映画で見るよしなが版『大奥』

早々に映画館に行った友だちから続々と

原作に忠実なんだけど…
キャストは豪華なんだけど…


と歯切れの悪い報告メールが届いて
気になってしょうがないので見てまいりました。
揃いもそろって同じようなこと言うんだもん。気になるじゃないですか!

映画の前に原作の1巻を読み返そうと思いましたけど
これらのメールで読まないでおこうと決めました。
なんとなく。

つか、なんでみんなそんなに早く見てるんだ(笑)
まだ公開して1週間経ってないぞ。


で、見てきたわけです。
平日の仕事帰り、意外に混んでいて衝撃を受けました。
え、なに? そんなに原作人気なの??
と浮かれましたが、どうやら主演のFANだったようです。
ああ、そうか。納得。

で、原作FANの私です。
結局本当に再読はしなかったのでうろ覚えで見ていたのですが
意外に覚えていた!
だから結果いろいろ比べてしまったのですが…

たしかに原作に忠実だ。

もちろん変えられているところもありますが
基本、原作に準じた展開で一安心。

キャストも好きな役者ばかりだったので期待したんです。

特にチラシを見て「うわ! ぴったり!!」と期待していた和久井映見さん。
ばっちりでした!
相手が上様でも遠慮なく言っちゃうとことか食えない感じがまさにおみつ!!
好きっ!

あと出てくるとは思わなかった大岡越前板谷由夏さん。
ちょうど『篤姫』で見たばかりだったので妙に嬉しかったのと
やっぱ凛々しくていい…うっとり。
この人と上様はケチなとこが…と密かに思うおみつの思いがカットで残念。

御伽坊主浅野和之さん!
キャスティングされていること全く知らなかったので
登場したときは噴きだしそうになりました。
下世話でへんな味わいがあってよかった(爆)

三郎左がまさかのイケメン! 金子ノブアキさんか~。
けっこう出番多い。
原作では実は密かにいたんです、と見返すと楽しいキャラなんですけどね。

チラシで名前をみつけて謎だったムロツヨシさん。
美男ばかりの逆転大奥という舞台のどこに出演を?! ←失敬だな(苦笑)
登場して納得。
ああ! その役があったか!!
イイトシして若衆髷の副島です。
ぷぷぷ。妙に納得のキャスティングでした。
本気でキモいし腹が立った(褒め言葉)。バッチリでした!

お針子・垣添役は誰なんだ?
かなり重要なんだけど…うーん、よく知らないひとだな~。
と見守っていたら、おお! いい感じだ!!
キャアキャアと水野に憧れの眼差しを送る彼が登場する場面は
楽しくなりました。
中村蒼さんね。ふむふむ。

そして原作読んだ時には全く興味を抱かなかった藤波佐々木蔵之介さん。
これは嬉しい誤算!!
たぷたぷした藤波が蔵之助さんに大変身! やったー。
でもなんかしどころなくってモッタイナイ配役になってしまいましたね。
松島とのラブシーンは…なくても良かったような??
やたらインタビュー記事で強調されていたからどんだけ凄いんだ?!
と覚悟したら肩すかし。
いや、ガッツリあってもドン引くだけなんであれで正解なのかもしれません。

その松島役の玉木宏さんは…
キャスト発表された時は「松島って誰だ?! そんなのいたか??」
まったく思い出せず、柏木と混同してしまいました。
私は柏木が好きである!
上様の寵を争う殺伐とした大奥にありながら親切にしてくれた人だから。
裏の顔があったとしても
むやみに嫌がらせするようなちいさいヤツよりずっといい!
でもこの勘違いはそれほど見当違いではなかった。
玉木さんの松島は柏木の役割も担った出番の多い“特別”仕様でしたから。
あ、“特別”出演てそういう…(違)

そして大好きな杉下を大好きな阿部サダヲさんが演じる!!
とっても楽しみにしておりました。
杉下は大奥でしか生きられない境遇で
なんかもー達観していて半分諦めたような人生を送っている人です。
え、そんな枯れたキャラをサダヲが??
それはさておき、これはこれでアリ! な杉下でした。
原作よりまろやかな感じ。
杉下も親切で好きなんだよね~。
「担がれておるのだ、おぬし」の登場ではキター!! と乗りだした私(笑)


以上が表向きの感想(笑)
以下、ツボ違いだったな…な部分を列挙しますので
そういうの読みたくない方はご注意ください。

先に「たしかに原作に忠実だ」と言いましたが
これには注意書きが必要です。

たしかに原作に忠実だ。半分は!

