映画と言うよりミュージカル:レ・ミゼラブル

現実からかけ離れた
華やかな物語をみたくて選んだはずの映画でしたが
見てみたら思いのほか苦労話

しかし、面白んだこれが!

姉の子供のためにパンを1つ盗んだ罪で
19年服役していたジャン・バルジャン
出所したものの助けられた教会で銀の食器を盗んでしまう…



というあらすじは知っていた。
が、“ミュージカル”のイメージから華やかと勘違い。
いや、なんとなくミュージカルって華やかな気がしませんか?
私だけですか。そうですか。

服役中の冒頭。
…あれって刑務所内の描写か?!
まるで奴隷のような扱いを受けているジャン・バルジャン。

映画館を間違えたかと(笑)
まるで『グラディエーター』
いや、ラッセル・クロウは看守として出演しているから
『グラディエーター』ではない。
というか…

どれがジャン・バルジャンか私にはわからなかった!

確かバルジャンはヒュー・ジャックマンが演じているはず
だが、いったいどこに?!

やたら映っていた
やたら看守にマークされていた
やつれた人が
バルジャンだとわかったのは出所してからでした(遅)

しかしなぁ、パン1コで19年…

時代はフランス革命の後
いったんは王政から解き放たれたものの
そんなに良くならなかったので
なんとなく王政にもどったりしている
混乱しているころ。

出所したものの
定期的に役所に出頭しなきゃいけなかったり
就職できなかったり
前科者には生きにくい環境なのです。

あっという間に路頭に迷うバルジャン。

ぐったりしていたところを神父に助けられ
温かい食事と寝床を提供してもらうバルジャン。
しかし! 夜中に起きだし教会の銀の食器を盗んで転売しようと目論む…

恩を仇で返すとはこのこと!

もちろん捕まって教会に引きずり出されるわけですが
もらった」と言ったらしいバルジャン。

オウ…そんなウソをつくなんて見損なったぞ!

しかしまさかの展開!
神父が「そうですよ。あげたんです」と。
さらに
燭台もあげたのにわすれていくんだもんなぁ」と。

聖職者とはかくも懐の深いものなのか…っ!

神父の優しさに打ちのめされたジャン・バルジャン。
パン1コだけじゃん!
しかも妹の子供のためにだよ!
全部社会が悪いんだ~!

と密かに倦んでいた気持ちもあったと思うけど
悔悛です。

この場面で私は泣きました。

高らかに歌い上げるヒュー兄の力強い歌声に酔い
人の情けに触れて懺悔&改心に感動。

数年前、某番組で
通訳を通してなのに絶妙なタイミングでリアクションし
芸人さんたちに「ヒュー兄!」と慕われていたのを見て以来
ヒュー・ジャックマンはヒュー兄なのです。

バルジャンの面白いところは
ここで「おいらも人に優しくしよう」と決意し
聖職者を目指さないところ

そんな単純な行動はとりません!

あっという間に数年後。
市長となって、名前を替え、姿を変え(ようやく見慣れたヒュー兄に)
工場経営まではじめているジャン・バルジャン。

どうやって名前を変えて市長にまで上り詰めたんだ?!

詳細は不明ですが人望厚い市長におなりです。
が、追われる身。
看守から警部に転職したラッセル・クロウと再会し、ヒヤヒヤ。

もちろんバレませんが
怪力ぶりを発揮して疑われる羽目に。

そう。バルジャンは怪力なのだ。
なにせ演じるのがウルヴァリンのひと(笑)

追う警部と追われるバルジャンの攻防が見せ場のひとつですが
市長の経営する工場に働いていた
若い母親アン・ハサウェイの悲劇も見どころ。

この話にはどういうわけか性根の歪んだ人ばかり登場するのですが
工場で働く人たちの性格の悪さも酷かった。

若くてカワイイ彼女に嫉妬した女の集団によって
汚名を着せられ追いつめられ
狭量な工場長によって職を奪われ
あっという間に転落。

身を売り、髪を売り、歯を売るどん底生活。

…? 髪を売ったら仕送りできるんじゃないの?
なんで歯まで売るの?
つーか、歯なんて買うひといるの??

