太が嫌で嫌でしかたがなかったんです

以蔵は盲目的に武市半平太に心酔して、言われるがままに行動するけど
この武市は頭でっかちで理想ばかり見て
汚いことは以蔵に押し付けて、自分は綺麗でいて
しかも「そんなの知りません 」って顔をしているような
勝手な部分がすっごく嫌だったんです。
この武市、早いとこ退場してくれないかしら…とウツウツして読んだ記憶が甦りました。

この舞台がまさにそのウツウツ部分を拡大してくれたのです! ひぃい~

世の中の動きや政治を理解しようとしない以蔵、だけど剣の腕だけはピカイチ
それを見込まれて武市門下に入る以蔵。
けど、相変わらず自分で理解しようとしないまま月日が流れ、悲劇が訪れるのです

以蔵みたいな真っ白で腕の立つ人が目の前に現れたら、まず頭を鍛えないといけないでしょう!
それをしないのであれば
死ぬまで面倒を見る くらいの気持ちで接してもいいと私は思うんですよ。
だって本当に純真な人だから!
そして単純だから先生(武市)に認めてもらった剣を振るうことにのみ
自分の価値があると思い込んで、やがて来る末路はわかるじゃないですか

武市はどういうつもりで以蔵を引き取ったのだ?!
無責任すぎる
とムカムカして観てしまいました。

そんなわけで終始テンションは上がらず。
せっかくの新感線なのに~

だけど予想外のドシリアスでちょっと期待外れだったかも。
うう~ん。
歌も踊りも少ないし、笑いもちょびっと、いつもの勢いがなかったような?
めっちゃ史実を説明していて小説を読んでいるような気分になったのも敗因かも。
歴史的な流れはよくわかったんですけどね。

多くの登場人物が土佐弁をしゃべる感じがなんともやわらかい。
土佐弁てかわいいですね

岡田以蔵森田剛)はがんばっていました。つか、がんばりすぎ?
声がガラガラ 千秋楽まで持つのかしら?
いや、この後、大阪公演もあるんでしたね。大事にしてほしいです
“犬”やら“狂犬”やら言われていましたが、まーそんな感じです。
犬のようにご主人に懐いて信じる。誉められたい! と頑張る姿が痛々しい。
龍馬についていっちゃいなよ~。と何度思ったことか。
どんどん穢れていく以蔵が悲しいです

以蔵を“犬”と言った武市半平太田辺誠一)。
まったくこの人は、最後の最後まで以蔵を利用しようとしたのが許せん
多くの土佐勤王党が捕縛され拷問に掛けられる中
拷問に屈した人たちが暗殺のほとんどを以蔵の罪にしているから
未だ捕まらない以蔵が捕まって口を割ったら大変と毒殺しようとするんだから。…信頼関係ゼロ??
そんな以蔵に誰がしたんだ、つーの
演じる田辺さんは某芝居で“メントス”ときらめいていたのがウソのような堅苦しさ。
『風林火山』の小山田殿のほうが輝いていたなぁ。
ま、嫌いな武市役だからな、あんまり輝いて見えなかったのかも。

“狂犬”と評したのは坂本龍馬池田鉄洋)。
この人が今回の舞台でイチバン輝いていました
やった~。イケテツを初めて舞台で見たわ~。おもしろーい
柔軟な龍馬がハマっていました。
それに以蔵に優しいんだよね~。
以蔵の行く末を心配して勝海舟の護衛をさせてみたりするんだけどその心は伝わらないまま。

その勝海舟粟根まこと)は出番が少なーい!
モノタリナイ! ものたりないぞ!!

以蔵と違って頭もキレル“人斬り”田中新兵衛山内圭哉)。
世の中を読めて剣の腕も立つこの人は武市のお気に入り。
以蔵の目の前で義兄弟の契りを交わします。それにショックを受ける以蔵。
やがて彼を陥れることになります。以蔵が堕ちる瞬間です
それにしてもヅラを着用した山内さんは好青年だ つか美青年だ
やっぱり段治郎さんに似ているように見えます。美声がたまりません。

土佐藩主・山内容堂西岡徳馬)。
食えない殿さまですよ。でも結局は「徳川のため」なんですか。
この人に躍らされる武市も対した器じゃないですな。
そのあたり、以蔵が最後の言葉で一矢報いる感じですか。

男率の高い舞台で女の子一人でがんばっていたミツ戸田恵梨香)。
これは完全に創作された人物ですね。
以蔵の幼なじみで以蔵に思いを寄せる女の子。
気が強くて以蔵よりもよっぽど政治に強い子だから
“人斬り”になっていく以蔵を黙ってみていられない彼女。
ことあるごとに「侍をやめて」と言うがついに通じず…
カナシイ最期を迎えるのでした。

ミツの叔父で京都で居酒屋を営む寅之助木場勝己)。
血気盛んな志士たちに密談の場を提供し、詮議をかわず男気と
かわいい姪っ子のためにいろいろ骨を折る気のいいオヤジが同居する役。
でも用意した縁談の相手がアレってどうなのよ??
しかしチャーミングでした。余裕があってステキです。
もっと出番があってもいいのに~。


あ、そうそう。客席に『拝啓、父上様』のオニイチャンがいらしてました
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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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