展開は忠実です。
果たし合いの末、切腹とか
上様お忍びでお散歩とか
原作になかった描写もありましたがおおむね忠実。

だけど、面白くないんです。

つまらなくはないですよ。
つまらないとすぐ寝ちゃう私が寝ないで最後まで見られましたから。
けど、面白くもない。

どうも感動するポイントがないというのがひとつ。
原作を読んでいるから先がわかる、と言う点を差し引いてもダメですね。
泣いたり笑ったりできるところが皆無。
心動かされる場面がないんですよね。
キャピっとした垣添が出てくるとなんとなく楽しくなりましたが
それだけ。
杉下が登場するとにやにやしてしまうのは
私のサダヲへの愛がそうさせるだけだし。

原作の飄々とした空気を排除したのも悪い。

私はよしながさんのマンガは
どんなに重いテーマでも軽妙にして洒脱なキャラクターや表現が好きなんです。
歯に衣着せぬざっくばらんな物言いが凄く好きで
この大奥もそういう空気を楽しんで読んでいたのですが…
映画からはまったく感じられない。

たとえば
水野が婿入りの話を聞いたとたん
「大奥に入る!」と言っちゃう場面で
母・父・姉がそれぞれ「要するに婿に行きたくないんだな…」と思うとこ。
お香を学ぶ場面で孤峯の雪のマークを見て「サルマタ」と表現するとこ。
上様が真面目な顔して「お掻取とやらの歩きにくいこと」と思っていること。

こういうのを失くしてはキャラの個性がなくなってしまうと思うのですが…
上様なんてただガサツなだけに見えるので損してる。
水野だってなんでいきなり大奥?! と唐突過ぎると思うんですけど
水野がこういうすっとんきょうな人だってことを伝える場面がないから損だ。

登場人物のやりとりに面白みが欠けていたのかな~。
会話で楽しむよしながマンガが原作なのに
フツーに真面目に会話してるんだもん。
あれ? もしかしてモノローグ無かった??
だからキャラの個性がわかりにくかったのかな。

監督が『木更津~』の人だって言うから会話のおもしろさを期待したのに~。
何を描きたくて映画にしたんだろう??
ツボが違う上にポイントもわからないとは致命的。

私がスキ! と思っている要素を徹底排除してくるんだもん(唖然
大好きな針探しの場面もカットだし!
あれ、水野の重要なエピソードだと思うんだけど…

その代わりが鶴岡の果たし合いと切腹
うーん。
無理やりチャンバラ差し込んで侍としての水野を際立たせようとしたのか?
どうだろ?
それに城内で腹切っちゃダメなんじゃないの??
滑って勝機を逃してましたけど…
切腹があるから足袋履いてたのかな?(いや、切腹の作法なんて知らんけど)
勝手に切腹したら親類縁者にも迷惑がかかりそうだけど平気なの?
そもそもなんで切腹しなきゃいけないのかわからないし。
水野に負けたから? 松島に振られたから?
だからってお前を殺してオレも死ぬってことになるの? なんで??

先日『十三人の刺客』で
迫力満点なチャンバラと見事な切腹を見たばかりなので
疑問と不満がMAX!

あと、イメージがどうとか見た目がどうとか気にしない方なんですが
水野はミスキャストと言わざるを得ない…
身体の大きさの問題で(苦笑)
ちょっと小柄すぎですよね。
原作同様の長身なひとを配役すれば簡単に説得力がでた部分がかなりあった。
やっぱイメージ通りって大事なんだ。見た目って大事なんだ! と実感。
垣添のほうが大きいとかありえないから!

あと、髪型が気になりました
大奥に上がる前の水野の髪、あれ、どうなってんの??
鬘なしで出てきたのかと思ってビックリした。
気になって凝視しちゃったよ。
おかげでお信ちゃんとのやりとりまったく記憶にないよ(苦笑)

それと鶴岡の髪。
なんであんなに鬱陶しいの?
果たし合いの場面は巌流島を模してるの?
遅いぞ武蔵、の心意気なの? 佐々木小次郎ってことなの?

あと、男ばかりの大奥ってけっこうイヤかも(苦笑)
マンガだと気にならないのに実際に男ばっかりの景色を見ると…
着飾った姿を見るなら女性がいいよ!
だって、上様とおみつ…はちと地味だったけど
大岡越前とか間部詮房を見たらすごくほっとした(笑)


なんだかんだ言いましたが
この荒唐無稽なお話を生真面目な話にしようとしたのが敗因
じゃないかと思いました。
結局、何が言いたいのかわからなかったし…
なんで映画化したんだ?
水野とお信ちゃんのロマンスがメインだったのかなぁ?
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私も初上映当日映画デーでしたから
観に行きました。
原作で見れなかった、花魁道中のシーン
欲を言えばGACKTさんが、新造役は
早乙女太一くんだったらよかったです。
あくまで個人的意見です。v-10
期待はずれ可も無く不可も無くの意見もありますけど
藤波役は沢田研二が演じたらイメージぴったり
だったですね。

通りすがりの方

花魁道中、GACKT&早乙女太一!!
それは楽しそう!!
花魁の場面ももう少し見どころがほしかったですよね~。
なんだかサラっと流されて残念。

藤波役を沢田研二?!
それは…怖い(爆)
藤波様の天下になってしまいそうな迫力が出そう。
それはそれで面白そうですけど(笑)

コメントありがとうございました!
プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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