地球へ… 全3巻 (竹宮惠子)

先日テレビアニメ『地球へ…』DVDを見て どうしても再読したくなった原作。

だって、以前読んだはずなのに覚えていないんだもの!
アニメ版はいろいろアレンジされていたようなので
比べてみたいじゃないですか!


地球へ… 1 (Gファンタジーコミックススーパー)地球へ… 1 (Gファンタジーコミックススーパー)
(2007/04/06)
竹宮 惠子

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アニメ版を見たときに一番のポイントをツッコミ損ねていました。
地球が青くなかった!
ここに注目すべきだったのにすっかりスルーしていました。

だって…否定できないんだもの。
そうか~、無念。と受け入れてしまえたんだもの。
リアリティありすぎなのも困りものだ~。

異様に長くなってしまったので隠します。
 
いきなりズッシリのしかかる冒頭から始まります。

人類によって好き勝手・無計画に蹂躙されて
疲弊した地球を回復させるために
ジャマな人類を残らず移住させることになり
ついでに出産なんかも機械で管理するようになった遠い未来。
完全にシステム化された暮らしに疑問を持たず淡々と生きる人類。
そんな人類の中から虚弱な身体を補うように
超能力を発達させた“ミュウ”と呼ばれる新人類が誕生するようになり
迫害されるミュウvs現状を死守したい人類
の図式が完成した。


要約するとこんな感じですか。
プロローグでいきなり圧倒されてしまいました。

ガンダムでも人類はコロニーに移住しているわけですが
人口が増えすぎたから新たな土地を求めて地球を飛び出しただけなので
この『地球へ…』の設定のほうが容赦ないです。
地球カワイソウ(涙)
怖い…このままでは現実に起こりそうなのがイヤだ。

ブルーたちはアタラクシアの地底に隠れているんですね。
アニメ版では…雲の中にいたんだっけ?
地底っていうのも容赦ないですよね。そりゃあ鬱屈しますよ。

いつから年をとるのをやめたろう?

こんなぼんやりなセリフが出てくるほど行き詰っています。
っていうか、最初っから若づくり(?)していたんじゃないんですか?
ミュウの外見は本人の好みが反映しているようですね。

いいなぁ。いつまでも若い外見が保てるんだよ!
虚弱だけど長寿!

もちろん健康体で長寿が一番いいですけど、それを超能力で補えるなら
自分がミュウだとわかったら喜んじゃうと思う。

そんな不謹慎な私の考えはおいといて
ジョミーママの酷さにビックリ。
密告してますけど…っ!
そんなことしたらどうなるのかわかっていながら
「ウチのコ変なんです」と密告してる!
ジョミー、カワイソウ。
アニメ版の優しいママを見た後だと衝撃が大きすぎる!!

ジョミーの成人検査、生中継でミュウたちが見ているのにもビックリ。
悪趣味じゃないですか?
怖い。なんて挑戦的なマンガなんだ…。

テラズ・ナンバー5の形が全然違う!
アニメ版のほうがわかりやすくてインパクト大。
無表情でちょっと歪んだ顔は憎たらしかったです。

カリナ達ミュウの子が
「ESPエリートとしてここで生まれ育った」ってどういうこと?
出産はテラ側で管理しているんじゃないの?
おや??

ブルーによって保護されたジョミーですが
なかなか大変です。
なにしろ新米ミュウですからイマイチ力の使い方が不得手。
潜在能力は誰よりも高いんですけどね。

でもやだなぁ、一方的に考えを読まれるのは。
ジョミーは開き直っていましたけど
防御できないのが悪いんですか? 理不尽な!
このあたりのマナーは徹底するべきだと思う。
でも結局防御できないと読まれっぱなしになるわけで…
そう考えると確かに迫害の対象になるのかも、ミュウって。

ジョミーは優しい子です。
いきなり連れて来られて、いきなりブルーから後継ぎに指名されたのに
ミュウの人が基本虚弱と聞いて引き受けるんだもの。
大変だよ、ブルーはいなくなっちゃうわけですから。

本当にいないんだもの!
補聴器(あれ、補聴器だったのか! デカっ!!)を
託して儚くなってしまいました。
ブルーとジョミーが共にいた時間ってほんっと少ないよね!
ずいぶんなムチャ振りですよ、ブルーったら。

ブルーの退場と入れ替わりまして、キース登場。
おー、サムいるよ。シロエもいるよ。
そうなんだー、いたんだねー。

キースはSDのシステムに懐疑的。
冗談としながらも辛辣なことを言っています
ホラ、やっぱりそういうキャラなんじゃん!