この子は不幸すぎる。
娘を預けた夫婦があんなに強欲じゃなければ…
揉めたとき警部が来ていなければ…

娘を預けた夫婦が酷過ぎる!

なんだあのヘレナ・ボナム・カーター
こういうエキセントリックな役、上手いな!

どん底での生活で病んでしまったところを
ようやく市長に助けられるものの
時すでに遅し。
市長に看取られながらの最期。

でも娘を託せて良かったね~。

自分とこの工場で働いていた子がこんなことになって
責任を感じたジャン・バルジャン。
コゼットを引き取り育て始めます。

私はこの子をいずれ嫁にするつもりで育てているのかと…

ジャン・バルジャンはそんな単純な行動はとりません!

普通の父としてコゼットを養育。
したら、美しくお年頃に成長したコゼット
若き活動家のマリウスに一目ぼれ!
マリウスも同じくコゼットに一目ぼれ!

それに気づいた父、反乱軍にいるマリウスを助けようと潜入

急にきな臭くなる物語。
圧政に苦しむ民衆がついに立ち上がり、内乱が勃発。
その中心人物のひとりがマリウスだったのだ。

反乱軍にはスパイとして警部も潜入。
バレて捕まっていたところにバルジャン潜入。

コイツの始末はオレに任せてくれ」と引き受け
積年の恨みを晴らすのかと思いきや
密かに警部を逃がすバルジャン。

え! その行動は尊いけど、そのひと絶対恩に着ないよ!!

しかし逃がす。
それがジャン・バルジャン。


ついに戦闘開始。
少年を狙い撃つ軍隊に寒気を覚えました。

援軍も来ず、劣勢の反乱軍。
傷つき、疲弊していく反乱軍。
コゼットのためにマリウスだけでも逃がそうと奮闘するバルジャン。

反乱軍のリーダーの最期は壮絶だった!

あの姿を見てしまうとマリウスが助かることに疑問を感じてしまう。
本来ならリーダーの隣にいるべきなのはマリウスなんじゃないの??
ほかのひとが駆けつけたけど本当ならマリウス…

マリウスを助けようと奮闘している最中、それに気づいたひとがいます。

警部です。
しつこくバルジャンを追い
反乱軍を根絶やしにするよう指令を受けている警部。

しかし、命を助けられたことはさすがに重くのしかかっていた警部。
さらに正規軍の血も涙もない戦いっぷりに
疑問を感じていたようで(やっと?)
見逃してくれます

おお…警部!!

見直したよ。まさか警部が…っ!
法の番人
法そのものに疑問を抱くことがなかった警部の心がついに!

だけど見逃したことがアイデンティティの崩壊に繋がるとは…

警部のソロには号泣。
法と心の板挟みで悲劇に繋がるとは思わないじゃないか~。

遺体を並べたのがバルジャンだと察してくれる警部はまさに好敵手!

しつこく追いかけてくる警部はホントーにウザかったんですが
この結末を見てしまうともうウザいなんて言えない(言うけど)。

警部も被害者なんだ。
恐怖政治には限界があるってことなんだよなー。

ひととひとを繋ぐのは
“愛”であり“情”なのだと気づかせてくれる物語
でした。

いろんなひとに愛を注いだバルジャン本人は
幸せな人生を送れたかどうかは…

苦労は多かったけど幸せだったと思います。

身バレの危険を顧みず怪力発揮して助けた男から恩返しを受けたし
警部にも見逃してもらえたし(これバルジャンは知っているのか?)
マリウスに理解してもらえたし。

そしてなによりファンテーヌに迎えにきてもらえたし。

彼らに成仏の概念があるのかどうかわかりませんが
あの場面はまさに成仏だと私は思いました。

見ごたえのある映画でした。
というかミュージカルの舞台を観たような充実感

これまでのミュージカル映画は
歌の場面を別撮りしているそうですが
この映画では実際に歌っているのを映像に使っているとか。

それ、正解!

そのほうが伝わってくるよ!
それに思いのほかキャストのみんなの歌がうまかった!!

もう一回観たい!
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まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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