犯さん哉

観劇:2007年10月13日
会場:PARCO劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:古田新太・中越典子・犬山イヌコ・姜暢雄・大倉孝二
   八十田勇一・入江雅人・山西惇


うう~ん。観に行ったのは確かなのですけど、記憶が~。

覚えているのはカラフルなセットと
やたら凝っている映像
パンツ一丁の古田さん
イヌコさんの不条理さ
大倉さんと入江さんが揃うと割とタチが悪いコンビができあがること
けっこうイジられてるオスカー・M・姫島こと姜暢雄さん

オチが猿の惑星か?! と思わせておいてなぜか人間のまま混じる姜暢雄。
これが所在無さげでいいんだわ(爆)

あとはついこの前まで『陽炎の辻』でけなげな娘だった中越典子さんが
声を張り上げて健闘していたのが印象的。
このメンバーの中にいると浮くかなぁと思ったら
意外なことに溶け込んでいてよかったです。

オセロー

観劇:2007年10月12日
会場:彩の国さいたま劇場 大ホール
演出:蜷川幸雄


彩の国シェイクスピア・シリーズ第18弾『オセロー』


劇場に着く寸前に唐突に気づきました。
『オセロー』の戯曲を読んでおこうと思ってすっかり忘れてたことを。
ヤバイ。まったくこの話を知らないんだけど…。
ショックのあまりフラフラしながら劇場に到着です。

またしてもショックなことが!

終演が23時! …って夜の11時?! 19時開演の23時終演? 4時間!!

歌舞伎なみの戦いです。でも15分間の休憩が1回だけ。
歌舞伎よりも苛酷です。仕事の帰りなのに大丈夫なのだろうか??


開幕。
いきなりお目当ての高橋洋さんが舞台にいます。
そうだ、この人を見に来たんだったわ。
ちょっとショックから立ち直り、舞台に集中しようと耳をそばだてます。

…聞き取りにくい。ヒソヒソ話です。私にはヒソヒソ声を聞き取る能力が欠如しているのです。
男二人でヒソヒソと悪巧み。
どうしよう。このままずーっとヒソヒソしてたら(悩)
その心配は杞憂でした。やがてやや大きな声で会話し始めました。

キャシオーが副官になったことを妬む男イアゴー(高橋洋)が
デズデモーナに恋するロダリーゴー(鈴木豊)を唆し
デズデモーナの父・ブランバンジョー(壤晴彦)に
「娘さんが家を抜け出してあいびきしてますよ」と御注進。
あくまでもロダリーゴーを隠れ蓑に、自分は表に姿を現わさないイアゴーの腹黒さがスゴイです。

ロダリーゴー(鈴木豊)は不憫です。
登場するたびイアゴーに騙され、利用され…
途中、「なんかおかしくないか?」と気づきながらも
イアゴーに丸め込まれて、やっぱり利用されてます。
それを演じる鈴木豊さんがどことなく新感線の橋本じゅんさんに似ているような気がして
ますます不憫になる私…。
どこが似てるんだろう? 声かな、動作かな?
鈴木さんが登場するたびに「じゅんさんもシェイクスピアやればいいのに」と思いを馳せる。
利用されまくるロダリーゴーと『メタルマクベス』のバンクォーをダブらせてしまいました。

策略まみれのイアゴー。物語のすべてを把握しているのはこの人だけです。
え、実はイアゴーが主役? 洋さん贔屓の私はにんまり。
ま、主役ではないのですが、最重要人物なのは間違いありません。
出番が多く、出てくるとしゃべり倒します。
シェイクスピアではおなじみの大きな声での心の囁きもたくさん。

さて、主役のオセロー(吉田鋼太郎)の登場です。
えっ?! スキンヘッドで、はだけた上半身とともにやけに黒い…
そしてアクセサリーをジャラジャラ付けてる様子は一人エジプト人のような。
はだけているのは恋人と過ごしていたから?!
と勘ぐったら常にはだけてます。うーん。暑がりなのかな?

オセローは“ムーア人”だそうです。
ムーア人について調べてみたところ「北アフリカのイスラム教徒」ということで
オセローは作中、一人だけ違う文化の人だったようです。
あー、だからデズデモーナの父上が反対したのかー。
もちろん自分に断りなく交際したのもダメなんだろうし、年の差も気がかりだったろうけど。
そういえば「ムーア」「ムーア人」とやたら呼ばれてたなぁ。
デズデモーナまで「私のムーア」と呼びかけて…ん、てことは別に差別の対象ではないのかな?
よくわからなくなってきた。パンフ、買えばよかったかな…。

話題の中心でありながらなかなか登場しないデズデモーナ(蒼井優)がようやく登場。
いったいどんな人物なのか?!
……あらびっくり。オセローとラブラブです!
意外。
考えてみれば、夜に自宅をこっそり抜け出して愛しい人の元へ向かう情熱を持つ人でした。
だから「オセローが行くところへついていく」と即決するのですね。

その決意を聞いたオセローの喜び様が、こりゃまたどーした。
ってくらいのはしゃぎっぷり。
デスデモーナを抱き上げ、くるくると回りかねない勢いです。
もー、バカップルか!

さて、重要人物の一人であるキャシオー(山口馬木也)はいつ登場するのかと
待っていたら、とっくに登場していてびっくり。
彼がオセローによって副官に昇進したことにより
イアゴーの憎しみが爆発して物語が始まりましたから
キーパーソンなはずなのに見落とすとは…。
山口馬木也さんも知らないわけではないのに…でも時代劇でよく見るので洋装が新鮮でした。
カッコイイですね~。洋装もいい!

だからこそデズデモーナと通じているという策略がほんとっぽくオセローには見えるのでしょう。
憐れなオセローはイアゴーのウソを信じ、愛するデズデモーナへの疑いを募らせるわけです。
うう…愛が深すぎたのですね。
前半は、あんなにスキンシップ過剰だったのに
嫉妬心が芽生えてからは愛する人の真実の言葉さえ信じられなくなってしまって哀しい。

しかしイアゴーの執念は恐ろしいですね。
火の無いところには煙は立たぬと言いますが、煙を立てるために火をおこすがごとく
酒に弱いキャシオーを酔わせ
さらにロダリーゴーをけしかけて揉め事を起こし
オセローに進言して解任させておきながら
キャシオーには「デズデモーナにオセローを説得するように頼んでみれば」と囁き
その忠告にしたがってキャシオーがデズデモーナに嘆願しているのをオセローに目撃させ
疑心暗鬼の出来上がり。
あとはキャシオーのためにデスデモーナがオセローを説得しようとするたびに
オセローが勝手に疑ってくれるから楽なものです。
まー、大したもんです。感心しました。

しかし「決定的な証拠が欲しい」というオセローの言葉に
更なる罠を仕掛けるイアゴー。
この努力を惜しまないところは買いますが、もっと真っ直ぐな方向へ努力できないものでしょうか?
そうすれば自力で出世は間違いないと思いますが。

残念ながら恨みが募るイアゴーは企みに情熱を傾けるのです。

その罠とはオセローがデズデモーナに贈った最初のプレゼントのハンカチ。
これをひそかに入手しようと妻のエミリア(馬渕英俚可)に頼みます。
あら、イアゴーったら奥さんいたのね!
奥さんが登場したときは驚いちゃいました(笑)
エミリアはデズデモーナの侍女なのでハンカチを手に入れるチャンスがありそうです。
しかし、デズデモーナが大切に肌身はなさず持っているハンカチ。
なかなかチャンスは訪れません。

が、ある日、そのハンカチを落してしまうデズデモーナ!!

すかさず拾い自分のポケットに忍ばせるエミリア。
無くしたことに気づいたデズデモーナはもちろん探しますが
一緒に探す振りをしながらネコババするエミリア。わーイジワル~。

さっそく旦那様のイアゴーに「ハンカチゲット!」と渡します。
うーむ。この時点では私はエミリアもイアゴーの企みを承知していると思っていたのですが...

受け取ったハンカチをキャシオーの部屋に落し
何も知らないキャシオーが馴染みの娼婦に渡し
それを見たオセローが
「デズデモーナからキャシオーにハンカチが贈られている!」と誤解。

このハンカチには
「オセローの母がハンカチを手元に置く限り父に愛される」という呪い(?)がかかっているのです。
別に呪いじゃないけど、こうなったオセローにかかっては呪いです。
このハンカチがなくては愛を失ったも同然!
たかがハンカチくらいいいじゃないか、と思いながらも
必死なオセローがカワイソウになってきます。

結局、これが決定的な「浮気の証拠」となり破滅へと一直線。

クライマックスは寝室でのオセローによるデズデモーナ殺害です。
何も知らずに眠るデズデモーナの首を絞めるオセロー。
息苦しさに目を覚ますデズデモーナ。

「殺すなら明日にして。今夜は許して」

ん? このセリフはいったい??
明日ならいいの? なんで? もしかして笑うところ?
よくわかりません。
が、オセローはそのまま首を絞め続け、ぐったりするデズデモーナ。

この場面を観て『天保十二年のシェイクスピア』の幕兵衛が
マクベスだけでなくオセローでもあったことに初めて気づきました。そうだったのか。

そこへエミリア登場。彼女の告白によりハンカチの件が誤解だったことが明らかに。
その際、「私の夫が」を連呼するエミリア。
「私の夫が」デズデモーナの浮気をオセローに教えた、というのが信じられないようです。
だったらあのハンカチの件は彼女の中でどう理由付けられたの?

あまりの「私の夫が」と繰り返すので
オセローに「そんなに繰り返す必要がどこにある?!」とツッこまれます。
オセロー、ナイスツッコミ! たしかにしつこかった!!

しかしハンカチの件はもっと早くバラせばいいのに。と思うのは私だけでしょうか?
あれだけデズデモーナもオセローも血眼になって探していたのを見ていたはずなのに
なんで黙っていたんだ、エミリア~。

続いて登場したイアゴーによってエミリアは殺されます。
うーん。奥さんすら手にかけるイアゴー。この人はいったいどうしちゃったのでしょう?

