傾く滝 (杉本苑子)

変な風に歌舞伎熱が再燃。
梨園を舞台にした小説を再読。
やっぱり読書熱が盛んなのか…(苦笑)

歌舞伎を見始めたころ、図書館で借りて読んだ小説。
気に入ったのでその後、購入したという一品。
ですが、この本どうやら絶版中
凄~く探しまくって数年掛かりでようやく入手した思い出の品です。
で、手に入れたのはいいけど再読していなかった、という(笑)

江戸時代、変死を遂げた八代目市川団十郎を主人公にした物語。
その死には謎が多く、なぜ死に至ったのかが未だに不明だとか。
それを小説家らしく創作した歴史歌舞伎小説です。


傾く滝 (講談社文庫)傾く滝 (講談社文庫)
(1985/11)
杉本 苑子

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以前読んだときよりは、歌舞伎の知識が増えましたので
いろいろな角度で楽しめました。

知っている名前もわんさか登場しますよ!
キャラが違うよ! な人や
あはは。そんな感じかも~、な人も。
そして今は使われていない名跡も。
どのキャラもイキイキと個性豊かで目に浮かぶようです。

そして、当時の
歌舞伎のポジション
天保の改革という無茶な改革と戦うみんな
役者としての生き様…
いろいろな要素が詰め込まれていて盛りだくさん。
なにしろそれ以外にも

仇討ち・出生の秘密・盲目という障害・衆道・疱瘡という病気・恋愛
資金繰り・興行の仕組み・上方歌舞伎と江戸歌舞伎
復讐・妬み・本妻と妾・芸と人気・名跡・アタリ役って大切だよね

などなど盛り込まれていますから本当に楽しめるお話です。
これが絶版ってもったいないです

華やかな世界を舞台にしているのに、その根底は常に暗い。

それは身勝手な人間に翻弄され
やがて死を選ぶことになる
若く美しい八代目の儚さが象徴されているかのよう。

そして八代目と深く関わることになる浪人・宮永直樹の生き様とも合致。
ああ~、やっぱりな~。そうくるよな~。
と納得しつつ、でももっとこう…とモドカシイ。

でも不思議なことに悲劇的な結末なのにどこか幸福なラスト。
愛の物語なのでした。
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面白そうですね(^0^)

絶版ってことは、やはり図書館で探すしかないですか??

>>変死を遂げた八代目市川団十郎
いつぞや、当代團十郎さんが青山学院大で行った講義をまとめた新書を読んだ際”ええっ?!そんな人が居たのか?!”とビックリした覚えがあります。私も詳しく知りたくなってきました。

以前、図書館バイトをしてた時、書庫での配架作業してたら、偶然「15代市村羽左衛門」というタイトルの小説が目に入り、思わず借りました。本人は生涯公に発表せずにいたようですが、混血だったんですよね。養子につぐ養子で、なんの因果か歌舞伎の家に貰われて。

まるあさんは、宮尾登美子さんの「きのね」って読みました??先代の團十郎さんご夫妻をモデルにして書いた小説で・・・・・・「お手伝いさん」と結婚する、ということで、結婚当時かなり騒がれた、ということなんて全く知らなかったです。

ゆかぼんさん

面白いですよ! 絶版というのが惜しまれます。
図書館ならあると思います!
全集にも収録されているので是非読んでみて下さい!!

八代目は超美形で有名なんですよ(笑)
オトコマエ過ぎて変な風に人気が出て
死んだ後も“死に絵”が飛ぶように売れたとか。

怪死つながりですが、初代團十郎も俳優に刺されて? という話が…
『血の日本史』(安部龍太郎)の中の短編にそんな話がありました。
調べていないんでどこまで事実かわかりませんが。←無責任(笑)
確かに初代の急死で二代目が苦労したというのは聞いたことがあります。

15代羽左衛門はたしかにバタ臭い顔をしている…
実際に混血だったんでか?! なるほど~。

『きのね』は未読です。割と宮尾登美子さんのは読んでいない(苦笑)
読んだのは『東福門院和子の涙』『蔵』だけ、かも。
そんなお話だったとは! 『きのね』ってタイトルじゃワカラン!!
そのうち(っていつだ?)読んでみたいと思います!

早速!!

県立図書館の蔵書検索をかけたら一発で見つかりました♪♪

全集の3巻(←まるごと一冊だったんでビックリ………期限内に返却できるだろうか??)だったんですが、杉本苑子さんは歌舞伎を題材にした小説を結構書いてらっしゃるみたいですね(^O^)

初代團十郎の『團十郎の死』、四代目半四郎の『虚空を風が吹く』、四代目小団次の『かえる役者』、三代目田之助の『女形の歯』、あと『絵島疑獄』なんてのも有りました。

ちなみに、宮尾登美子さんの『きのね』の『き』は、附打さんが鳴らす『き』(←携帯では変換できずスイマセン)の音、という意味なんですが、平仮名で書かれると何のこっちゃ??ですよね(-o-;)

ゆかぼんさん

さすが図書館! 頼りになる~!!
長編ですけど読みやすいので意外にサクサク読めると思います。

そうなんですよ。杉本さんはほかにも歌舞伎小説を書いているんですよね~。
調べていなかったんですけど
おかげで調べる手間が省けました(笑)

きのね=柝の音ってことなんですね。
人の名前かキツネかなんかだと思っていました(なぜキツネ??)
プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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