しかしそれを上回るのがシロエ。
マジッすか。どうしてそんなに自信満々なんだ?
おとなしくしていればこんな末路をたどることもなかったのに…。
あと、バイクではなくロボットを作っていました。
マジッすか! より凄いぞ、シロエ!

あれ? ジョミーとシロエは出会わないんですね。
それなら「なんか聞こえた~」ってのも納得ですけど
アニメ版では出会っていたからてっきり助けにくるもんだと期待しました。

そしてさっそく自らの秘密を探り当てるキース。早っ!
それを知りつつ行動するってのがキースの思考の基本になるのかな?
それとは対照的に
自分に故郷の記憶や母の記憶がないってことに気づくの遅すぎ!
天然か?!

ミュウの通信を受けて
憧れに似た気持ちがぼくを包んだ」っていうのは…
ジョミーの若い姿に憧れたってこと?
それはオトナになりたくないってことなのかい?
どうもキミは我慢強すぎだよね(苦笑)

しかし、サムまで他のみんなと一緒にキースをエリート扱いしちゃいかん!
失望したっ!
キースの孤独が強調されて寂しいよ…
アニメのサムはイイ子だったのに。

ほんでいつの間にかナスカに住みついていたミュウ
ナスカに下りるかどうかのすったもんだは省略。
ここを膨らませたアニメはナイスでした。

そのナスカへたまたま近づいちゃうのがサム。
ミュウによる制裁が…っ!
ギリギリのとこでサムに気づくジョミーですが
やっぱりキレちゃうんですねぇ。

ふーむ。ナスカの事故(を装った目くらまし)は
アニメ版は悪辣に利用しています。
そうだったのか…

やっぱり分裂するミュウ
長老たちとジョミーの議論の場では攻撃沙汰が。
ま…まさか防御しなかった?!」じゃないよ!
話し合いの場に暴力! なんて野蛮なの!(激怒)
このあたり、ミュウが若い組織なんだな~と実感しましたが酷いよ~。

モロに食らったジョミーが目覚めなくなっちゃいました。
それはそうだよ。ショックだよね。
味方からの悪意を目の当たりにしたわけですから。
好き勝手言う若僧と老人の板挟みに耐えかねたストライキでしょう(笑)

しかしジョミーの深層心理にはブルーがいるんですね。
うう、ジョミーは孤独だ。
相談できる相手がいないんだもんなー。
お手本にするべきブルーはもういないし。

ハーレイが「ミュウと人間とは共存できない」と明言したのにビックリ。
ブルーがいたときから反対意見を持っていたらしい。
そうだったのか…意外に武闘派。

ん? マツカの上司はジェレミア卿ではないのですね?
なんだか暢気なじいちゃん上司だ。
悪意はないけど結果、役立たずをキースに押し付けたじいちゃん上司。
なんだあのあらくれ者たちは?! 臆病で卑怯なへたれ集団じゃないか!
キースもだけどマツカもとんだ災難だよ…
本当の名前を覚えていないので仮名ってことでひとつよしなに。

キースが捕らわれ、トォニィが攻撃し、フィシスが捕まり
カリナが半狂乱になるのは同じでした。
が、ブルーは登場せず
デスヨネ~。がっくり。

その代わり危険を察知したストライキ中のジョミーが起き上がりました
どんだけ狂戦士なの!
いや、責任感強いんですね。偉いです。

にしても、カリナの旦那さんの顔、テキトー過ぎないか?!(爆)

マツカの力を本人以上に信頼して最大限に利用して脱出したキース。
その後もきっちり仕事をしてからぶっ倒れます。

そのキースの身を案じるマツカ。
怖いくせに自分の存在を許してくれるキースを心配しちゃうんだなぁ。
かなりのムチャ振りだったのにその信頼に応えようとしたことは
今までにはなかった充実感だったでしょう。