誤解から殺してしまったことを後悔し自害するオセロー。
あ! その前に死んだと思っていたデズデモーナが息を吹き返すのはビックリしました。
あれはなんだったんだ~?!


わー、なんだこの長文は?!

4時間に及ぶお芝居でしたが、まったく眠気を覚えず楽しめました。
予習しなかった割にはついていけたのではないでしょうか? ←自画自賛?(笑)

憑神

観劇:2007年9月19日
会場:新橋演舞場
演出:G2
原作:浅田次郎

原作は読みましたが…笑っちゃうほど覚えていません。
面白かったという記憶はあるんですが。
映画は観てないです。モタモタしていたら終わってしまった…


G2演出で橋之助さん主演と言えば
昨年の『魔界転生』と同じコンビによる第二弾!

正直どうしようかな~、と観るかどうか迷っていたんですが
出演者の中に小松利昌くんを見つけて、急遽行くことに。
小松くんは『地獄八景』でオモシロかったんですよ。
その小松くんに会える~♪ とチケットを手配。
…思えば去年も滋さん見たさに行ったのでした。成長してないな、私。

結論からいうと、この舞台

すっげー楽しかった!!!

なんでこんなに楽しかったのかわかりません!
妙にツボだった、としか…

爆笑シーンがあったわけでもないし
目当ての小松くんの出番はそんなに多くなかったし
(けっこう舞台にはいたのかもしれませんが気づかなかった)
お話はだいぶ忘れているとはいえ、すでに読んでいるので
この先どうなるの?! というワクワクがあったわけでもないのに。

チケット代、ケチって3階にしてちょっと後悔…
しかも3階Bの斜め席ですよ。Aですらないのだ!
しかし、我ながら「よくこの席を買った!」と誉めたくなるくらい
ナイスな席でした。

演舞場でこんなことができるとは知らなかったんですが
今回の舞台、回り舞台が左右2つあったんです!
どうなってんだ?!

回り舞台Aでメインの話をしながら
回り舞台Bで次の場面の準備をして回転するので待ち時間ゼロ!
しかもいい具合に斜めにセットが組まれているので
「え、実はこの席が正面?! やーだ、悪いわねー。わはは」
と高笑いの止まらない席でした。
(そのかわりもうひとつの回り舞台はちょっと角度が悪い…)

『魔界転生』で面白かった突然始まった物語解説。
今回もありましたよ!
互いに大砲積んだ船vs船の戦いを愉快に解説してくれました。
大砲の打ち合いはマンガのフキダシのようなモノで表現し
水飛沫はV字開脚で表現して遊び心満載。
黒衣さんが家紋をつけているのもヨシ!
小松くんも東郷平八郎として大活躍!
この場面がイチバン面白かったなぁ。←本筋と関係がないのに(笑)

橋之助さんの彦四郎がとにかくよかった!
武士の意義が薄れている幕末という時代の中で
生真面目に武士としてのお勤めを果たそうとして
周囲から煙たがられている人。
有能でやる気はあるんだけどねー。あいにくの次男坊。
養子先でも養父に疎まれ策略によって離縁される不幸な男。
でも言い訳をしないであくまでも律義に生きようとする姿は好感度大。
私はこのキャラがとても好きです。
よかったね~、納得できる生き方がみつかって(涙)

彦四郎とは対照的に新しい価値観に身を委ねるのが
葛山信吾さん演じる榎本釜次郎(後の武揚)。
無駄にカッコイイこのヒトは出世街道まっしぐら。
原作でこんなに出てきたかなぁ? ずいぶんご活躍でした。
彦四郎とこんなに仲良かった?

あと彦四郎の家族がよかったなぁ。
お兄さんの庄兵衛(デビット伊東)はナイスキャスティング!
その奥さん(秋本奈緒美)もコミカル。原作よりいい人だったような?

そしてなんと言ってもお母さん(野川由美子)ですよ!
原作ではもっととてつもない妄想母上だった気がするけど
ラストのセリフには泣かされました。

文楽*夏祭浪花鑑

観劇:2007年9月16日
会場:国立劇場小劇場

文楽の『夏祭浪花鑑』の通しを観てきました。
昨年の鑑賞教室以来2度目の文楽です。

『夏祭浪花鑑』といえば私は歌舞伎で2回観ております。
コクーン版と演舞場で観た吉右衛門版。
それと比べてみるのも一興。と思ったわけですが…
同じ位の時間なのに歌舞伎よりも場面が多いのだ。オドロクね。
歌舞伎はやっぱ役者をみせるのが第一だからたっぷりなのかな。


住吉鳥居前の段

とっ捕まった団七九郎兵衛が刑期を終えて釈放される場面。
迎えに来た三婦が
「団七の着替えのフンドシ忘れた! 俺のをかしちゃる」
の場面がカット。
追われた琴浦を助けて道を教えるのに悪役を利用して説明するのもナシ。
というか、そもそも文楽にはないのかも…

内本町道具屋の段
道行妹背の走書

ええ~。なんだこの場面?!
歌舞伎では見たことないなぁ。

“磯之丞が奉公先の娘と深い仲になり心中騒ぎを起こしたあげく殺人犯に”
ということが明らかになる場面です。
…どんな恩があるんだかしらないけど、この磯之丞
そんなに大事に守るのにあたいする存在なのか?
トラブル起こしすぎ。
そしてこの時点で、すでに悪に荷担している団七の義父・義平次。
ほんっと悪人なんだなー(呆)


釣船三婦内の段

女だけどオトコマエなお辰さんが輝く場面。
彼女は一寸徳兵衛の奥さんですが、鉄火なオンナなんです。
顔を焼いたところではお人形の首をとっかえたようですね。
人のカーテンに隠されて見えなかったけど。
その後、義平次が現れ琴浦を攫い…

長町裏の段

ついに団七による義父殺しの場面です。
泥は使いません! そりゃそうか!
でも一度、団七にヤラレタ義平次が(人形だからポーンと吹っ飛んだ)
再登場したときに土気色の顔に。


田島町団七内の段

いくら相手が悪党でも義父を殺したという罪の意識に悩まされ
誰にも相談できずにウツウツと過ごす団七。
そこへ、徳兵衛が現れて凹んでいる理由を聞き出そうとするも失敗。
その後の徳兵衛
なぜか団七の奥さんに「前から好きだったんです」と迫る迫る。
なんなのー?! こんなの歌舞伎にあった?! 私が忘れているだけ??
忘れているだけですね。はー。

でも実はお見通しの徳兵衛と三婦。
なんとかして団七を逃がそうと手を尽くしてくれるのでした。
…でも一緒に逃げたりはしないのよね。
だから舞台の後ろが開いてパトカーが突っ込んできたり
ポリスマンが突入して「Freeze!」と言ったりはしないのでした。


この話では何度か着物を脱ぐのです。
殺しの場面とか、ほつれた裾を繕ってもらうために。
もちろんお人形はハダカ。

「ちゃんと乳首があったね」と一緒に見た友達が発見。
ドコ見ているんだ(苦笑)
私は「ふかふかしてそうなカラダだなー」と思って見ていました。

で、着物の腰の部分が切れていて
「うわ! 大変っ!! 破けているよっ」とハラハラしたんですけど
よく考えたら人形を操るために手を通さなきゃいけないんですね。
だから開いているんだわ。
そっか、そっか。あー、びっくりした。

犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕助之介の事件です。ノート

観劇:2007年9月2日
会場:サンシャイン劇場
作・演出:いのうえひでのり

劇団☆新感線の“チャンピオン祭り”です。
通称・ネタモノ。
3年ぶりですよ。壮大ないのうえ歌舞伎も好きですが
笑いの塊のこのシリーズも大好きです。

今回はタイトルからわかる通り『犬神家の一族』をベースに
オペラ座の怪人・キャッツ・八つ墓村・スパイダーマン・デスノート
トランスフォーマー・ドリームガールズ・エリザベート・薮原検校
などの舞台・映画をオマージュしながら
桃太郎+泣いた赤鬼+さるかに合戦+花咲じいさん
という昔話も取り入れて怒涛の3時間!

これにモノマネやら笑いの小ネタや日替わりのアドリブシーン(だと思う)も
あり本当に盛りだくさん。
見てる端からぽろぽろと忘れてしまいそう(笑)
私の脳みそには入りきりませんっ。

今回はネタモノだというのにゲストが多い!
そのせいか、じゅんさんや古田さんの出番が少なかったなぁ。
サビシイ…

さてさて、私が観に行った日にはお楽しみがありました!
カーテンコールで、するするとスクリーンが降りてきて
「ん? なんだろ??」と持っていると
○月○日、勝地涼さんのさわやか森田健作風・罰ゲーム
×月×日、エマ&さとみのキュートなピンクレディー風・罰ゲーム
の映像が!! そして

「満を持して本日、ある大物の罰ゲーム!!」

ぎゃああああ~♪
誰? ダレ?!

ドーン

と舞台に現れたのは、今回のゲスト木野花さん!

大盛り上がりの会場。
曲はウタダヒカルのデビュー曲です。
あ、よく見ればあのPVっぽいじゃないですか。
衣装から振り付け(振り付けかあれ…?)からソファーまで!
うひゃうひゃ笑う。

あー、おもしろかった。
そうか、新感線には罰ゲームがあったよね~。すっかり忘れてたわ。
いいもん見たわ。
しっかしゲストにも容赦ナイなぁ(笑)
でも罰ゲームの理由が「鼻を黒くするの忘れた。しかも2回」だもんな。
そりゃ駄目だわ(苦笑)

納涼 千穐楽

観劇:2007年8月29日
会場:歌舞伎座


1部と3部を千穐楽にまとめ見することになりました。
結果的に。


【第一部】

磯異人館

これは先日幕見した演目。どうやら幕見の方が集中して観れるようです。
これは列んで苦労しているからテンションが上がっているせいなのか
初見だからだったのか、よくわかりません。

改めて折田親子の憎たらしさに腸が煮え繰り返り
五代才助(猿弥)の友情に心が熱くなり
周三郎(松也)の薄情さには…

ま、悲恋で泣けることには変わりはないんですが。


越前一乗谷

舞踊でした。でも舞踊にしては
場面転換あり、ちょっとセリフもあり、合戦場あり、楽しめる演目でした。

信長に滅ぼされた朝倉義景(橋之助)が主役。
信長方に寝返った従兄弟に追いつめられて、妻と子を残して自害。
後半は残された妻の小少将(福助)の悲劇。

登場人物が多くていい!
…でもしゃべらないと誰だかわからなかったりして。
数名で踊るのに若干ズレてるのがウケる(笑)
さっきまで姫だった七之助さんが郎党だったり
悲恋を熱演していた勘太郎さんがエロ猿・羽柴藤吉郎になっていてガックリ。
郎党はキャストが豪華でウハウハ。馬のシーンがお気に入りです。

寝るかと思っていたら寝なかった!
舞踊でこれは快挙です!!


