映画『十三人の刺客』を観てまいりました。

リメイクされた映画だそうですが、前の映画は観ていません。
観ようとは思ったんですけどね。
レンタル屋においてないんだもの。見らんないですよ。

というわけでタイトルから
13人、刺客が出てくるのだろうな~
ってことしか知らずに観てきました。

江戸末期、とある藩では藩主の横暴に苦しんでいた。
お上に訴えてもその藩主、将軍の弟だから無罪放免になってしまう。
もう藩主を成敗しないことにはどうにもならん!
と立ち上がった13人。


ってな塩梅なあらすじです。

とっても面白かったです!!

単純明快でわかりやすい映画ですが
とにかく血なまぐさく
腹は切れるし、首は飛ぶし、いろいろ刺さるから
そういうのが苦手な方にはお勧めできませんが(笑)

以下ネタバレしますのでご注意ください。

いきなり切腹から始まるんですよ。
藩主の横暴を身体を張って諌めるためですが、その訴え空しく…

ちょっと! その切腹したのって内野聖陽さんじゃん!!(驚愕)

えええ? 出番これだけ? 回想シーンで出てくる?
と期待しましたが出てきませんでした。
なんという豪華な使い方! いえ、重要な役ですからインパクトは十分。

にしても、内野…さん? だよね??
と疑いながら見てしまいました。
内野さんに限らず、この映画では「あれ?」と思う役者さんが多かった。
なんというか、個性が消されていた、というか。
けっこう後になってから「え、さっきのって○○さん??」と
気付くことが多かった(私が不甲斐ないだけかも)。

それはさておき、内野さんが命がけで訴えたのに状況変わらず。
それどころか、藩主は来年には幕府の要職につく御沙汰があるらしい。

え、今よりもっと被害が広がりそう(大汗)

という予想は誰にでもできる。
だけど、対策がない。
幕府のトップである将軍みずからが擁護する相手にどう立ち向かえと?!
悩んだご家老、役所広司を呼んで「頼むから殺してくれ」と依頼。

以下、役者さんの名前でお送りいたします。
だって登場人物の名前覚えられなかったんだよ~。
唯一覚えたのが“間宮”。
…うん、それ切腹してもう出てこない人だから(苦笑)

それを承諾する役所さん。
この時代、藩主を殺すことは大逆です。いくらバカ殿相手でもダメなんです。
この時点で命を捨てる覚悟なのですよ!
「平和な世で死に場所を探していた」と気負いなく言い切る男気…!!

続々と集まる仲間たち。
松方弘樹・沢村一樹・石垣佑磨・近藤公園・高岡蒼甫・六角精児・波岡一喜
そして役所さんの道場に通っていた伊原剛志、その弟子・窪田正孝
金で雇った浪人・古田新太
ヒマをかこっていた役所さんの甥・山田孝之

これで12人だ!
ん? ひとり足りなくない??

足りないまま計画は進んでいきます。
いくら偉い人からの依頼でも極秘任務。そして失敗は許されません。
計画は密かに遂行せねばなりません。
が、バカ殿の元にも有能な部下がおりまして
「何かある」と察しをつけるのが市村正親

この人が有能すぎて困ります。
前半は市村さんと役所さんの手の内の読み合いにワクワクします。

バカ殿と因縁のある人を味方に引き込み
相手のルートを変えさせ
すごい買い物をして待ち受ける。
なにしろ多勢に無勢ですから準備万端にしておかないといけないんですよ!
しかし相手もそんなことはわかっているので策を練るんです。

なんか、思ったよりオオゴトな話だ。
なんとなく無計画に13人がワーっと襲う話を想像していたので
この大がかりな駆け引きにワクワクが止まりません!!