だとしてもだ。
マツカのおかげで助かったのを棚に上げて
殺せるなら殺してみるか? 私はおまえを助けた者だ」と
言っちゃうキースは厚顔だと思います!
そう言っとけば反抗できないマツカの優しさにつけこんだ発言。
ううむ。キース恐るべし。
不人情で不義理が人類の特徴? 酷いな。
マツカも反論していいと思うぞ。

あの騒動以来、見た目が成長したトォニィ。
フィシスのせいでカリナが死んだと逆恨み。
ん? なんでそうなる? 出口までの通路を読まれちゃったから?
うーん。でもアンタ、カリナよりジョミーのほうがスキじゃん?
単にフィシスが嫌いで文句つけたいだけでしょ(笑)
カリナを失った悲しみをジョミーで埋めようとしているのか?

そしてフィシスはブルーからESPを分けてもらっていたという爆弾発言。
おや。アニメ版では過去の記憶を封印したことによる顕現だったのに
ちょっと違うんですね。
うーむ。ジョミーを強引に後継ぎにしたり
意外とブルーは好き勝手しているんですね。
いやそういうことではなく、弱者に優しいってことですね。

で、問題のメギドですが…
原作ではメギドっていうのは存在しないのか。
とにかく総攻撃。
それによりナスカは壊滅的に破壊されました。
その末路をきちんと見届けてそのショックで声と視力・聴力を失うジョミー

えー?! そうきたか!
…前に読んだのに覚えていないし、読んでも思い出しませんでした。
そういえばそうだった気もしますけど(苦笑)

トォニィたちに対する仲間たちからの風当たりは原作のほうがキツイ。
しかもナスカで生まれた子だけが
トォニィたちのような特殊な強さを持ち、彼らに生殖能力がない
となっては孤独感が最高潮。
もうナスカはないわけですからトォニィの仲間は増えないのです。

トォニィは「別の生き物」として生きる決意を固めます。
嗚呼…

一方、キースのほうは
わたしはもう戦線へは出て行けぬ……そういう地位に立ってしまった
と独白があるくらいの出世をいたしました。
なにせマザーと直接会見できるほど上り詰めています。

そこで以前からの疑問をぶつけ、はぐらかされ
さらに謎の男の声を聞くという孤独な戦いが始まりました。

キースはもう出世しすぎて誰にも相談できないほどになっているのです。

おかげで敵も増えてなにげに暗殺されそうになって
さりげなくマツカに助けられたりしてマツカはお役立ちです!
アニメ版でもお役立ちでしたけど。
つーか、マツカがいなければキースが死んでた場面がいっぱいあった!

アニメ版では結構アグレッシブだったキースですが
原作では思考の人。
常に何かを考えています。
もはやキースにしか見えていない世界があるくらいだ。

ところで
ミュウと人間を一緒に育てるとミュウに変化してしまうのであれば
みんなでミュウになったらいいんじゃないのか?

どうして人間にこだわる必要があるんだ??

そう考えるのは甘いようで
対ミュウ訓練を積んだナンバーズが実戦でも発揮し
トォニィたちは追い詰められ、初めての挫折。
それを甘やかさないジョミー。

あわわ。今、その態度はイカーン! と焦りましたが
ジョミーのブルーのためを思う心を理解してくれたトォニィ。
トォニィって原作ではブルーに会っていないから
ジョミー命になるのもしかたないよなぁ。

青い どこまでも青い水の星 地球

そう。原作の地球は青いのだ。回復していたのだ。
SDの措置も間違っていなかったのだ!
でも原始の自然を目の前に人類は適応できるのか? という不安も。
だからさー
ミュウなら適応できるんだからみんなミュウになっちゃえよ!
と私は思うのですがキースはもっと辛辣でした。

人間の手が入らない自然は美しい

みたいなことを言っています。
マアネー。このままにしたほうが地球にとっては幸せかもねー。
寂しいことですが…
だいたいSDに管理されることに慣れた人間では
今後、地球で暮らすことになってもすぐに行き詰ると思うんだけど
そのあたりはどうするんだ??

さて、大マザーとの会見で
遺伝子操作してます発言を受けて
神の領域に手を出していると不快感を持つキース。

キースは一人、別次元を見ています!