【第三部】

通し狂言 裏表先代萩

『伽羅先代萩』のパロディではないらしい。
『伽羅』の世界を「表」に、小助が活躍する部分を「裏」に
した物語だということを知ったのは観劇直前でした。
ま、どっちにしろ『伽羅』を見たことがないのであまり関係ないな。

とにかくどの場面にも勘三郎さんがいるんです! なにしろ三役!
小悪党の下男小助・正義の味方の乳人政岡・大悪党の仁木弾正
この中では仁木弾正が唐突だったような…?
そりゃ私が『伽羅』の世界を知らないからか(苦笑)

「表」の『伽羅』の部分はかなりカットされているようで
非常に簡潔でわかり易く、スピーディ。おもしろかった!
そのぶん唐突な印象に。←よく知らないのが仇に…

それでも千松ちゃんの健気さにウルっときて場内は拍手喝采。
「いざという時」どうするのだ? と思ったら
「こういうことか!」衝撃的な捨て身の作戦に涙。
ひどいよ。そんなにお家が大事なの?
それというのも殿さまがしっかりしないから~!!

そうそう。敵味方がよくわからないんです。
見ているうちにわかってくるんですが
弾正の妹八汐(扇雀)が敵なのはともかく
偉そうに登場した栄御前(秀太郎)まで敵だったとは!
しかし早トチリな栄御前が政岡に陰謀を打ち明け連判状を託して
ヨシ! 証拠ができたぞ!!
と思ったらネズミが咥えてどっかにもっていった~

が、びっくり、赤っ面です! の善い家来・荒獅子男之助(勘太郎)によって
ネズミは取り押さえられてヨシヨシと安心したのもつかの間。
極悪人・仁木弾正登場。が、花道を多用して3階席からはよく見えんっ!

「裏」の部分は大場道益(彌十郎)を中心に色と欲がごっちゃごちゃ。
横恋慕していた隣家の下女お竹(福助)の弱みにつけこんで言い寄り
道益のお金を狙っていた小助が主人の道益を殺し、お竹のせいに。
ここで小助が隠した金を犬が咥えてほかのところに!
ネズミに続いて犬までも!
動物はどうして大事なものを咥えて逃げるのか?!
これは今後の研究対象にしたいと思います。って別に研究はしないけどさ。

道益殺しの裁判では、おっとびっくり。
殺されたはずの道益が立派になって生き返っています。
…いや、よく見ると眉毛以外にも毛が生えている。
彌十郎さん二役目の横井角左衛門だったのですな。でもなんか変。
殺された道益も彌十郎さんだし、裁く横井も彌十郎さん。
おまけに登場したのが倉橋弥十郎(三津五郎)!
彌十郎さんが「弥十郎」と呼びかけるシーンもあり、思わず笑う。
真面目なシーンなんですが…。

一方「表」でも忠義な渡辺外記左衛門(市蔵)の命懸けの訴えにより
悪は滅び、平和がもたらされたのでした。
さて私はこの外記さんが最後にカックンとなったので
死んだと思うのですが、実際はどうなのでしょう?

いくら2部の時間はあけてあるとは言え
1部・3部の連続はさぞキツかろう、と覚悟していたんですが意外や意外。
どの演目も寝なかったんですよ! すごいぜ、私!

『磯異人館』の幕見&2部

観劇:2007年8月19日
会場:歌舞伎座


磯異人館

「納涼」のはずなのに熱い舞台でございました。
まっすぐな心を持つ岡野一族の悲劇を軸にした物語。
洋風で斜めのセットが新鮮です。

幕開けは古い日本映画のような曲が流れ
同時に岡野家の父のお役目大事と一本気にとった行動が語られます。
それが生麦事件なんですな。
事件の責任をとって切腹した父を持つ
精之介(勘太郎)・周三郎(松也)兄弟。
兄の精之介はひたすら地味にガラス職人として働くのに対し
弟の周三郎は…登場するたび大暴れ。
弟のトラブルメーカーぶりにお兄ちゃんは頭を悩ませます。

お兄ちゃんの職場には薩摩藩の偉い人の養女となった(実は半分人質)
琉球国の王女・琉璃(七之助)がおりまして
密かに惹かれあうお兄ちゃんと琉璃ちゃんなのでした。

で、気になるハリソン(亀蔵)の役割はというと
なんと琉璃ちゃんに惚れるイギリス人!
おお! そんなの断れるわけないじゃん!!
悲劇の片鱗が見え隠れ。
茶髪のヅラで似非日本語を駆使する亀蔵さんはステキでした。
笑っていいのかどうか迷うところですが…(苦笑)

それ以外になんだか弱いものイヂメを趣味にする折田親子も登場。
この二人に腹が立ってしかたない。
まるでニールとイライザ(爆)
どうしてそんなに岡野一族を毛嫌いするの?!
コイツらに煽られて若くまっすぐな周三郎はキレるわけですな。
やー、その気持ちはわかるよ~。君は悪くないよ! 斬っちゃイカンが。
しかし、現実は正義が勝つとは限らない。
うう…やっぱりニールとイライザを相手にしているようだ(泣)

悲劇と悲恋と兄弟愛に泣かされました。

意外な活躍を見せてくれたのがお兄ちゃんのお友達・五代才助(猿弥)。
友情あついこの男が陰日向なく岡野兄弟をサポートしてくれるんですよ。
イイ奴だ~。
しかもお兄ちゃんと琉璃ちゃんが直球で告白大会をやって
「あ~も~、照れるぜ~」な場面に出くわして
さりげなく観客を笑わせてくれるし、オアシスでした。


【第2部】

ゆうれい貸屋

原作を読んで楽しみにしていた通り面白かったです!
が、予定外に早起きした反動でちょっと寝てしまった(汗)

や~、家主平作(彌十郎)の
「こんなにデカイのに目に入らんのか?!」に大笑い。
そしてのしかかるお千代ちゃん(七之助)にドギモを抜かれました。


新版 舌切雀

渡辺えり子作・演出の新作。
冒頭から仮装大賞です(笑)
本気で誰が誰やらわからず、チラシの配役と忙しく見比べたのでした。
しゃべり始めてやっと「…ああ!」と納得。
特に難解だったのが梟の局さま。
うーん、ハリソンだったか~。…そんな気もしていたよ。
地味でもったいない。けったいな動きをしてくれるような役がいいのに~。
『磯異人館』に引き続き、芝のぶさんもいて豪華絢爛。
それに松也さんが大活躍です!

イジワル婆さん(勘三郎)には息子がいて
お嫁さんもらって独立しています。
その息子夫婦が森彦(勘太郎)・お夏(七之助)。
おや、『磯異人館』のお兄ちゃんと琉璃ちゃんがハッピーエンドだ♪
…どうも観たばかりだったので混乱しがち(苦笑)
しかしタンスの引き出しが四季に通じるとか
異世界に通じるって、別の童話が混ざってますな(笑)

今回も義太夫で遊んだり音楽で遊んだり楽しい仕掛けがいっぱい!
「白鳥の湖」が和音で聞こえてきたときは驚きました。
うひゃひゃひゃひゃ。
こりゃ1階で観たかったぞ(今回も毎度お馴染みの3階で観劇)。

大変楽しい一幕でございました。

十二夜 その4〆

観劇:2007年7月29日 千穐楽
会場:歌舞伎座(三階6列目の真ん中辺)

千穐楽ですから、なにかスペシャルなことが…と言う期待もありましたが
割とフツー。

いつもよりみんな声に張りがあるとか
大向こうさんが元気とか
客席のテンションが高いとか
麻阿の匍匐前進が長かったとか
獅子丸と琵琶姫の切り替えが鮮やかとか
坊太夫がシツコイ(爆)とか
みんないろいろ少しずつ大げさになっているな~とか
そういうことはありましたけど。

なんて油断していたら後半、飛び道具・安藤英竹発射!

主膳之助と対峙し織笛姫にいいとこを見せようと刀を構える場面。
フェンシングのポーズ。しかもシツコイ。
洞院に「欧米か?!」とツッこまれ仲良くすたこら退散。
残された主膳之助と織笛姫は苦笑い。
で、フツーににこにこして見ている捨助がラブリーでした。

主膳之助に切り付けられ、額からピンクの血を流して訴える場面。
なぜかカタコトで話し始める(爆)
だっ、だれか「欧米か?!」とツッこんであげてっ!!
ああ~、洞院さんいないじゃな~い。この場は誰が収めるの?!
織笛姫も獅子丸も左大臣も口元が緩んでいますよ。
左大臣が何かを言って(「もう一度言ってみろ」かな?)その間に
なし崩しに次の場面のために獅子丸退散。
通常の芝居に戻りました(笑)

さてさてカーテンコールです。
スゴかった! 蜷川さんも花道から登場してスペシャルです!
4回? 5回? よくわからなくなりました(笑)
最後はスタンディング。
幕を開け閉めするヒトが大変そう!
何しろ今回は鏡にその様子が映るので重労働姿が見えるのです。
が、しつこく要求して申し訳ない(汗)

十二夜 その3

観劇:2007年7月27日
会場:歌舞伎座(一階3列目)


久々の一階席。
やっぱ良く見えますね~。しかし近すぎた。船が意外にデカイのだ。
せっかくの早替わりが一拍遅れて見えるというのは…(悩)

しかし舞台に近いと言うのはいいものです。
最初の桜も格別美しく見えます。三回目だと言うのに感動してしまう。
大好きな安藤の「テキーラ」も良く見えて満足。
三階席では見えなかった月が見えて
「おー、このシーンは夜だったのかー」という発見もあったりして。
それに役者さんの細かい仕草が良く見えます(特に麻阿!)
なんですか、あの人は! 虫を捕まえましたよ!!
三回見て三回とも麻阿にクギヅケなのでした。

十二夜 その2

観劇:2007年7月16日
会場:歌舞伎座(3階12列目真ん中へん)

基本的に舞台も映画も一つのものを何度も観るより
いろいろなものを観たいのでリピートはしないのですが
(チケットが取れすぎた場合は複数回行きます…)
この舞台だけは別です! 積極的に通う気マンマン!!
だっておもしろいんだもん!!