計画は立てた。あとは自分たちが移動せねば!
とったルートは山道。
慣れぬ山で完全に迷子になった彼らの前に現れたのが13人目の伊勢谷友介
山の民です。
罰を受けて吊られていた彼は好奇心旺盛。ノリでメンバーに(笑)
意外なことに彼がお笑い担当でした。キャシャーンなのに!
なんであんなに不死身なんだ。キャシャーンだからか(爆)

でもおかげで思ったより早く目的地に到着。
準備時間もたくさん取れました。ふう。一安心。
しかし待てど暮らせどバカ殿ご一行様がおいでになりません。
まさか、計画がバレてここには来ない…?
いや、あのバカ殿の気性からそれはない。はず。
ジリジリしながら待ち、ひたすら待ち、ついに来た!

200対13のスーパーチャンバラ活劇の開始です!!

戦闘が開始してしまえばあとは
13人のうち
誰が一番に死ぬのか、誰が生き残るのか。
そればかりを気にして観ることに。

タイトルの13人の中でもメインになる人とそうでない人がいるんです。
私が気になるのは“そうではない人たち”。

大丈夫! それぞれに見せ場が用意されておりました!!

役者さんの個性が消されていたのと同様に
個人の個性も消されていたようで
個人的な事情はあまり語られることがなかった彼ら。
それでもいつのまにかコンビ結成されていたのが嬉しかったです。

まずは石垣くんと高岡くんのコンビ。

石垣くんは…いろいろありましたが(現実でネ)
最近は活躍を見ることができて嬉しいです。
舞台『大江戸ロケット』の弟役で注目した彼。
なので私の中では弟キャラなんですが
いつのまにやら一匹狼キャラになっていて複雑でした。
が、今回は久々に下っ端キャラですよ!
なごみ担当でナイス!
期待したのですがそれほど下っ端ではなくて残念。
ちゃんとお役立ちでそれはそれで嬉しかったですが。

高岡くんはやっぱルーキーズ!
と言いたいところですが私には映画『バトルロワイアル』の杉村なんです。
だからヤンキー役が多いのには戸惑いを覚えるのですが
今回は久々に非ヤンキー!
弓矢が得意な好青年!
いや、刺客な人たちはみんな義憤に燃える好漢揃いですが。

このふたりが仲いいってのは爆弾繋がり?

そしてこの映画には波岡くんが出ているのですよ!
好きなんです、波岡一喜さん。
初めて認識したのは…たぶん『デスノート』のスピンオフ映画。
以来、結構早くに死んじゃう役で見ることが多くて(苦笑)
今回も一番なんじゃないだろうか?? とビビっていたのですが
一番ではなかった! よかった!!
フットワークの軽い役でいろんなところでお役立ち。嬉しい。
死に際にもまさかの六角さんとのコンビで見せ場も!
ああ、よかった。

そして大人計画の近藤公園さん!
大人計画のメンバーですが
それより先に映画『ウォーターボーイズ』で拝見したので
どうしてもメガネキャラに思えるのですが(苦笑)
時代劇でしかもチャンバラでメガネはありえない。
一番見失う率が高かったのも彼…
ど、どこにいるのだ?! と探すことの多いことといったら!
爆発で死んだのは公園さんですよね?

借金とお墓と豪遊のために雇われた浪人・古田さん。
お金で参加してもしかして裏切るんじゃ? とちらりと思ったりしましたが
そんな人ではありません。
チームの潤滑油のような人でした。
なんか古田さんに関しては戦いの場面より
道を発見して大喜びとか
山男を仲間にしたときのやりとりのほうが記憶に残ってます。

あ、六角さんも古田さんと同様で戦い以外の場面が印象的。
馬で駆け通しで疲労困憊な泥だらけで到着してから
みんな「おなかすいた」「お風呂入りたい」と言っている中
「まずは女」と言い切った姿には(爆)
あんたがそれを言うのか!
それを「えぇ~…」と見送るみんなの表情もおもしろかった。

そして忘れてはならないのが伊原&窪田の師弟コンビ!

