劇団☆新感線 『蛮幽鬼』

観劇:2009年10月10日(1階花道外)・15日(3階1列目センター)
会場:新橋演舞場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり


2回観たので、ここらでちょっとまとめておきます。
3回目は千龝楽なのでそれどころじゃなくなりそうだし(笑)


なんだか久しぶりに新感線らしい公演を観た気がいたします。
『リチャード3世』はシェイクスピアだったし
『蜉蝣峠』は正直ツボ違いで個人的な盛り上がりに欠けたもので…

私は中島さんの脚本がツボなんだろうか?


InoueKabuki Shochiku-mix 蛮幽鬼(ばんゆうき)

事前にあらすじ等の情報は遮断していたので
先入観のない状態で観たのですが、観てみたら
『岩窟王(=モンテ・クリスト伯)』がベースになった復讐譚でございました。

なにしろ主人公の名前が伊達土門ですから!
ダテドモン=エドモンズ ですよ!!
ぷぷぷ。

いや、名前以外にも
友達に嵌められて無実の罪で投獄とか
地位と名誉、それに許嫁を失うとか
監獄の中で復讐の炎を燃やし脱獄し、成功し、身分を変えて帰国とか
ただ殺すのではなくジワジワと追い詰めようとするところが同じです。

と言っても原作は読んだことないんですけどね(笑)
今回はちょっと前に見たアニメ『岩窟王』が思いのほか役立ちました。
まさかここでアニメが役立つとは思わなかった!

2回観たので気づいた違いを…

と思ったんですけど、1回目は1階席でしたけど花道外の後列だったため
角度が悪くてよくわからなかった部分が多かったから
あんまり発見はないです(苦笑)
ただ、花道の近くだったからそれなりにお楽しみが

大王の右近くんが牛車に乗って花道を使って帰るところで
お妃に「ほんとすいません」としきりに謝っていて笑いがおこったところと
陰謀がバレて移送中にじゅんさん
警備のお役人に絡んでいたのが楽しめました。

右近くんのは舞台で「ほんとカワイイ」とお妃をやたらに絶賛していて
稲森さんが笑ってしまったのと
牛車に招く際にタイミングが合わなかったのか
躓かせてしまった(ように見えた)ことに対する謝罪かな?

じゅんさんのは日替わりかも。
1回目に見た時はお役人に「黙れ!」と言われながら
やたら他のお役人に対して「なんか言え~」「言うまでここを動かないぞ」と
踏んばったりして絡んでいたんです。
が、2回目に見た時は
妻は芸能人」「ドーゲンザカを歩いていただけ」「パンツがどうの
とやや不穏な発言を… ←逮捕繋がり?(笑)

ちなみに「なんぼの?」「もーんじゃーい」のコール&レスポンスは
両日ともあったので張り切って参加しました(笑)


以下、あらすじも含めてネタばれが多いので隠します。
 
大国・果拿の国へ
稀浮名山内圭哉)・音津空麿粟根まこと)・京兼調部川原正嗣)とともに
留学していた伊達土門上川隆也)。
彼は武士の身分で例外的に留学を許された身。
それだけ優秀ってことですが、おかげでやっかまれたりして大変です。
でも許嫁の兄でもある京兼調部には理解を得られているので問題なし!

そこへ陰謀が!

何者かの手によって親友・京兼調部の心臓が一突き、絶命。
その殺害の容疑が土門にかけられ
果拿の国王磯野慎吾)の前で裁判にかけられ
果拿の学者武田浩二)には見捨てられ
浮名・空麿の両名の虚偽の証言もあり島流しの刑に。

10年後、飛頭蛮と名前を変えて故郷の鳳来国へ帰国した土門。
脱獄の際に仲間になったサジと名乗る男堺雅人
ペナン高田聖子)・ガラン河野まさと)・ロクロク中谷さとみ)とともに
バンシンキョウなる新しい宗教を布教、庶民層から支持を受け
財力にものを言わせて右大臣となった稀浮名を丸めこみ
政治にバンキョウを利用して成り上がった音津空麿と対決!

