その男

観劇:2009年4月12日
会場:東京芸術劇場
原作:池波正太郎
脚本:鈴木聡
音楽:上妻宏光
演出:ラサール石井


原作の小説を事前に読もうと思っていた気もしますが
すっかり忘れてブッツケ本番。
そんな状態でしたが
初めて生の波岡くんを拝見できるので楽しみにしていました。


その男

継母に蔑ろにされ、父親にも守ってもらえなかった少年・杉虎之助。
耐え切れなくなったある日、入水自殺を図るも助けられる。
助けてくれたのは以後生涯の師となる池本茂兵衛平幹二朗)。
これで生まれ変わったつもりで新しい人生を生きぬけと諭され
全国行脚しながら剣の指導を受け
剣豪へと成長した杉虎之助上川隆也)が主人公。

世の中が、いかに変わろうとも、人間の在り方に変わりはない

そんなメッセージが込められているというお話。
その通りで師匠の池本に“生きる”ことを最優先しろと教えられ
激動の時代をただ見ている主人公なのでした。

この話、もしかしたらかなりの長編なんじゃないだろうか?
それくらいめまぐるしく変化した物語でした。
主人公はたらひたすら“生きる”のみでしたが。
でも演じるのが上川さんですからね、退屈しません
このキャラにぴったりでした。

そんな主人公と対照的なキャラが
中村半次郎池田成志)と伊庭八郎波岡一喜)。
虎之助とは同時期に出会った二人。
似ているようで三者三様、全く違う人生を送るのです。。

中村半次郎って名前でピンとくればいいのに
言われるまで思い出せなかった~。
この人“人斬り半次郎”ですね。そうなんだ、そういう一生を送ったんだ…
だって演じるのが池田さんですよ。
そんな陰惨な感じがなかったんだもん。
成志のフリータイム(笑)もあったし。
相手をしている上川さんも楽しそうでした。
半次郎にとって虎之助との時間は素を出せるひとときだったのかもしれません。

さてさて、個人的に大注目の伊庭八郎。
というより、それを演じる波岡一喜さん
ちょんまげ姿を見るのは初めてですが…いいんじゃないでしょうか。
いつもの凶悪な(酷)お顔から一変、なんだか丸く見えます。
ええ~、イイ人の役だよ!
それに爽やかだ! 新たな一面!! いいぞ、この役!!
どっかの道場の剣豪。剣を交えて語りあう戦友ともいうべきお人。
強いのだ。でも病気持ちなのだ。
剣豪として華々しく死にたいと死に場所を求めている人物。
その気持ちのまま、あらゆる戦いに身を投じ
満身創痍で最期まで戦い続ける姿は…
まるで主人公!! ←贔屓しすぎ(爆)

でも本来なら戦う人が主人公になりそうなものなのに
そうしないのがこの物語の素晴らしいところです。
後半、仇を討とうと行動するのですが
戦いの虚しさに気づくのです。
普通に生きる、というのがいかに大切かということを
身を持って教えてくれるのです。

もちろん女性もご活躍。
隠密な側面も持つレイコ内山理名)。
男装したり隠密の仕事もしながらひたすら虎之助思い続ける女性。
変幻自在なキムラ緑子さんの役(役名失念)。
時代と状況にあわせて鮮やかに生き抜く姿はオミゴト。
虎之助と半次郎、二人に関わる女性。
…緑子さん『鹿男』のイメージとはまったく別!
もしかしてこの話のヒロイン?! と思わせる重要な役でした。

要所要所で登場する
瓦版や虎之助のおじさん・金五郎六平直政)のおかげで
時代背景がよくわかり
場面転換も大木を幕かわりにして待ち時間のストレスがなかったのもよかった。

あと、音楽がステキでした。
やっぱ時代劇には和音が似合う!(そうじゃないのも好きですが)
三味線がカッコよかったです!!

あとあじサワヤカ! 見終わったあと、爽快感を感じました。
カーテンコール、というのか?
お芝居が終わって出演者が改めて登場する場面。
ずーっと出ずっぱりだった上川さん
でも傍観者を強いられ、立ち回りがほぼ封印されていた剣豪・虎之助。
ここで出演者と立ち回りがありました!
わーい♪ 単純に嬉しい~
共演のみなさまとハイタッチしたりしてサービス満点でございました。
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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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