2012年最大の訃報

勘三郎さんが亡くなってしまいました。

この訃報を最初に聞いたのは5日の朝のテレビ番組でした。
そのときは、ただただビックリ。

実感がわかないまま仕事をし、ふとした瞬間に
あれ…ということは、もう勘三郎さんの舞台を観られないの?
という寂しさが込み上げ呆然としたり。

じわじわと実感した2日間でした。

新聞で親しかったひとたちの談話が載ったり
朝のワイドショーや夜のニュースでもとりあげられ
フジテレビでは追悼番組が流れ
本当なんだな、と。

フジテレビ、松本公演取材していたなんてグッジョブ!

サプライズで登場したって聞いていたから観てみたかったんだよ~。
手術を目前にしながら出演者全員に秘密にして登場!
いいね~、稚気に富んだまさにサプライズ!

それにしてもつよい。

病気が発覚してからも取材を続け
周囲に気を遣い
事実をまっすぐに受け止めて。

ほんとうに惜しい人を亡くした…


というわけで私も追悼。
ごくごく個人的な思い出を残してみようと思います。

以下、勘九郎=勘三郎さんとして認識願います。

中村勘九郎なるひとに初めて接したのはテレビ番組でした。

歌舞伎俳優としてではありませんでした。
それどころか役者としてでもないという…

クイズ番組で初めて認識したんです。

番組名は忘れましたけど
「5択をならべて」ってコーナーのあるクイズ番組。
歴史クイズでした。
原田大二郎が司会か共演していた、ってことしか思い出せない~。

博学でね~、いろんなことを知っていたんですよ。
当然、正解率が高くて「このひと、頭いい!」と注目していたんです。

表情が豊かで
正解したときの得意げな表情
不正解だったときのそれを認めない負けず嫌いな一面(笑)
見ていて楽しくなるひとでした。

このひと何者? と思っていたら
母に「歌舞伎役者だよ」と教えてもらったものの

カブキヤクシャって何?

母、困惑(爆)
隈取とか鏡獅子とか乏しい知識を総動員して説明してくれたのですが
そもそも子どもには隈取がわかんないし
鏡獅子も「新春かくし芸」でしか見たことなかったから
どうにもこうにもピンとこない。

わりと長い間カブキヤクシャは江戸時代に詳しい人、という認識でした。

そのクイズ番組が終了してからは
中村勘九郎という名前に接する機会がなくなり
しばらく間があいた平成12(2000)年8月

ついに歌舞伎役者・中村勘九郎に出会うことになるのです!

それも奇妙な縁によって。

映画の前売り(何の映画かは忘れた)をゲットしようと
新宿の金券ショップを冷やかしていたときに
偶然みつけた「納涼歌舞伎」のチケット引換券。

歌舞伎なのに妙に安かった(たしか900円)ので興味を惹かれたのです。

友達と「行く?」「行ってみたい
けど私、学校の授業で観たとき寝たよ…
誰がでるんだろ?
いや、そもそも歌舞伎役者よく知らないんだけどさ
“納涼”だから怖い話なんじゃない?
それなら寝ないよね?!

と、演目も誰が出演するのかもわからない状態で購入
あぶないぞ、納涼=怖い話とは限らない! と今なら思う。
なんだったんだろ、あのテンション(笑)

どこかの新聞社が配っていた引換券を
転売した誰かのおかげで店頭に並んでいたようです。

引換券だから劇場で当日券に引き換えないといけません。
当日券がどのくらいあるのかもわからないので
2時間近く前に歌舞伎座へ行き、ならんだ若き日のワタシ…
偉かった!

そして引き換えたチケットは
勘九郎主演の『東海道四谷怪談』!!

友達と「四谷怪談だったらいいよね~」と話していたのでビックリ。

しかも江戸時代に詳しいカブキヤクシャ中村勘九郎主演!

ワクワクしながら、いざ座席へ!
座席は3階A席でした。
ほんらいなら3階B席だったところ
劇場の人に
「プラス〇円(いくらか忘れた)払えば見やすい席になりますよ」
と、唆され…いや、勧められ
どうせみるなら、とグレードアップ。

その甲斐あってとっても楽しい舞台を堪能。
もちろん寝ませんでしたよ!

あらすじは知っていたのでわかりやすかったし
早変わりや仕掛けもいっぱいだったので目が離せない!

と言いたいところですが
早変わりに関しては
あまりに早くて早変わりだと認識せずに観ていました(オイオイ)

観終わってから
「あれ、同一人物」と教えてもらう初心者まるだしな観客でした。
でもそれを信じないワタシ。
ええ、そんな時代もありました(遠い目)

当時のすじがき引っ張り出して見てみたら
直助役が“八十助”になっている!
わー、現・三津五郎さんですねー。
そういえば八十助だった。

ちなみに勘九郎さんはお岩さん・小平・与茂七の3役。
お袖さんに福助さん
伊右衛門橋之助さん
お梅ちゃんに芝のぶちゃん
宅悦弥十郎さん(“弥”で合ってます)
宅悦の女房おいろ小山三さん

…今ならもっと役者に注目して観たい配役だっ!!

ともあれ、これがきっかけで年に2・3回
歌舞伎を観るようになって
贔屓の役者のひとりに勘九郎の名前があったのはもちろんのこと。

そしてまた転機が。
2003年6月
コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑です!

初演がめちゃくちゃ面白かったという評判を聞き
急遽チケットを確保して観に行ったこの歌舞伎でどっぷり浸かることに。

平場席で観たんですが
あのラストシーンには思わず立ち上がる盛り上がり!

面白かったー。

あの感動があったから
一時期毎月のように歌舞伎を観るようになったんですよ。

いろいろ面白い歌舞伎を観ましたけど
思い返してみると『夏祭~』のあの楽しさを体験したから
歌舞伎に夢中になったんだなぁ
と思うんです。

そういうひと、多そうだなぁ。
勘九郎時代の勘三郎さんを観て歌舞伎の楽しさを実感したひと。
ベタですみません(笑)

そう考えると本当に偉大なひとでした。
歌舞伎の敷居を下げ、間口を広げた最大の功労者。

意外な劇場での歌舞伎公演
外部の演出家との新しい演出で古典歌舞伎公演
いろんな脚本家と組んでの新作歌舞伎公演

「おもしろそう!」「観てみたい!」と思わせる企画を実現させつづけ
観客を惹きつけ
舞台から観客を魅了し続ける稀有な役者でした。


勘三郎さんを亡くした翌日に舞台に立った息子ふたり。
偉い。

その口上の

父を忘れないでください

の言葉に全力で
忘れないよ!! と応えました。

だって私と歌舞伎を引き合わせてくれたひとだ!
そして夢中にさせてくれたひとだ!

きっと天上界では常設の中村座を作って
舞っていることでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。
 
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プロフィール

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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