歌舞伎*怪談 牡丹燈籠

会場:歌舞伎座(3階席)


お露ちゃん(七之助)と女中・お米(吉之丞)が船に乗って
愛しい新三郎さん(愛之助)のお話をしているところから始まります。
はあ、もう二人は出会っているんですね。
で、この場面が終わるといつのまにか死んでいる
お露ちゃんとお米さんなのでした。

一方、もう一組のカップルが船上デート。
お露ちゃんのお父さんのお妾・お国(吉弥)と
ご近所の宮野辺さんちの次男坊・源次郎(錦之助)です。
不倫ですね。アダルトなカップルなのです。

この船を操っていた船頭さんが実は三津五郎さんで
ちょいちょいっと着替えまして、散切り頭の和装で高座に座り
落語っぽく語りを聞かせてくれるのです。
さらら~っとあらましを解説。ほんと芸達者です。

読経をする新三郎さんの元へ
死んだと聞かされていたお露ちゃんがお米さんを伴なってやってきます。
「なんだ死んだと言うのはデマだったのか~」と部屋へ通す新三郎。
お米さんの巧みな誘いで枕を交わすお露新三郎。
…お米さん絶品! すっごく幽霊っぽい! ←幽霊見たことないけど。

それをデバガメする伴蔵(仁左衛門)。
覗いたらご主人である新三郎がドクロに魅入られている!!
ひぃえ~! と、助けもしないでスタコラ逃げ出す伴蔵(笑)

ここだったかな? 一階で悲鳴が上がりました。
なにかお楽しみがあったようです。
が、3階席だった私にはまったくわかりませんでした。がくー。

そのころ、お露ちゃんの実家・飯島家では大変なことが!
お国の部屋に浮気相手の源次郎が堂々と入り込み、逢い引き中です。
旦那を殺してこの家を二人で乗っ取ろうぜ~と不穏な相談をしています。

そして、歌舞伎とは思えないラブシーン。
ガバーっと源次郎におそいかかるお国。←そう見えた(笑)
ききききすしてないですか?! ←してるわけないだろう!!

そこへ現れる飯島家当主の平左衛門(竹三郎)。
浮気現場を直撃!
へなちょこ源次郎が足に傷を負いながらもお国の手伝いもあって
なんとか勝利し安堵したのもつかの間
女中・お竹(壱太郎)が物音を聞きつけてやってきます。
ええい、バレてはしかたない、とお竹も斬り殺し
金目のものを盗み出し逃走するお国と源次郎。

さあ、いよいよお峰(玉三郎)の登場です。
リアル人妻メイク(眉ナシお歯黒)で怖いけど、かわいい!
白塗りしてないけど、かわいい!
ご近所のおろくさんに「ありがとお~」と気さくに話し
伴蔵が目撃した幽霊話を「ひえぇ~っ」と怯えながらも
「それからどーしたのー?!」と絶妙の間で続きを促して笑いを誘う。
さらには幽霊から100両せしめることを思いついてリアリストぶりを発揮。
恩ある新三郎と100両を天秤にかけるんだもんな。

幽霊が持ってきた100両を「ちゅうちゅうたこかいな」と
数える様子もオカシクてカワイイ。
暗闇に響き渡る「ちゅうちゅう…」がラブリーでした。

ちなみに原作ではこの100両はお露ちゃんの実家の飯島家から盗んできた
という設定でした。おかげで孝助くんが酷い目に…
これがない舞台はお露ちゃんと実家の繋がりが希薄ですな。

買収された伴蔵がお札を剥がし、現れたお露を新三郎は怪しまずに
「やはりこの世の人だったか」と喜ぶ純真な心に好感度アップ。
ま、とり殺されちゃうんですが(笑)

二幕目は原作の落語とはドンドン離れた展開に。
知らなかったんですが今回は文学座のために書かれた脚本で上演したとか。

源次郎が土手下のカマボコ小屋に住みズタボロ姿に対して
笹屋に働きにでて身奇麗なお国。
平左衛門に刺された怪我で身体が不自由になり
お国に捨てられるのではないかと心配する源次郎に
「やっとアンタを独り占めできたのに捨てるもんか」と言い切るお国。
愛だね、愛!

そのお国にいれ上げるのが幽霊からせしめた100両で一旗あげた伴蔵。
伴蔵の浮気に気付き、馬子の久蔵(三津五郎)に酒と賄賂で
うまく白状させるお峰。
朴訥なイナカモンがお上手な三津五郎さんなのでした。

あくまでも過去を見据えて受け入れるお峰に対して
過去はなかったことにしたい伴蔵。
このすれ違いが後の悲劇に。
お金が人を狂わす、というのがよくわかる一場です。
うう、第一幕ではあんなに仲のよかった夫婦なのに(泣)

ところでこの場面でお峰に「おろく」と呼びかけるところがあったのですが
こりゃ間違いかな? でもものすごく力強く言いきってた…
あと、暗転して回り舞台で場面転換をするどこかの局面でなにやら不穏な物音が…
すわ、故障か?! とヒヤヒヤしましたがちょっぴり時間はかかりましたが
なんとか場面が変わって胸を撫で下ろすこともありました。

さて、新たな事実が発覚。
お国が働くお店の同僚にお姉さんが一周忌だというお梅(壱太郎)がいます。
詳しく聞くと姉は飯島家に奉公に出て殺されたらしい。
そういやお殿様と一緒に女中が切られたな、あの女中の妹か!
ということは平左衛門も一周忌だ! と気づいたお国と源次郎。
アヤシゲな蛍が現れて二人は…
この話では蛍火がタマシイを表している、のかな?
人が死ぬと蛍火がふわ~っと飛び立ったし。
蛍の大軍=幽霊(?)に心を狂わされたってことなのであろうと推理。

一方、哀しくも心がすれ違い始めたお峰と伴蔵。
過去がバレることを恐れた伴蔵がお峰を切り殺してしまいます。
うう…最後まで伴蔵を信じたお峰だったのに(泣)
事切れたお峰を抱えて「お峰~っ」と絶叫して幕。

おや、歌舞伎らしくないラストですな。
ああ~、分不相応なお金を不正に入手したばかりに~。
お金って人を変えるのね、と実感したのでした。


『奴道成寺』は残念ながらとある事情で集中できなかったので…
それでも真っ赤なぶっ返りには「おお~」と目を奪われました。
記憶に残ったのはこのラストだけ! なんたる不運!!
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カウンター
ブログ内検索
リンク
RSSフィード
FC2 Blog Ranking