映画『怪談』で幾人もの女をたらしこんだ菊之助さんの変身ぷりを堪能!
変身と言えは『風林火山』でのオヤカタ様とは
180℃違う亀治郎さんも注目です。もはや別人だよ!

今回は前回の友達よりも、もっと歌舞伎初心者の友達とともに拝見。
前回の轍を踏まえてあらすじと共に二役もきっちり事前に教えました。

が、やっぱりわからなかったようで…(苦笑)
あまりに別人の坊太夫と捨助。
とっさに結びつかないようです。
それだけ菊五郎さんの変身がスゴイってことでしょう。

さて、この日は子どものお客様がかなりいらっしゃいました。
そこかしこにいます。
うう~ん、贅沢。いい親を持ったね!

…しかし心配です。
いくらこの話がわかりやすいと言っても子どもにもわかるのか?!
わからない場合、騒いだりしないだろうか?

その心配は杞憂でした。
きっちり笑うとこでは笑い、騒いだりせずに優秀なお客様なのでした。

特に笑い声が響いたのは言葉遊びの場面。
「とって」のところでは一拍遅れた笑い声がかわいらしかった(笑)
そのかわいい笑い声に笑いの第二波が。アットホームだな。
舞台上の役者さんたちもなんだか嬉しそう。

あと坊太夫が手紙を拾う場面。
坊太夫と背後の4人組の掛け合いに大ウケ。
あの場面はオトナでも笑いますからね! 今回も楽しかった~♪

あ、安藤がセリフをとちりました(笑)
言葉遊びの場面だったので誰も助けることができず、言い直して自爆。
とっとと退散した安藤に
「何を言っているのかわからぬ」と左大臣のツッコミが炸裂!(爆)

十二夜 その1

観劇:2007年7月7日 初日
会場:歌舞伎座(3階3列目真ん中へん)

今回の安藤さんはオシャレさんです!
特に髪型! ステキです。
前回の安藤さんもオシャレさんでしたが(靴下とか)。

今回は中村屋の歌舞伎は何度も観ているけど
音羽屋の歌舞伎は初めての友達と共に観たわけですが
その素直な反応に、歪んでしまった我が目線に気づかされたりして(苦笑)

うーん。主役を見てないぞ、私。
ひたすら麻阿を見ていましたね。
だって面白いからさー。目が離せないんだよ。
友達はちゃんと主役(&話の中心人物)を見て感動していました。

曰く「ときどき、なんでみんなが笑ってるのかわからなかった」
ああ、それは舞台の端っこで愉快なことをしている人がいたからなんだよ~。

曰く「坊大夫がかわいそうになった」
ああ、そうね。そうなんだけど、そこは超越して見るんだ! ←ムチャな…

あと、坊大夫と捨助、同一人物が演じていると気づかなかった…
おお! なんという…!! すんごい早替わりなのにっ!
それどころか船のシーンで琵琶姫と主膳之助が早替わりなのも
教えないと気づかなかったかも…アブナイ、アブナイ。

あと、琵琶姫と主膳之助が再会する場面。
曰く「すっごいそっくりだね!」
……アンタ、ほんと素直ないい客だよ(涙)

松竹大歌舞伎・中央コースの巡業

観劇:2007年7月1日 巡業初日

歌舞伎のみかた

なんと言ってもこれがイチバンのお楽しみですね!
笑三郎さんと春猿さんによる解説。
聞きしに勝るおもしろさ! 大満足~

最初は上手・下手などの基本的な説明で「おや…?」と思ったら
義太夫のあたりから工夫炸裂!
笑三郎さんの義太夫実演!
それに合わせて春猿さんの「はっとしておどろく」の演技の実演!
大爆笑。

これで会場の雰囲気がほぐれたのか
舞台上で見得の実演希望者を募ったところ予想以上の参加者。
その前に…

ここで春猿さん
お客さまに実践していただきたいと思います。客席で!
と勢いよく舞台を指し示しながらおっしゃる。
ん? なんか間違ってない? でも自信満々だからあっているかな?
と会場全体が「??」となったところで笑三郎さんがいち早く
逆よ、逆。客席は向こう。ここは舞台」と冷静に指摘。
これでハッと気づいた会場と春猿さん。
おお、ハズカシ。と顔を被う春猿さん。カワイイ(笑)

参加希望者はせいぜい2・3人だと思っていたのに
白髪のお祖母さんから、幼稚園もまだじゃない? な幼い男の子まで
老若男女10人近い人々が終結。みんなチャレンジャー!
もちろん会場のアイドルは男の子。
ママが黒衣となり見よう見まねで見得を切る! まぁ、微笑ましい…

と思ったら、遅れてきた大型ルーキー登場ですよ。
見得の練習も佳境に入ってきた頃、さらに一人の参加者が追加です。
参加者が均等に広がった舞台で隙間を見つけたのはいいが
よりによって男の子の斜め前に立ちはだかった!

あらら。角度によっては男の子が見えない人もいるんじゃない?

練習不足ゆえの笑三郎さんの個人指導にも熱が入ります。
オジョウチャン、こうよ」と根気よく教えてくれる笑三郎さんに
彼女も熱心にがんばります。
が、熱が入るあまりどんどん男の子の前に移動し、ついに真ん前に!

その瞬間、若干ですが、会場から不満気なざわめきが。
おや、不穏な空気になってきたぞ。と、ヒヤヒヤしていたら
その空気を察知した春猿さんがすかさず
もうちょっとこちらに寄りましょうか
と参加者を誘導して事無きを得ました。ナイスフォローです!

もちろん『俊寛』の演目解説もあります。
初日のせい? ちょっと噛み噛みの笑三郎さんの説明に
アンタ、今噛んだでしょう」と目でツッコム春猿さん。
いひひ。おかしい~。

解説はお面つきの演技つき。いいのか、そのお面?! 反則だよ(爆)
でもおかげで大変わかりやすく楽しめます。


平家女護島 俊寛

久々に観たわ~、俊寛。
たしかラストで回り舞台を使うはずだけど
この会場にそんな機能はないのでは?

そんなことを気にし続けてのエンディング。
おお! こうくるか!!
というラストでした。おもしろかった~。


お祭り

舞踊です。俊寛では地味~な衣装でしたが、こちらは華やかです!
そして、すっっごく面白い!

芸者のシュンちゃんと鳶頭・段の字の恋模様。
そこへ先輩芸者・笑三郎の横恋慕が入り込む。

というタイヘンわかりやすい物語&美しさにウハウハです。
どうせなら右近さんも芸者の黒い衣装を着て出ればいいのに~と
念じましたが、鳶頭の格好でした。残念。

名古屋の笑也さんと段治郎さんのコンビもよかったですが
春猿さんと段治郎さんの一対も美しいです。

国盗人

観劇:2007年6月28日
会場:世田谷パブリックシアター

最後列の舞台正面で観てまいりました!
これが大正解!!
かなり客席をつぶしてせり出した変形の能舞台。
おかげで最後列でも近い!
由緒ある神社のような高床式(?)舞台。
味のある色あいがステキです! ←大道具さんが徹夜で仕上げたとか。

行った日は舞台終了直後の萬斎さん ←汗をふきふき、水をガブガブ(笑)
と、脚本を手がけた河合先生による「ポストトーク」付きでした。
そこで聞いた裏話も織り交ぜたいと思います。

能の形式に則った演劇でした。
萬斎さんをはじめとする狂言班は狂言で、他のかたは演劇で
両者の融合、って感じでしたね。
能面を使ったり、能や狂言のお囃子をつかったり。

夢幻能(この漢字?)という形式で物語が構成されていたそうです。
夢幻能とはあるキーワードで現代から過去へ飛ぶんだそうです。
この場合は、白いパラソルと白いワンピースの貴婦人が拾った能面と
“兵どもが夢の跡”という言葉で一気に『国盗人』ワールドへ。

言われるまで気づかなかったんですが、セットや劇場の壁に
銃弾が撃ち込まれた穴があいていたりして…物騒だな。
すでにこの舞台自体が形式に則っているようです。
ははあ、確かに朽ち果てた様子もありますな。ふむふむ。

季節が原作では冬だったのに夏に変更になっています。
※その前に洋物が和物に変わっていますが!
そりゃあ“夏草や兵どもが夢の跡”をキーワードに使っていますから
それも当然。でもまったく違和感なし。
…戯曲を読んでいるはずの私ですが、言われるまで気づかなかったし。

そしてリチャード3世こと悪三郎萬斎)は、大悪党というより小悪党。
リチャードより親しみが持てます。
駄洒落がお好きなようだし。しかも「シリ」を連呼する下ネタ…(笑)
でもこの「シリ」は重要ですよ!
シェイクスピアの原文でポイントとなる弱強5歩格を
日本語で表現しているわけですから。

登場人物もかなりコンパクトにまとまってわかりやすい! 助かります~。
王に王妃、王子に姫。右大臣に左大臣。
名前だけで「偉い人ね」ってことが伝わってきます。

今回、役者さんは知らない人がほとんどだったのですが
ひそかに今井朋彦さんを楽しみにしていたりして…(笑)
消臭プラグの踊る殿様でおなじみの役者さん。
私は『新選組!』の徳川慶喜のイメージが強烈です。
その今井さん、大活躍♪
クラレンス公こと善二郎・スタンリー卿こと右大臣・リッチモンドこと理智門
オイシイとこどり(笑)
特に理智門がカッコイイのだ。名前は変だけど。

そしてすごかったのが白石加代子さんですよ。
主な女性キャストは一人占めです!
エリザベスこと白薔薇の王妃
マーガレットこと赤薔薇の王妃・政子
アンこと赤薔薇王子の妃・
ヨーク公夫人こと一郎と善二郎と悪三郎の母・皇太后
この四人を瞬時に演じ分ける場面は圧巻でした。
戯曲ではあんなにわけわかんなかったのに…(爆)
あと冒頭の白いパラソルの貴婦人も白石さんでした。

物語は全2幕。で、おもしろかったのは2幕目!