地球でのミュウと人間の会談。
ええと、キースがジョミーに語りかけていますけど
この会談は表面だけってことっすか。
アニメ版でも白々しい会談でしたけど先にそう言われるとなんか複雑。

そしてルール無用のトォニィ。
会談の場で暗殺を目論むってどんだけ!(驚愕)
アニメ版ではこのタイミングではなかったような…
いや、このタイミングか?
いや違うよ。ゼル爺さん大ハッスルのときだったもの。
じゃああのエピソードもアニメオリジナルか。
そういやそうか。←気づくの遅い。

マツカの最期は壮絶。
シロエとサムのお迎えはないのか~
マツカの独壇場でした。
死者を蘇らせたよ! スゲーよマツカ!!

SDは人間のためではなく地球を蘇らせるためだけに作られたシステム
だったそうな。
あー、それは納得。
人道的じゃないもんなー。いろいろ酷いよ。

で、問題の結末
アニメ版とは全然違う!

オチは言わないことにしときますが(ここまでネタバレさせておいて…)
私はこのラストのほうが好きです。
だってキースが…っ!
思考の人キースの総決算!!

謎だった「地球の支配者の黒い影」「男の声」に対する答えが提示され
その事実を知った上でのあの決断!
あの場所にはキース以外の人がたどり着いてはいけないです。
ここに来るまでのキースの思考があってこそのあの結末に満足です。


アニメ版に比べるとブルーの出番がッ! 少なすぎるっ!!(がくり)
ブルーに関してはアニメ版に軍配を上げます。

ジョミーは改めて原作を読むと
ブルーの思いを実現したいという責任感の強さに
みんなを守りたいという優しさが輝いていました。
ブルー不在がモロにのしかかりこの人の苦労は半端ない。
寝てただけだけどいるといないでは全然違うんだね。
原作ではひとりで頑張っていて見なおしたよ。
あんまり覚えてなくてゴメン(苦笑)

キースは断然、原作のほうがいいね!
常に考えているのが素晴らしい。
アニメ版ではけっこう無茶な人だったからなぁ。
あれはあれで面白いんですけど(笑)
最期には謎を解いてしまいましたからね。
感性の人ジョミーに対して熟考の人キース。
一人でよく頑張った!

ラストのフィシスが『デス○ート』のようだった…
あ、逆か。あっちが『地球へ…』に似ているのか。
 
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ね?原作オチ素晴らしいでしょう。

>私はこのラストのほうが好きです。~思考の人キースの総決算!!

 初めてこの原作を読んだ時の感動を、ぽめく様と共感できて嬉しいです。ずっ~と読んで、あのキースの判断ですから、そりゃ泣きましたよ(苦笑)ジョミーもブルーも、キースにとってはかげがえのない同胞だったんですよ。それと、あの「女神様お手を・・暖かい」のラストは素晴らしいでしょう?コミックは繰り返し読めるだけに、いろんなことを考えられて良いですよね。あの「カム・フォ・トウ・テラ~美しきその名はテラ」という歌詞、コミックを読まれた後で考えると、奥深くて好いでしょ~?作者さんには嫌われても、私は好きですよ。

ところで話し変わりますけど、『地球へ・・・』と同じく竹宮恵子さんの『ファラオの墓』や『イズァローン伝説』って読まれてますか?まるあ様にヒットすると思うんですけど(笑)

すずさん

おもしろかったです。
読み応えあってヘロヘロになりましたけど(苦笑)

>ジョミーもブルーも、キースにとってはかげがえのない同胞だったんですよ。
そうですね!
キースは人間とミュウの両方を理解しようとしたのが偉いと思います。
キースいいなぁ。キースの株、うなぎ上り!

劇場版も見られたので近々感想を…
問題の「カム・フォ・トウ・テラ~美しきその名はテラ」も聞けました。
が、先入観がありすぎて
そーか、これか! とケラケラ笑ってしまいました(失礼すぎる)

『ファラオの墓』は読んだことないんですよ。
周囲では誰も持っていなかった…
『イズァローン伝説』は読んだはずなんですがあんまり覚えていない(苦笑)
図書館にあるといいなぁ。
プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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