リチャード三世

観劇:2009年1月31日
会場:赤坂ACTシアター
作:シェイクスピア
演出:いのうえひでのり


『リチャード三世』の戯曲は以前『国盗人』を観るために事前に予習したので
大丈夫!
と、お気楽に構えていたら…覚えていなかったーっ!

入り口で受け取ったチラシの束にいのうえさんからの心遣い
開演前に読んで予習しとけ!”の紙があって「ありがたい!」と熟読。
けれど読めども読めども頭に入らず。
カタカナの名前ばかりなんだもん! うう…どうしよう~(号泣)


舞台は15世紀のイングランド。
らしいですが、未来的な建物に小道具。かなりメディアの発達した時代。
ケータイはあるし、テレビもある。
ボイスレコーダーもあるみたいで、それに向かって腹黒い考えを吹き込む男。

それがリチャード三世古田新太)。
この時、セリフが全部モニターに映し出され誤魔化せない状況。
わあ、大変! がんばって古田さん!!
でもモニターに人物の映像も流れるので非常にわかりやすい演出で助かりました。

ランカスター家とヨーク家が王位継承を争ういわゆる薔薇戦争。
ランカスター家の王とその皇太子を殺害し、ヨーク家の天下に。
リチャードの長兄が即位し、エドワード四世久保酎吉)となるも
野望実現のため、さらなる爆弾投下。
次兄・クラレンス公ジョージ若松武史)を罠に陥れ刺客を送り込み殺害。
先王の皇太子の妻だったアン安田成美)色目を使うリチャード。

そんなリチャードには敵が多く
王妃エリザベス久世星佳)とその兄リヴァース伯天宮良
息子ドーセット侯森本亮治)たちとは仲が悪い上
先王妃マーガレット銀粉蝶)には呪詛の言葉を吐かれ
ついに生みの親・ヨーク公夫人三田和代)からも恨みの言葉を聞かされるリチャード。

味方は
ヘイスティングズ卿山本享)とバッキンガム公大森博史
スタンリー卿榎木孝明
ケイツビー増沢望)とラトクリフ西川忠志
ですが、果たして最後まで味方でいられるのか?!

とまぁ、陰謀と建前が渦巻くドロドロの宮廷だったりするんですが
一幕目は正直うとうと。面目ない。
だって名前が覚えられないんだもん。役者さんも覚えられないんだもん。
でも予想以上にカラフルな衣裳でなんとか見分けがつきました。

…それにしても衣裳が薄汚れているのが気になる。
楽日間近だから汚れちゃったのね~、と納得しようとしましたが
汚れたまんまにしないでしょう!
ところどころ明らかにほつれているし、飾りが取れているじゃないか!
その謎は第二幕で明らかに。

第二幕では策略を巡らせ、ついに即位。リチャード三世誕生。
コバヤシサチコみたいな状態で戴冠式。
うーん。
即位に至るまでと戴冠式に関しては『国盗人』のインパクトが絶大でした。

その後も陰謀を巡らせ続けるリチャード。
敵も味方もジャマだと思えば遠慮なく消去。
オソロシイです。
そんな恐怖政治で不満が出ないわけありません。

フランスに亡命していたランカスター一族のリッチモンド伯川久保拓司)の元に
続々と反リチャード派の人たちが。

ここから、俄然おもしろくなります!!
なんなんだ、リッチモンド! 君はおもしろすぎるぞ!!
なんであんなキラキラしているの?
登場したときは「…タカラヅカ??」と呆然としてしまいました。

白を基調とした衣裳に身を包んだリッチモンド
キラキラした眼で真っ直ぐに国民に訴えます。
そのまばゆい訴えはわかりやすく信じられる内容です。
ていうか、本音と建前を使い分ける薄暗い人たちを見慣れた身には
マブシすぎて、ちょっとおばかに見える…(爆)
そういえば『国盗人』でも彼は浮いていた。そこが良かったんですが。

どうやらほかの人の衣裳が薄汚れていたのは
本音と建前を使い分ける薄汚れたオトナ、を象徴していたようです。
それも必要ですが、度がすぎるとぐっちゃぐちゃになるので気をつけましょう。

追いつめられたリチャードはついに亡霊にまで悩まされるように。
君にも良心があったのだね?
ちょっと安心したよ。
この場面を観て『朧~』もこの話を元にしたことを思い出しました。
『天保~』もちょこちょこ思い出しましたよ、当然。
あの場面は『リチャード三世』からだったのか! と何度も思いました。

リチャードがうなされた天蓋が一転して
リッチモンドの天蓋になったのはおもしろかったです。
すごく対照的だったし。

闘いはもちろん真っ白なリッチモンドの勝利。
ランカスター家のリッチモンドが即位してヨーク家から妻を迎え
これにて薔薇戦争は終幕。


いやはや、腹黒い人の考えにはついていけませんよ…
ハンパなく黒いリチャード三世 = キュートさがない古田さん。
貴重なものを拝見した気がいたします。

日本ではありえないことの連続で文化が違うと実感しました。

だいたい呪詛ってばれないようにコッソリするものじゃないんですか?!
あんな大々的に…びっくりです。

それにコトダマを重んずる人生を歩んでいる(大げさ!)身としては
あんなに腹黒いことをぺらぺらと語る人に違和感を禁じ得ません。
ま、しゃべってくれないと困るんですけどね、お芝居だから(笑)

王になるために殺す。これに躊躇いがないことにもびっくり。
殺すにしても大義名分が必要だと思うんですけど
その辺を策略で躱してしまうのにも抵抗が…
相手は国のトップですよ。王さまですから。それでも構わないというのが凄い。
日本ではありえない。
そもそも日本には王さまがいないけど。ああ、そこから文化が違っているのか~。
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まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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