実は1幕目はちょいと居眠りした私…。
だって、杏が悪三郎に口説かれる場面はどうにもこうにも(悩)
コミカルにはなっていましたけど、納得できないんですよ。

2幕目は何といっても悪三郎即位直前の場面ですよ!
歌いましたよ、悪三郎が。きらめきましたよ、ミラーボールが。
ものすごい浮かれっぷり。
そりゃあ、この即位のためにひたすら暗躍してたんだもんな~。
あの場面が悪三郎の人生のピークだし。
しかし正直、ちょっと歌は長すぎた(苦笑)

で、バッキンガム公こと久秀の焦らし作戦も
木魚を使うという大技もあり、大成功。
実はこの場面、今回観るまでは好きじゃなかったんです。
のどから手が出るほど王になりたいのに
自分から「なりたい」とは言わずに
周囲の人間に「どうか即位して下さい」と言わせる回りくどさがイヤ。
だったんですけど、実に上手い仕掛けでした。

客席が国民に見立てられ、
久秀に煽られて悪三郎の即位に賛同させられた私たち観客。
やーだ、楽しい~。観客参加型ですよ!
それ以外にも戦いに挑む兵士に見立てられて
逃亡しないかどうか見張られたりして。ぐふふ、こういうの好き。

悪三郎が悪夢にうなされる場面では能面が大活躍。
こわいよ~、能面。そりゃ、うなされるって。
本物の能面作家の方に作っていただいたそうです。

ラストの名ゼリフ「馬をくれ! そのかわり国はくれてやる」は
階段でボソっと言ったときは「へ? それだけ?」とビックリしましたが
さすがに最後の最後、見せ場としてとってありました。
大迫力です!
でも能面コロンはタイミングがずれたらしい。
別に不自然ではなかったけど。

そして再び白いパラソルの貴婦人登場で舞台は元の場所へ。
これで貴婦人が見た、うたかたの夢とわかるわけです。

むふー。質の高い舞台でした。
予習も無駄ではなかったわ~!
演出によってこんなに変わるんだ、ってことがわかりました!
そして裏話満載のポストトークも充実の内容で大満足でした。

三人吉三 その2

観劇:2007年6月26日
会場:シアターコクーン(2階正面)
演出:串田和美

ケチって2階(実質3階?)で観たのですが、ヒキで観ると照明がよくわかっていいですね~。
2回目にして「あ、そういうことか」と発見もあったり(苦笑)
「え、そんなことしてた?」と記憶力のおぼつかなさを実感したり…。

そして今回は犬の因果に振り回されることなく3人の吉三に集中。
ラストの大立ち回りでは泣けた~。遠くから見るのもいいもんだ~。
吉祥院以降のお三方に引き込まれました。
できれば休憩ナシで雪のシーンを観たかった!
ま、セットの問題とかいろいろあってそれは難しいんでしょうが…

カーテンコールでは「カンタローズブートキャンプ」の披露!
前回は白い捕手のみなさんの半分くらいの参加でしたが
今回はほぼ全員が参加していて壮観!
芝のぶさんもやってたのかな~? と考えると意外で愉快(笑)

獨道中五十三驛

観劇:2007年6月23日
会場:中日劇場

基本は家督相続に必要な“九重の印”と“宝剣・雷丸”の奪い合いの
お家騒動。
ですが随所に歌舞伎のパロディがちりばめられていて
記憶を探るのが忙しい芝居でした。

石山寺に雛遊びに来ていると見せかけて
実は出家が望みの重の井姫(笑也)。
ん? 姫が出家? 『桜姫東文章』ですか!

と思ったら、馬子が呼び出され双六遊びがはじまった。
馬子(というにはトウが立っていたが)と双六といえば『重の井子別れ』!
去年、文楽で見たばかりだ!

その馬子の双六の駒が香箱の片割れ。それをみた姫びっくり。
人払いをし出家をとりやめ、馬子に言った言葉が「もしや2年前…」
なんとこの二人2年前に一夜の契りを交わしているらしい。
ううむ。雛遊びをする幼い姫かと思ったらとんでもなかったぞ。
やっぱり『桜姫』だ。

実はその馬子、雷丸を運ぶ途中
殺され、剣を奪われた与惣兵衛の息子・与八郎(段治郎)だったのだ。
姫を連れて敵討ちの旅が開始。でもすぐに姫は攫われちゃうんだが。

ついでに(?)2つの宝も探します。
両方とも敵の
赤堀官太夫(欣也)・水右衛門(猿弥)・源吾(延夫)に奪われているのだ!
ふがいないぞ!

割とあっさり雷丸は取り戻したが、問題は九重の印。
竜王にも狙われるこの宝、海底での奪い合いの場面「おさかな天国」。
最初はおさかながラブリーなメルヘンシーンですが
後半は巨大なエビ、タコ、ヒトデと格闘する…『児雷也』の三すくみか!?
イヤ違った! タコが与八郎の懐をまさぐってる!
ななな、なんだこのシーン。キテレツだな!
びっくりしていたら懐から九重の印が! ああ~魚が咥えて奪われた~!

命からがら逃げ出した与八郎
やっとの思いで小船によじ登り、決めポーズ。
けど登る途中に船につまづいた(爆)
やーねぇ、せっかくカッコつけているのに~。

岡崎では待ってましたの化け猫騒動。
もちろん思い出すのは正月の『梅初春五十三驛』です!
子猫ちゃんズの“ぱらぱら”の替わりに猫の操り人形のダンス。ラブリー♪
おくらちゃんの操られっぷりは『梅初春~』に軍配があがるかな。

そして化け猫右近さんの宙乗りです!
おおお。上手からスタートですか!
あと2・3席ずれていたら私も右近さんの汗をかぶるところでした。
デンジャラス!

ここまでが1幕。ううーん。盛りだくさんだな!

さてさて2幕でございます。
雷丸を狙う赤堀親子との攻防はまだ続いています。
そんな最中、雷丸を持つ与八郎と攫われた重の井姫が再会します。
…今の今まで姫のこと、ちーっとも気にしてなかったくせに会ったとたん
下心丸出しにする与八郎(笑)
エロ全開で油断したところに一発の銃弾が!
撃たれてやんの(爆) しかも破傷風ですってよ。

破傷風のため立てなくなった与八郎、姫に曳かれる車に乗って登場。
『小栗判官』ですか?!
車の上でちんまり座る姿がかわいらしい(笑)

で、『忠臣蔵・八段目』のようなやりとりなどもあって
重の井姫の犠牲で与八郎は本復。
「立った、立った」はバッチリ見ましたが
このあたりウトウトして記憶があいまいです(汗)
いつの間にやら九重の印も取り戻し、江戸を目指すぜ、オー!
ってところで2幕目終わり。

3幕目は右近さんの早替わり12連発!
いやー、すごかった! いっぱい替わりましたよ。覚えてられないくらい。
目まぐるしくて物語がイマイチわかりませんでした。
元ネタも知らないのが多かったので…
全編通してにぎやかに盛り上げてくれたおやえ笑三郎おきち春猿)の
ゴールデンコンビが盛り上げてくれたり
それはないだろう…な赤星十三郎などで笑いも忘れないのはさすがです。

で、「大當」「大入」と朱でデカデカと書かれた白い着物の与八郎が
民部之助門之助)や、劇中でやたらとはぐれた半次郎弘太郎)と共に
雷丸と九重の印を主君に届けようと日本橋へ到着。
ラスボス水右衛門を倒してばんざーい! な感じで幕でした。

段治郎さんが思いのほか大活躍で大満足でした。
ヒーローでしたよ。破傷風だったけど。
笑也さんも見せ場が多くて「この人この前オッサンやっていた人だよね」と
ちょっと戸惑う。
戸惑うと言えば、春猿さんです。
三月の神々しい母上さまがキョーレツなので
今回の前髪舞妓や掛け合い漫才とはギャップが大きかったです。

三人吉三 その1

観劇:2007年6月17日
会場:シアターコクーン(1階平場席)
演出:串田和美

三人の吉三が出会う大川端の場を何度か観て
「いったいどんな話なんじゃ」と通しを数年前の歌舞伎座で観て
「ええ~?!」とびっくりした記憶が。
因縁に次ぐ因縁であわわわわ、と思ったものです。
今回は串田和美演出による『三人吉三』でございます。

とっても話が入り組んでいるので歌舞伎座の通しのパンフで予習。
ううむ。参ったなぁ、ゴチャゴチャしている。
「実は…」が多いんだよ~。
このあたりがどうなっているのかを楽しみにして観に行きました。


出来事が時間通りに並べ替えられていてわかりやすかったです!

冒頭は名刀・庚申丸を盗んだ盗賊(=土左衛門伝吉)が
吠え噛み付いてきた犬を殺してしまった場面。
すべての因果はここから始まります。なのでこの場面は重要!