一方、土門の許嫁だった京兼美古都稲森いずみ)は
鳳来国の大王右近健一)の妃になり
侍女・七芽保坂エマ)、かつての土門の親友だった遊日蔵人山本亨)や
流れ着いたのを介抱して以来仕えている方白・刀衣早乙女太一)に守られて
暮らしています。

宮中では優しい大王をないがしろに
美吉都の父の左大臣・京兼惜春千葉哲也)と
浮名の父である大連・稀道活橋本じゅん)が権勢を競っている、という構図。

これがサジと名乗る男の暗躍があって国はめちゃくちゃになるんです!

サジは謎の男。
出生に難があり、大陸にある特殊な訓練をする国で育った彼は
人として何かが欠けており、笑顔を絶やさず殺戮を繰り返す物騒な男。
忍者みたいな組織なんでしょうか。

その能力の高さゆえに故郷から疎まれ
逆に返り討ちにして以来追われる身となったサジに見込まれた土門。
自分を裏切った国に復讐しようとするサジに
知らず知らずのうちに利用されていたのです。

国を滅ぼすには国同士を戦わせればいい

というとんでもない考えで
戦争に発展させようと暗躍するサジ。
人を殺すことでキミの道を作る という言葉通りの行動。
土門の復讐と似ているところもあるんですが
最終的な目的が違うので結果的に袂を分かつ二人。

1回目に観た時はサジの行動が理解できなかったのですが
2回目で納得でき(た、と思い)ました。

サジは土門を鳳来国の王にしたかったのです。
そして果拿の国と戦争をさせたかった
そのために大王を殺し、美古都を王位に就けて
土門と仲違いをさせ、土門の未練を無くし
さらに邪魔な宮中の実力者を始末したんですね。…たぶん。

宮中には他にも陰謀を巡らせている人がいますが
それを一手も二手も上回るサジなので心配ご無用。
他の人の陰謀は「回りくどい」と一刀両断していましたけど
土門を王位に就けようとすることに関しては
結構、手間暇かけていますよね?(笑)


サジなりに土門を大事にしていたってことの表れなんだと思いました。
なにしろサジにとって土門は「」と初めて呼んでくれた相手。
割とそのポジションが気に入っていたみたいなんですよね。
いつもニコニコしているからわかりにくいですが(爆)

たぶん、名前を問われたのも初めてだったんだと思うんですよ。
全編通して笑顔を保っていたサジが
唯一真顔になったのが名前を聞かれた時だったし
サジにとって土門は予測不能な人間で新鮮だったんだろうなと。

だからこその陰謀。
土門には同じ気持ちになってもらいたいから策を巡らせたように思えました。
そうとうな好意を持っていたのに
それをどう表現したらいいのかわからないのがサジという人間なのかな~
なんて考えました。

このサジがいたから、この話が面白くなったのだ!
主役はあくまでも土門ですが
サジも影の主役なのでW主演ってことで!!

土門はストレートなんですよね。いろいろ。
原因と目的がはっきりしているからわかりやすい。
演じるのが上川さんだから復讐っていってもまっすぐさが伝わってくるし
どっか潔い感じがするんですよ。

けど、サジはなかなか自分のことを話さないからよくわからないし
演じるのが喜怒哀楽をすべて笑顔で表現できる堺さんですよ!(笑)
謎めいていて、ついつい注目してしまいました。
まさか堺さんの悪役がこんなにハマるとは! 嬉しい誤算でした。

しがらみの多い土門、持つものはわが身ひとつなサジ。
対照的な二人でございました。
意外なことに初共演な上川さんと堺さん!
期待通りな見ごたえで大満足~。


あとは千龝楽に拝見する予定なので
この二人以外にも注目したいと思います。
が、無理かな~(苦笑)
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プロフィール

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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