年若い弟子を巻き込んでしまった責任感からか
見守ったり庇ったりする伊原さん。
ちょうど『組!』を見返している最中で佐々木さま~とご機嫌で見る私。
これがまた強い!
あの千本刀(イヤさすがに千本はない)の“佐々木の間”は圧巻でした。

その師匠を必死で追いかける弟子がまた健気で…
戦いの中でどんどん成長していく姿には師匠じゃなくても眩しかったです。
この窪田正孝くん、いったい何者? と調べたら
『ジョーカー』の第4話の椎名役でした。
ハ? 椎名って誰?? 無差別殺人の加害者?
………あーっ! お前かっっ!!
精神鑑定を悪用して逃げようとした犯人ですよ!
そう。あの役をやった人なの…。
なんだか複雑な心境になりました(苦笑)

ここまできたら全員に触れておきますかね。

松方さんと沢村さんは大人でした。
締めるとこ締めるって感じで安心して観ていられる。
役所さんが相談できるだけあるな、と。
で、なぜか戦いの場面でやたら目を引いたのが沢村さん。
なぜ? 別にマークしていたわけではないのに??
着物が比較的白っぽかったからだろうか?

なんといっても別れのセリフがかっこよかった山田くん。
彼女(?)との決別の場面で「お盆に帰ってくる」と。
いいなぁその言い方。
死を決意しているのが伝わってくるし「帰ってくる」って言い方がいい。
あの後姿もかっこよかった。
あとときどき芹沢な感じがにじみ出てきてにやにやしました。

さて、コンビと言えば敵味方に分かれた役所さんと市村さんもそうでした。

若き日、お互い切磋琢磨して公私ともに仲のいいらしいふたり。
詳しいことは語られませんが
将棋(囲碁だっけ?)の勝負では市村さんの優勢で
剣の勝負では役所さんに軍配があがるらしいふたりが直接対決。

どう考えても役所さんのほうが疲れていると思うのですが
そこは志の強さで押し切ります。
だって市村さん、そこに至るまで散々バカ殿の言動を目の当たりにして
迷ったと思うんですよ。
自分を説得しながら守り通したけど
民のため未来のために戦ってきた役所さんの心意気に負けてしまった感じ。
っていうか、なんで市村さんがそこまでして守りとおしたのかわからん。
それが当時のあり方なのか? 侍って難しい~。

バカ殿がこの映画、最大の立役者ですね!
これだけ愚かなことを積み重ねるバカ殿が同情の余地ない悪役だから
この血なまぐさい物語に説得力が生まれるのだ。

詳しいことは省きますがその悪逆非道さは半端ないです。
好意的に見るなら
実はキレすぎてその先見の明から行き詰った世の中に失望してその反動で…
と解釈することもできそうですが
だったらその権力と能力、いい方向に使わんかい! と文句を言いたくなります。

それにしてもこの人、興味深いです。
食べない・逃げない・痛いと言わない登場人物の中で唯一全部こなした人。
豪華料理をぐっちゃぐちゃにして醜く犬食い
戦いを前にして逃げ出すわ「痛い…」と言うわでそのダメっぷりを披露。
そんな1日が「一番楽しかった」とおっしゃるバカ殿。
…ド鈍な人なんですね。
なんかここまでくると爽快です。

見ている間はムカムカイライラしっぱなしでしたが。
会社勤めをしていると
多かれ少なかれこういう上司の存在に悩まされるものですし。
オカシイ。今は江戸じゃないのに…

13人は凄かったです。
食事の場面は一切なく(カットしただけで食べているのでしょうが)
壮絶な場面でも誰ひとり逃げようとはしない心意気。
あまりに壮絶で見ているこっちが「もういいよ~逃げて!」と
思ってしまいましたが、とにかく多勢に無勢。
誰かが欠けるとそのぶん他の人の負担が増えるわけで
そう言う意味でも
ひとりでも多くの敵を倒すために生き延びねばならないという気迫に泣けた。

あ、そうそう。
珍しく何も企んでいない役で岸部一徳さんが出ていたのですが
まさかの…でした(爆)
やー、笑った笑った。恐るべし山の民。

誰が生き残るかはキャストに最大のヒントが隠されていたのですね。
なんというご加護であることか…!!
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まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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