なんですけど、注目すべきは犬!!
本物の犬がトコトコと舞台を横切り、観客大喜び!!
すごーい、偉いぞ、ポチ!! ←勝手に命名(笑)
※本当はちゃんと名前があるようですが忘れたのでポチのままで(汗)

研師与九兵衛亀蔵)とそりゃ反則だろう?! な扮装の勘三郎さんの
英語を交えた掛け合いがあり
今まで名前だけの存在だった海老名軍蔵橋之助)が実体化。
おおお~、そういういきさつで百両と庚申丸が…。ふむふむ。
おまけに世にも珍しい立ち役(しかも侍!)の芝のぶさんも見られます!

大事な百両を懐に家路に急ぐ十三郎勘太郎)を呼び止める声。
夜鷹のおとせ七之助)です。
けなげなおとせにお金だけ渡し、さすがに帰ろうとする十三郎。
尚も強引に引き止めるおとせ。
せ、積極的だなおとせちゃん…どうやらヒトメボレみたいですよ。
断れない十三郎もヒトメボレです。
お互い顔がくっつきそうなくらい接近して、私は内心「あわわわ」

ちゅうか、このあたり、足が痺れてそれどころではない私なのでした。
奮発して平場席にしたのはいいけど、何度も苦しむ羽目に…

それはさておき、おとせと十三郎がしっぽりとしていると
夜鷹と客のトラブルに巻き込まれ、慌てて逃げ出す十三郎。
その際、大事な百両を無くして途方に暮れる…という展開。

なるほど。そういうことでしたか。
普通、大金持ってオンナ遊びしないよな、おまけに無くすなんて…
ヒトメボレして平常心をなくしたところにあの大騒ぎ。
そりゃ慌てますよ。
でもたとえ着物を無くしても、百両を無くしちゃあいけません!

大枚百両を無くし、茫然自失の十三郎。
そのショックはどのくらいかと言うと
思わず道無き道を歩き、お客さんをかき分け、終いにはしゃがみこんだ!
真ん中のブロックのお客さんはラッキーです(笑)
そして自殺を図る十三郎。
それを見て、大技一本! で助ける土左衛門伝吉笹野高史)。
いきさつを聞いて「その金、俺の娘が預ってるぜ」と連れて帰ります。

一方、その百両を持って、もう一度会えないものかと
昨夜二人がであった場所に向かうおとせ。
そこへ呼び止める声が。お嬢吉三福助)の登場です。

…やっと主役の一人が出てきた。ここまで長い(笑)
いや、勘太郎ファンとしては嬉しいですけどね!

このあたりは歌舞伎でもおなじみの場面です。
お嬢に百両を奪われ、川に突き落とされるおとせ。
ほうほう。庚申丸のゴタゴタもこういうことで奪い合いにあるんだな。
そして、待ってました! の「月も朧に~」の名調子!!

…ん? 後ろ向きでしゃべるの??
と思ったら、ゆっくり舞台が周ります。おお! なるほど!!
暗がりから登場するお坊吉三橋之助)。駕籠じゃないのね。
百両をめぐり白刃がきらめく中、和尚吉三勘三郎)が仲裁に入ります。
そして義兄弟の契り。
このあたり、かなりあっさりです。

伝吉に保護された十三郎と、十三郎の養父に助けられたおとせが再会。
ここで伝吉、十三郎が過去に自分が捨てた息子だと知り大ショック!
十三郎とおとせは双子の兄妹だったのです!!

そんな伝吉のショックもミドコロですが
この親子には犬の因縁という堅い絆(?)がありますから
「ウ~、ワンワン」という鳴き声から
「なるほど、そういうことだったのか」と以心伝心の裏技が(爆)

しかしなんで双子ってことを知りつつ
なんで何にもしようとしないのかね? このオヤジは??
しかもせっかく和尚吉三が持ってきてくれた百両も
意地張って受け取らないし
挙げ句の果てにおとせに会いに来た与九兵衛に投げつけて
追いかけるはめになっているし(苦笑)

ここで与九兵衛が再登場したのは嬉しかった~
亀蔵ファンに向けたサービスシーンも用意されていましたよ!

またしても暗がりから現れたお坊吉三が、与九兵衛から百両を奪い
それを見た伝吉が説得しようと試みますが失敗。敢え無い最期。
このあたりじっくりです。…私の感想はあっさりですが(苦笑)

で、吉祥院です。数年前の歌舞伎座通しで観たときは
欄間に隠れたお嬢吉三が天女の絵に重なって、実に美しかったのですが
今回は…うーむ。横たわるには無理があったか。残念。

この場面で全ての因縁が明らかになるわけですが…
ここに至るまでに十三郎とおとせにだいぶ肩入れしていた私。
十三郎の感謝を込めたひっそりとした「あにさん」の一言とともに
二人が退場した時点で「終わった…」と脱力(苦笑)
ですが! この「あにさん」はヨカッタですよ!
和尚の妹と添い遂げるってことで「義兄さん」という意味なんですが
十三郎は知らないですが実際は兄弟なわけですから
和尚には「兄さん」と聞こえるわけで。

…だけど、違うってば! この芝居は三人の吉三が主役ですってば!!

しかしそんな私のローテンションを吹き飛ばすラストシーンです!
雪の舞う真っ白な舞台。
捕まった和尚を助けようとお坊とお嬢が再会します。
エライ! 一旦逃げたのに和尚のために戻ってきたのね!!

雪の中の大立ち回り。
なんかもー、白い捕手のみなさんがシタタタタ…と走るだけで楽しい。
やがて逃げてきた和尚も合流し、更なる大立ち回り。
そしてドカ雪!
降らせるにもほどがある!! と驚愕の量です。すっげー。
『當世流小栗判官』のラストでもけっこう降りましたけど、それ以上!
客席にもちらほら振ってきて、ぐっと奥行きが増し
うっとり&ぼんやり見てしまい、残念無念。

降りしきる雪の中、逃げ切れぬと悟った三人は自刃して果てるのでした。
え、自殺して終わりだったのか? ←歌舞伎座の結末忘れている(笑)

カーテンコールはスタンディング。私も足のしびれを堪えて立ちました。
それに応えて(?)橋之助さんの客席に向けた雪投げと
勘太郎さんと愉快な仲間たちのブートキャンプ(爆)のサービス付でした。

歌舞伎鑑賞教室

観劇:2007年6月10日
会場:国立劇場

まずは亀寿さんの解説です。
前半の歌舞伎の説明は教科書通りで初心者向けでした(苦笑)
しかし、そのあと『引窓』の作品解説が工夫されていました!

登場人物の紹介とそれまでのあらすじに加え、立ち回りの実演付き。
それも濡髪がどうして人を殺すことになったのか、という場面です。
な、なるほど。そういういきさつで殺人に至ったわけですか!
パンフにも書かれているけど、読むと見るでは大違い!

それに恒例の客席からゲストをお迎えするコーナー。
和服姿の女性2人を舞台に上げて『引窓』のセットを訪問です。
ええ~、いいなぁ。
実際に窓を開閉したり
水鏡に映った姿をみてビックリを演じたり、楽しそう。
水鏡のところはやたら大仰にビックリしていてノリのよさに驚きました。
なんだ? 事前に演技指導があったのか? ←まさか!


引窓

あら、濡髪弥十郎さんだわ。デカくてイイカンジ~
ええ? 十字兵衛扇雀さん?!
って扇雀さんが立ち役のたびに驚くのはどうかと思う…(苦笑)
何度か見ているのになぁ…
ん? 弥十郎さんと扇雀さんがここにいるってことは
コクーンには出てないのか…(気づくの遅っ!)

お早孝太郎さん。働き者でいいですねぇ。
そして母親といえばこの人、竹三郎さん!! 好き♪
それ以外に濡髪に兄弟を殺された侍役に亀寿さん・薪車文字色さん。
うんうん。
このあたりの遺恨については解説で実演があったから良くわかる!

……と、このあたりまではノリノリで観ていたんだけどなぁ。
気がついたらクライマックスでしたよ。
何故?! …って寝ていたんですけどね(苦笑)
頭痛は治まっていたのに! 前日いっぱい寝たのに!
具合が悪くて寝るのではあんまり休息にはならないようです。くそう。

でもほくろが取れる劇的瞬間は見逃さなかったし
月明かりを「夜明けだ」と言って濡髪を逃がす十字兵衛の友情にほろり。
いい人ばっかりでいい話でございます~

薮原検校

観劇:2007年5月30日
会場:シアターコクーン
演出:蜷川幸雄

蜷川さん演出の10人の役者が一人何役もこなすめまぐるしい舞台。
膨大なセリフで、歌もあり、ギターの生演奏つき。
役者さんが大変だ(爆)

証明がおち、真っ暗な状態でちょっと変わった三味線の音が…
というか三味線っぽく演奏したギターの音色か?
それはまるで歌舞伎の劇中で
三味線さんの見せ場でかき鳴らしてる音色に似ている。
…ここは拍手をするところ?
歌舞伎に慣れた私には黙ってみていることが難しい(笑)
むずむずしていると演奏が終わってから拍手が起こりました。
あ、そうね。フツウは終わってから拍手なのね。

大量のセリフの中に目からウロコな説明がいっぱい。
検校やら座頭とは盲目の人の職業ランクを表しているんですね!
しらなかった~。

相撲で言うなら横綱・大関・小結・前頭みたいなもんですか。
まずは座頭から始まり、匂当・別当を経て最高峰の検校になれるのです。
お相撲と違うのは
それを実力で勝ち取るのではなく「金」で勝ち取るということでしょう。
検校になるとロコツに待遇が変わります。
だから検校を夢見てコツコツお金を貯めて仕事に励むのです。
中にはてっとり早くお金を稼ごうとする奴もいたりして…

これがタイトルロールの薮原検校。
実は彼は二代目で、もとの名前を杉の市古田新太)と申します。
生まれつき目が見えなかった杉の市、幼いときから親元を離れ
座頭としての修行に励んでおりました。
なかなか才能があったようで、メキメキと頭角を顕わします。
が、悪党としての才能も豊富で師匠の奥さんと共謀して
師匠を殺して師匠が貯めたお金を持って蓄電し、江戸へ。

