美しい弟と可愛い兄:さよならソルシエ 1巻

『式の前日』がやたらめったら面白かった穂積さんの連載マンガ。

選んだ題材は
かの有名な画家ゴッホ
の、弟テオ

ゴッホとテオと言えば
もう終了して久しいテレビ番組『知ってるつもり?!』で
取り上げられたのを覚えています。


ゴッホというひとは生きている頃は全く売れなくて
ひたすら弟のテオに金の無心をして絵を描き続けていたという人生。
テオもどういうわけか
最後まで返済されることのない借金を許し続けていた献身的な弟でした。

なんでそんなことがわかるのかっていうと
手紙が残っているんですって。
弟へお金の催促をする手紙が。

番組内で「親愛なるテオ」で始まる手紙がいったい何通紹介されたのか…?
しまいには「親愛なるテオ」というフレーズを覚えてしまったほど。
言われるたびに番組を見ていた家族全員で
「また借金か、ゴッホ!」と呆れたものです。

それを今回、このマンガを読んで思い出しました。

なんの仕事をしているのか忘れましたが
テオはせっせと送金していたんですよね。
よほどイイ仕事をしているに違いない。


さよならソルシエ 1巻 (穂積)

「親愛なるテオ」ことテオドルス・ファン・ゴッホは画商でした。

そうでしたか…
それなら兄の絵を扱えばよかったのに。
扱っていたけど売れなかった、ということか…?
その謎は読んでいるうちにわかります。

テオ、顔はいいです。
私はまず表紙に惹かれ、ぺらりとめくった扉でオチた。
酷薄そうで、底の知れない雰囲気で
柔らかそうな髪の毛が実にいい。

美人です!

読んでいくとその知識の深さと観察眼の鋭さに驚きます。
まるでシャーロック・ホームズ。
共に働くひとからは「まるで魔法使い(ソルシエ)」とビビられています。

当時の絵画は特権階級のたしなみとして売られているものだったようで
画壇に認められないとなかなか売れない環境。
その画壇に並ぶには
認められるべきひと(保守派の画商)に認められなければ
その状況を打破できない悪循環。

ああ、だから兄の作品を紹介したくてもできなかったのか…
なんだそれ?! 新人はどうしたらいいのさ??

そこへ一石を投じるテオ。

いつの世も
体制は
内側から壊すほうが
面白い


うぎゃー! 好きっ!! とメロメロになった一言です。
これが口先だけならガッカリですよ。
テオは違います。
有言実行!!

それも破天荒な方法で!

一度は計画倒れに思えた企画を一気に成功させたテオの鮮やかな手腕!
その成功を疑いもしない兄の信頼!


やばい、こりゃ面白い。

絵を描くことに特化した天才フィンセント・ファン・ゴッホ
それ以外のことは不器用そうな人物に描かれています。
実際そうだったのかどうか?
それはどちらでもいいことです。
このマンガではそういうキャラ! それでいい。

テオとフィンセントの兄弟は幼いときから仲がいい。
よかったー。
『知ってるつもり』では
テオの心情描写はなかった(ような気がする)ので
テオが兄さんのことを好きだから援助しているのかどうか
不安だったのだ。

兄さん相手だと自然な笑顔を浮かべるテオがいい。
穂積さん、表情描くの上手だな。
特にテオの表情が美しい。

どうもこのテオは
兄さんの絵を世間に紹介するためにこの仕事を選んだようだ。
兄さんが百年愛される画家になると確信」したので
そのプロデュースをするために。

うっわ。なんという…

しかし、1巻のラストで
そんなに単純な思いではないってことが明らかに。

おおお、2巻が待ち遠しいぞ。

テオは複雑な男だよ。
そして単純でもある。
兄のことは愛しているけど憎んでもいる、そんな男。

弟のそんな気持ちには全く気付けない天才の兄

ゴッホって
死ぬまで売れなかったけど
死んですぐ人気が出たんだよな、たしか。
「なんでもっと早く売れなかったんだ~」と
『知ってるつもり』に向かって嘆いた記憶がある。

亡くなったのもかなり若いころだったはずなので
このマンガも凝縮されたお話になりそうだ。
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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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