DVDで観る『天保十二年のシェイクスピア』蜷川版

先日、勢いに乗っていのうえ演出版を観たので
そうきたらこっちも観るべきでしょう!

こちらの舞台も実際に観ております。
が、さすがにその頃の感想は残っていません。


天保十二年のシェイクスピア

上演:2005年
作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄
会場:シアターコクーン

イキナリ全然違うんですよね。
「え、洋風?」と騙されかける。
セットも洋風で、開演前からシェイクスピア時代の衣裳に身を包んだ
紳士淑女が舞台上をうろうろ。
そして大道具さんらしき人もうろうろ。
「これはお芝居ですよ」という演出?

芝居が始まるととたんにそれまでいた人々ははけて
客席から登場した江戸の人々がセットを破壊開始。
ほんとに柱を壊しちゃう乱暴さ。
やっぱお芝居ですよってことかな。
演劇はお客様の想像力によって支えられている」とかなんとか言われたし。

いのうえ版と比べると蜷川版は猥雑な感じ。
いのうえさんのは派手でカラフルにしてパワフル。
蜷川さんのは茶色っぽく土くさくてパワフル。

お話はだいたい同じなんですが大きく違ったのが佐吉
いのうえ版では登場しなかったキャラ。おこま婆に子供がいたとは…。

浮舟太夫の年季明けを清滝で待ち続ける純朴な棺桶職人・佐吉。
正直、浮舟太夫とやらに騙されているのでは?
とヒヤヒヤしたので
2幕目で噂の浮舟太夫が登場したときは
「わ~よかった!」と本気でほっとした。
たとえ、みすぼらしい格好をしていたとしても。
いいの! 約束通り佐吉に会いに来てくれたから!

だけどおこま婆はそうとは考えなかったようで
こうなったらいい! という期待通り変身はしても…時すでに遅し。
さすがに墓場までくれば「ロミオとジュリエットだな」と気がつく。
ロミジュリは王次たちだけではなかったのか。

おこま婆早まったよ。
純真な働き者(っぽい)嫁さんを…ああ、佐吉、憐れなり。

佐吉の職業「棺桶屋」で思い出すのが
学生時代に授業でやった『好色五人女』(なんつー題材)。
このなかの一話でかんおけ屋の男に恋をする女の話。

先生の説によると
「棺桶屋という職業上、常に死と接している男は現実的で恋に溺れたりはしない」
「死と隣り合わせの職業である彼には常に死のにおいがする
→彼の周囲、または彼本人が死亡する可能性」
ということだった(と思う。正確じゃないかも…先生申し訳ないっす)。

「恋に溺れない」ってのは佐吉にはあてはまらなかったけど
「死」に関しては当たっていたわけだ。と、観てから思い当たった。
職業がマエフリかぁ。なるほどね。

これ以外で印象に残ったのは、幕兵衛がかっこよかった!
勝村さんがあんなにかっこよく見えたのは初めて(笑)
幕兵衛に関しては蜷川版のほうがイメージかな~。
恩人を殺してしまったことを気に病む様子が、ひしひしと伝わってきたもん。
それに後半、古田さんじゃ病人に見えないのだ(苦笑)

夏木さんのお里のあのメイクにはびっくり。
女郎屋の娘ってあんな感じなの??

自分でも意外だったのが、高橋惠子さんのお文
なんか好きだな~。出てくると目が追ってしまう。

そのお文より目を奪われたのが、王次
登場シーンは正直…ドン引き。
舞台を観たときもウゲ、と思い、数年経った今観てもウゲゲでした。

出入りを渋る王次を説得する手下たちが
入れ替わりスポットの下に移動するところは舞台で観たときのほうが面白かった。
わざわざスポットに移動してしゃべるのが可笑しくて可笑しくて。

ハムレットのあの名台詞を時代によって訳し方が違うというのもおもしろいなぁ。
あんなに違うとは…。

全く同じ戯曲で比べると改めて判る、いのうえさんの演出は殺陣が多い!
音楽が多い!
音のないシーンがあると「いいの?」と心配に。

ひとりで2・3役こなしていたいのうえ版ではわからなかったけど
この芝居、全員一度は死んでいるんだなぁ(凄!)
あの幽霊になって勢揃いのエンディングは好き。
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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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