杉の市の悪事を並べるとホントに悪どいことの連続でうんざりします。
が、杉の市を憎めないのは
演じる古田さんの魅力ももちろんありますが
根本に「盲人の待遇改善」という野望があるからですね。
目が見えないというだけで差別を受けるこの社会で
盲人が楽に暮らせるように杉の市は常に頭を悩ませているのです。
ま、方法はかなり乱暴なんですけど。

一方、品性と頭脳で盲人の地位を向上しようとがんばっているのが
同じく検校を目指す塙保己市段田安則)。
お金ではなくあくまでも己の才覚で
検校の地位に上り詰めようとしています。
清廉潔白を絵に描いたような人柄。杉の市とは正反対。
ですが不思議とウマが合う二人。
方法は違っても志は同じですから。

そんな二人を中心に物語は展開していきます
…と言いたいところですが、そうではなく(笑)
基本、杉の市以外の人は少ししか出てきません。
杉の市以外では語り手の盲大夫壌晴彦)が一役で出ずっぱりですが
それ以外の人は一人何役もこなしていました。
塙を演じた段田さんも杉の市の父親だったり通りすがりの人だったり
いろんな役に扮します。

盲大夫を筆頭に、声のいい役者さんが揃っていてウハウハでした。
セリフも聞き取りやすくてうっとりです。

そんな中に松田洋治さんがいたのです!
松田さんと言えば『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』で
正義感溢れるヒーロー役を演じていた人です!
ぎゃー。この声、大好き~
ベテラン揃いのこの舞台。ひときわ若く見えます。
…やたら若く見えるけど見た目通りじゃないよね??
双眼鏡で拡大しても年齢がわかりません。そしてやたら目線が合います。
うわ、この人、めっちゃ客席見る人だわ!

もちろん松田さんもいろんな役に扮します。常に舞台上にいます。
そしてしゃべりません! ええ~声が聞きたいのに~~(不満)
たまに喋っても、悪役ばかりのこの舞台ですから
もちろん悪どい役で、罵詈雑言を口にします。
うう…ヒーロー声で罵倒されると変な気分(苦笑)
でもだんだん慣れてきて快感に(爆)
松平定信役の時は念願の普通の役だったのになんだか物足りなかった…

とても面白い舞台でした。
セットもシンプルで「紐」が効果的に使われていておもしろかった。
ラストはハンパない恐ろしい結末でしたけど。
このあたりは『天保十二年のシェイクスピア』を書いた人だなぁと実感。
要所要所で歌舞伎っぽい演出もあってにやりとしました。

新橋演舞場 夜の部

観劇:2007年5月21日
会場:新橋演舞場(3階1列目)

妹背山婦女庭訓*三笠山御殿の場

にら蔵が姫! そして安兵衛先生と恋仲!
…どうしてもPARCO歌舞伎から離れられない私。
お三輪ちゃんをイビル場面は痛々しくて見てられなかったワ。
だからちょっと寝ちゃったワ。←オイ!


隅田川続俤*法界坊

どうしても串田演出の中村屋ヴァージョンと較べちゃうんですが
いや、そもそもどう違うのか知りたくて観に行ったのでした。

意外なことに法界坊のキャラはほとんど変わらない!
変わっていたのが要助を嵌めおくみに言い寄る番頭さんと
おくみに惚れる山崎屋勘十郎。
なにしろこの二人はヘンタイだったから(爆)
…お陰で中村屋ヴァージョンでは
おくみは変な奴に好かれる因果な女に見えた(笑)
ま、演じたのが扇雀さんですから、ロリ趣味な人なんかに好かれそうだ。
今回は相手が幾分まともな分、おくみが我が儘に見えたなあ。

姫と法界坊の半分コの宙づりがなかったわ。
なぜか髪が伸びた法界坊の宙づりはあったけど。
しかし法界坊は…汚かった(笑)
『妹背山』であんなにキメてた人と同一人物が演じているんだとは思えない!


双面水照月

大好きな場面。怨霊が活躍するから好きなんです。
甚三郎の手引きで要助とおくみの逃避行。
逃げながらも法界坊の手にかかって敢え無い最期を遂げた野分姫に

要助「野分姫は哀れ」
おくみ「未来では添い遂げてあげてください」

…野分姫はおくみにだけはそう言われたくないんじゃないか?
と思っていたら案の定、姫がどろどろと登場。
しかもおくみに化けています。
いいぞ! 思う存分、仕返してちょうだい!
すっかり姫に肩入れしている私。

姫にしてはハスキー過ぎる声も、怨霊の凄みを出すにはバッチリだ。
振袖で大股開いたり本性を顕すあたりはとても楽しかった!
さすがオロチ丸をやった染五郎さん。楽しそうでした~。

この一幕はあまりに串田版と違うので普通に楽しめました。

泥棒と若殿 (幕見)

観劇:2007年5月
会場:歌舞伎座

お国の陰謀に巻き込まれ
何もない食べるものにも苦労するボロ屋敷に一人暮しの若殿
そこへ、そうとは知らない泥棒が忍び込むところから話は始まります。

あまりにも何もないので「どういうこった?!」と訳を聞いても
のほほんとしている若殿。
見るに見兼ねて世話を焼き始める泥棒。ナント仕事を見つけて
給料を前借りして、かいがいしくご飯の支度をし始めましたよ!

「蜆とは貝か?」
「ヒヤ?」
と世間知らずの若殿・ノブさん三津五郎)。
そんなノブさんがおもしろくてしょうがない泥棒・デンク松緑)。
奇妙な共同生活が始まります。

しかし「顔洗ったらご飯だよ」
「食器はそのままにしてくれれば後で俺が洗うよ」などなど
デンクはまるで母親?!
実は家族に縁がなく、さらに女運の悪いデンク
ノブさんに同情しただけではなく自分も寂しかったんだな
というのがだんだん解ってきます。

一方、陰謀に塗れた世界しか知らなかったノブさんも
デンクの温かい心に次第に溶かされます。
このまま一緒に暮らしたい…! その思いを口にします。

「俺はお前が好きだ」……おおぅ。育ちのいい人はストレートだ(笑)

「この屋敷を出て別の場所で二人で」……う、なんだプロポーズか?

デンクも「そんときはお前も働かないといけねぇぜ」と釘を刺しながらも
ノブさんの提案に乗り気です。
うん。私もこの二人をいつまでも見ていたいよ。

それなのに城からの使いに
「人にはそれぞれ役割があります」ともっともらしいことを説かれ
城に帰る決意をするノブさん。

でもね~、説教した人が敵を油断させるためにフリとは言え
若殿を襲っていたのが許せんよ! 事前に一言
「敵を欺くために刺客のまね事するけど絶対傷つけないから安心してね」
って言えばいいのに、なぜ言わない?!
策略とは知らずに刺客を本気にした若殿、熟睡できなくなっちゃったよ!
ホントに若殿大事なのか?

そんな若殿を「ノブさん」として受け入れ、ささくれた心を
穏やかにしてくれたのが泥棒・デンク。
そんな二人を引き離すなんて!! 勝手だー!
それに妻に逃げられた過去を持つデンクがノブさんにも置いていかれたら…
傷が残っちゃうよ~(泣)

しかし大丈夫。
母なるデンクに育てられ、生まれ変わったノブさんは成長していたのです!
いつもはデンクにまかせっきりの食事をいそいそと支度し
「美味い!」と誉められながら、きちんとお別れの挨拶を言います。
突然の別れの言葉に動揺を隠しきれないデンク。
うう…でもきっとデンクにも通じる日が来ると思います。
別れは哀しいけど、とても前向きなラストでした。

久々に歌舞伎で涙を流しちゃったよ。
今月の歌舞伎座は当たりが多いなぁ。幸せ~。

團菊祭 夜の部

観劇:2007年5月20日
会場:歌舞伎座(3階12列目真ん中へん)


女暫

楽しい! 虚実入り混じるパロディワールド。
「歌舞伎ではおなじみの…」とかなんとか言い出して
「ええ~?!」とドギモを抜かれる私。その後も
菊之助さんが「橘屋のオネエサン」と話しかければ
萬次郎さんも「音羽屋のお菊ちゃん」と応じたり。わはは、楽しい~
オールスターでどこ見てもうっとり!
赤い顔で亀蔵さん・亀三郎さん・男女蔵さん・團蔵さん・海老蔵さん
京劇顔の松緑さん、隣には菊之助さん
そして凛々しい姫の亀寿さんに
隣には麗しい若衆松也さん。
いつの間にこんなに亀寿さん好きになってたんだろ。クギヅケです。
だけどそれもおウメさん…もとい、萬次郎さんが現れるまで!
かわいい。おウメの面影ないよ! けど声が時々、おウメ(笑)
武闘派・巴御前の役ですから、長刀をぶんぶん振り回し
飛び散る鮮血! 吹っ飛ぶ生首!! 豪快です。
ラストは素に戻った萬次郎さん、「普段やらないから六法は…」と躊躇うと
舞台番(という役の)三津五郎さんに教えてもらい
控えめに六法を見せてくれました。最後まで楽しいわ~。


雨の五郎

トンボの美しいタツミさんがいるぞ、という情報。
む。松緑さん以外に二人いるぞ。どっちだ?
すぐにわかります。右だ!
くるりくるりと滑らかに回ります! ほんとだ~美しい~


三ツ面子守

スゴイ。衣装は同じなのに面を変えるたびに別人に。鮮やかです!
何が違うんだ? 姿勢? 歩幅? 肩幅か?!


神明恵和合取組*め組の喧嘩

め組サイコー!!!

