男女逆転劇:夜の姉妹

しれっと昨年の観劇感想更新シリーズ。

役者さんには興味あるんだけど男女逆転劇ってどうなのよ?
オールメールでもなく男女逆転なんだよね??
どんななの?
演出のわかぎさんって名前は知っているけど観たことない、よね?
リリパットアーミーⅡは見たことないし。
ん? 新作歌舞伎『たのきゅう』を演出したひとか!
あれ楽しかった! じゃあ大丈夫か?!


夜の姉妹

観劇:2015年12月17日(1階Cブロック5列目上手よりセンター)
劇場:品川プリンスホテル クラブeX
脚本・演出:わかぎゑふ

アレクサンドル・デュマ・フィス:山本裕典
ラインハルト皇太子:彩乃かなみ
リンダ・マインツ:佐藤永典(青春鉄道の山手線)
ステファニー“ローザ”デルパーニ:平野良(2015年3回目の拝見)
ルーシー/アニータ:宮下雄也(殺意の衝動のヤな先輩)
マリア・デルパーニ:原嶋元久(女海賊ビアンカのアルベルト)
エリーゼ/エバ:田中崇士
リヒャルト皇太子:中野咲希
ビルト:菊地美香
ヨゼファ・クライム:黄川田将也(舞台版『風が強く吹いている』のハイジ)
マルガレーテ王妃:八代進一
ハンナ・コルト:近江谷太朗(お久しぶりです!)
アンナ・エグロシュタイン男爵夫人:粟根まこと(わーい粟根さんだ!)


19世紀初頭のドイツ、バーデン大公国。
そこへフランスからオペラ「椿姫」を書いた
アレクサンドル・デュマという女流作家がやってくる。
そこで、バーデン大公国の皇太子ラインハルトに出会い
やがて親友になっていく。
ラインハルトは恋人ローザとの結婚を
両親、特に母親のマルガレーテ王妃から反対されていた。
王妃と大公はラインハルトを跡取りにしたくないという動きもあり・・・

皇太子の身に起きたとてつもない血の悲劇。
巻き込まれた女流作家、デュマがこの謎に挑む!


という紹介文のゴシックホラーの名作らしい。

血の悲劇・ゴシックホラー・19世紀初頭のドイツというキーワードから
きっと血みどろスプラッタだな!
もしかしたら吸血鬼とかそういうのも出てきそうだな!

と予想していたんですが・・・

ぜんぜん違いましたな。
そもそもデュマが挑むという謎がなかなか出てこない。
どうやら事件が起こって推理するのではなく
事件を見届けるキャラなんだな。

アレクサンドル・デュマと言えば
『三銃士』とか『モンテクリスト伯』の文豪ってイメージだったけど
『椿姫』も書いていたの??
と思ったら劇中で明かされました。
その文豪の娘だったらしい。ほう。親子で文学者なんですか。
女流作家より男性の方が受けがいいから性別を隠しているそうな。
ほう。そこは史実なんですかね? あ、実際は息子なんですか。
この芝居でだけ女流だと。けど演じる山本くんは男性、と。
ややこしいな!

このデュマが全然女っぽくなくて
ギャグパートも担っている凄いキャラでした。
「安心してください。履いてますよ」とか「なんて日だ」とか
時流に乗ったセリフがバンバン出てきた。
こんなキャラだから恋人のいるラインハルトと仲良くなっても
怪しげな感じにならないのがいい。

ラインハルト皇太子を演じるひとは元宝塚の娘役さんでした。
ん? 娘役??
ラインハルトは男ですけど。
けど宝塚の男役っぽいキレイで繊細な王子様になっていました。

そのラインハルトの恋人ローザに平野くん。
平野くんの女装! きっと綺麗だろうなーと期待していたら
あれ?! 予想と違うぞ??
どっしりしてる??
ナイーブなラインハルトに対して
なんとかなるなる! と女は度胸、なキャラでした。
身籠ってラインハルトの母親(王妃)から煙たがられるのに
挫けない強さを持った女性。
そんなところに皇太子も惹かれたんだろうか。

ローザの妹マリアを演じるのが『ビアンカ』のアルベルトの原嶋くん。
アルベルトの面影はないな。
控えめなのは一緒だったけど見事に女の子でした。
この人と、マリアの親友・リンダを演じる佐藤くんは女の子でした。
女学生なんだけどふたりがきゃわきゃわしているのを見ると
リアル女子高生? と違和感を覚えないのが違和感でした(笑)

記者志望のリンダとデュマが話を引っ張る役。
話の中心は
皇太子ラインハルトと庶民ローザの恋愛と
リンダたちが通うめざせ淑女! な学校には陰謀が?!
この二つには密接な関係があるのか?! ないのか?!

めざせ淑女な学校を経営するのが厳格なエグロシュタイン男爵夫人
粟根さんですからね、要所要所に笑いが。
それを補佐するヨゼファ・クライムの黄川田くんとともに
どこまで本気かわからない感じでした。
このふたり、マジメの境目が変だ(笑)

男爵夫人のとこで働く女中ハンナが近江谷さん。
超母性のキャラでした。意外!
ハンナに拾われた孤児ビルトがかわいいんだ。
菊地さんの幼い声が元気な少年ぽくて良かった。

上記はマジメに男女逆転劇を作ったらこんなキャラばかりになりそうな・・・
当然飛び道具もいます。
それが女学生仲間のルーシー
演じる宮下くんは『殺意の衝動』でなんともイヤな先輩を演じたひと。
その面影ないぞ! 見た目から笑わせに来る卑怯なキャラでした。
いや、こういうキャラ欲しいけどね。
そんなキャラをイキイキと演じる宮下くんでした。
本来こっちのほうが得意なのかも。

恋愛的にラスボスと予想されたマルガレーテ王妃ですが
演じる八代進一さんが本職でビックリ。
花組芝居のひとでした。
道理で板についている。華やかで貫禄のある王妃様でした。

王妃が皇太子の結婚に反対するのは身分違いとか
そういう意味だけではなかった。
ヨゼファの「女の子ならいいわね」にそんな意味が込められていたとは!
衝撃の展開でした。


以下、ネタバレ。


血の悲劇とは
血友病のことでした。

王妃が因子保有者で皇太子が発症という悲劇。
当然、皇太子の子供も受け継ぐわけで
それをわかったうえでの
「女の子なら(発症しないから)いいわね」という言葉だったのだ。

それを知らされた皇太子がとった行動がまた悲劇的で
とんでもないバッドエンドでした。

しかも男爵夫人は王妃の姉で当然、因子保有者。
大公国のためを思って行動する姉妹。
めざせ淑女な学校は
次の後継ぎを生むための健康な女子を集める目的だった、とか
ちょっとそれどーよ、な展開。

記者をめざしていたリンダも
他人の秘密を暴くような仕事はちょっと無理
と挫けそうになるという
どよんとしたエンド。

けどそれを吹き飛ばすエンディングで
気分よく追われたのが素晴らしかった!


男女逆転劇で本来の性別とは異なる扮装をしていた役者たちが
本来の性別の正装で決めて登場したときは
キャアと黄色い悲鳴が(笑)
気持ちはわかる。私もテンション上がった。

やっぱカッコイイ人がカッコつけるのはいいね~。
洋装の正装でダンスするみなさんは輝いていました。


原作のないお芝居も面白いなと改めて感じました。
先が読めないからわくわくする。
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プロフィール

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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