いろいろあって鳶vs相撲取りの喧嘩が勃発。←端折り過ぎ(笑)
そのあたりの事情はさておき、喧嘩場がとっても楽しかった~。

鳶のみなさんが今月の役者すべて登場! って感じで惜しみなく舞台に。
双眼鏡が離せません! もう、ウハウハ(爆)
いやでもテンションが上がります!
あ、亀蔵さんだ。お、松也さんも。
おおお、亀寿さんじゃないですか! 双眼鏡はここで固定(笑)

相撲取り側には『女暫』に続いて
またしても肉襦袢の海老蔵さんと男女蔵さんコンビ。
あの男女蔵さんの怪力っぷりにはオドロイタね!
4・5人の男を力でねじ伏せちゃうんだもん。

ほかにもいろいろあったのですが、何と言っても気に入ったのは
鳶の人たちが屋根に登るところ!
はじめはハシゴを使っておとなしく登っていたのに
後続の人たちは先に登った人たちに引き上げてもらいつつ駆け上がった!
なるほど「ファイト一発!」だ(爆)

これがしばらく続けられてテンションがさらに上昇!
屋根の瓦を外して応酬。あはは。子どもみたい~。

さあ、どうやってオチをつけるのかな? と思っていたら
ラスボス登場。菊五郎さんと團十郎さんの対決です。
そしてキャスト全員で押し合い、力技。
これって立ち位置決まっているんだろうか? てなことを考えたり…(苦笑)
数の鳶軍団、力の相撲取り。なかなか決着がつきません。
あやや。どうするの?? 双眼鏡を覗きながら心配に。
うわ! なんだそれ?! ありえない登場の仕方だ、仲裁役!
あまりに驚いて誰だか確認できなかった…誰ですか?(爆)

あー、おもしろかった~。
もう一度観たい~~。
誰だ、歌舞伎熱が冷めてきたとか言っていたのは?!
どうして3Bなんだよ~。せめて3Aだろう! ←わずかな差じゃん!
しかし大満足です。

CLEANSKINS/きれいな肌

観劇:2007年4月27日
会場:新国立劇場


これでもお芝居のタイトルなんですよ。
『メタルマクベス』のマクダフ役を観て以来
お気に入りの北村有起哉さんがご出演ってことで行ってまいりました。

チケット買った時は「北村さんだわ~」と浮かれていたので
どんなお芝居なのかわからないまま(無謀…)
行ってビックリ。登場人物が3人しかいません。
そして私の苦手な翻訳劇じゃないですか!!
しかも新作。吉と出るか凶と出るか?! 観てみないとわかりません。

パキスタン系イギリス人シャン・カーンさんの新作。
ロンドン在住のパキスタン系ってことが色濃く出てるお話でした。

 反イスラムのデモに参加してるサニー北村有起哉)は
 銀粉蝶)と二人暮らし。
 そこへ薬物中毒で行方不明となっていた娘へザー中嶋朋子)が
 突然イスラム教徒の姿で帰ってきた。

…えーっと。宗教の話?
ダメだ~。宗教の確執はあんまり知らないし理解できないんですよ~
おまけに薬物の話も苦手なの。
と、かなり早い段階で宗教・薬物関係はリタイヤ。
あとは…姉と弟を捨てた父のヒミツ、という家族の話だけだ!

母からは「父は自分勝手に家を飛び出した」と聞かされて育った姉と弟。
家出していた姉が父に会い、父からも話を聞いてきたのです。
が、反イスラムの弟は
イスラム教徒に改宗した姉の言葉に耳を貸しません。
おまけにマザコンなので母の言葉は絶対! で
聞く前から姉の話はウソだと決めつけています。

…聞けよ、弟! 聞いてから判断してもいいじゃないか!!

なかなか進まない話にイライラし始める私。
結局、父の言い分は
「突然子どもを連れて逃げ出したのは母の方で
父は家族一緒に暮らしたくて、すーっと探してた」ですって。

じゃあ、母はなんで逃げ出したんだ?
……どんなに思い出そうとしても思い出せません
どうやら集中力が切れて、記憶力も崩壊したらしい。
やっぱ翻訳劇は苦手だわ。オモシロイと思えなかった

役者さんは3人ともよかったです。
私が昨年熱狂した『オレステス』で
主人公オレステスを巡る三角関係(?)だった北村さんと中嶋さんが
弟と姉だったのがまた個人的には「ウヒヒ」と楽しめたし。

実はこの芝居を
「(絶対ないと思うけど)スキンケアの芝居だったら面白いわ~」
と思ったりもしていました(爆)
全然・まったく・完全に・違った! わけですけど。

コンフィダント~絆~

観劇:2007年5月5日
会場:PARCO劇場
作・演出:三谷幸喜

4人の画家に一人の女が絡み、それまでの均衡が崩れる。
果たして…?!

というあらすじ(大雑把すぎないか?)の三谷幸喜作・演出の舞台。
一人の女を巡って男4人がドタバタする話?
あんまり好みじゃないなぁ…
と極めて低いテンションで観に行く。←失礼な!

が、そこは三谷さんですよ! やっぱり面白かったのでした♪
そして役者さんがそれぞれ良かったのです!

画家の知識がほとんど無かったので楽しめるのかな? という
心配もありましたが、杞憂に終わりました。
見終わる頃には誰がどんな人だったか把握できました!

画家としての才能にジェラシーや尊敬やコンプレックスを
互いに抱き合う4人の男たちとは
すでに成功しているスーラ
売れずに悩むゴッホ
そのゴッホに頼りにされ溜飲を下げるゴーギャン
家庭と仕事を持ち収入が安定しなにかと面倒見のいいシュフネッケル。

この中で私が知っているのはゴッホとゴーギャンだけでした。
しかしゴーギャンを
「ぐんにゃり曲がりながらキスをしている絵を描いた人」
と勘違いしていた…それってシャガールだ(苦笑)

その4人が共同で借りているアトリエに
モデルとして参加するルイーズ。
彼女の回想という形で物語は語られます。

「てんてん」こと点描画法を確立したスーラ中井貴一)。
緻密な作業をこなす彼はとことん神経質でおぼっちゃま。
初めて舞台でみる中井貴一は間がよく、コミカル。
…演技のうまい人ですね、というのは役者さんに対して失礼?
でも意外だったんですよ。
なんとなく「俺がナカイキイチだ!」というオーラを出しながら
存在するのかと思っていたもので(汗)
何といっても私のイメージは『じゃじゃ馬ならし』なので(古っ)
金銭的な面ではほかの人より恵まれているスーラ。
画家としてのチャンスに恵まれ、成功しつつありながら
世間ではまだまだ若手、だけど
アトリエにくれば優越感に浸れるという理由で参加している彼。
ゴッホの才能に衝撃を受けついついゴッホを追い込んでしまう彼。
それを演じる中井貴一は切なかったです。

才能に溢れながらも、弟の援助によってやっと生計をたてる
金銭的に苦労しっぱなしのゴッホ生瀬勝久)。
絵を描く以外の才能に恵まれない彼は夢見がち。
同じ話を何度もしてみんなに煙たがれたりします。
情緒不安定で周囲に迷惑をかけまくり、でも憎めないゴッホ。
ゴッホに関しては、終わってしまって残念なテレビ番組
『知ってるつもり?!』での知識がちょびっと。
「親愛なるテオ」の書き出しの手紙の数々は忘れられません。
たしかあんまりいい死に方をしなかった人ですよね?
自分の才能には自信があるのに絵が売れなくてジレンマな彼。
いろんな人に甘える彼。
演じる生瀬さんがかわいくてなにごとか、と(笑)

そのかわいいゴッホに振り回されるゴーギャン寺脇康文
いろいろな国を旅してきた彼は妄想で絵が描けるという特技を持つ。
要領がよく、女もたらしこむ男前。
なのに、ゴッホには…(苦笑)
ゴッホの絵の才能は認めているが、それ以外では
すべて自分が勝っているということで優位に立とうとする彼。
ちょっとセコイが気持ちはわかる。
ゴッホへのあてつけでルイーズに手を出したのか?
結局ルイーズを捨て、ゴッホとともに旅立つ彼。
なんだ君達、どういう関係だ?! お互いが必要なのね…?

不安定なゴッホや、神経質なスーラ、強引なゴーギャンを
まとめるシュフネッケル相島一之)。
ラストに大きな見せ場。泣いちゃいました。
彼はアトリエ仲間でも才能に乏しい凡人だったので
感情移入しやすかった。
描く才能に加え、見る才能にも恵まれなかった彼は
それを利用されサイアクの形で自分の才能のなさを告白される。
自分の立場に最後まで気づかず、ついにズバっと言われながらも
「仲間に入れてくれ!」「一緒に続けよう!」と
懇願する姿が悲しい…。
そして「今まで黙ってくれてありがとう」と言う彼に涙。
そうだよ! 相島さんは新見錦だよ! 見過ごせないのだ!

しかし圧巻は紅一点のルイーズ堀内敬子)。
4人の男の理解者にして運命の女。
年老いた彼女が問われながら回想していくわけですが
この老婆っぷりが…衝撃でした。
えええ~?! おばあさんの声で歌っているよ!! すごーい!
そして一転して若い女になり踊り子を夢見るモデルに。
それを演じるのが『12人の優しい日本人』で
見事なオバサンだった人だとは…! イメージ変わりました。

一幕目ラストでチビ太にけなされ、泣きわめくルイーズ。
彼女を慰める男4人に泣かされた。
しかし「これが最後の4人が力を合わせた出来事だった」と言われ
二幕目を観ずに帰りたくなった。←え~?!
でも確かに4人の関係は崩壊したけどラストに
アトリエを借りて前途洋洋な4人が
将来に向けて楽しげに語る様子がなんともステキでした。

そうそう。二幕目冒頭で三谷さんが生演奏!
えー…、楽器の名前をド忘れしましたが(苦笑)
ジャバラの部分を広げたり畳んだりして鍵盤を鳴らす楽器を
演奏してくれました!

「コンフィダント」とは
《秘密・秘め事を打ち明けられる心許せる相手》のことだそうです。
あ、「絆」って意味じゃなかったのね…と苦笑いのワタシなのでした。

りゅうとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ 「マクベス」07

観劇:2007年4月4日
会場:国立能楽堂

客席に着いてビックリ。
前の席にテレビがついていますよ!! 飛行機みたい。
そういえば能楽堂でも
字幕のサービスが開始されたという話を聞いたような…?
国立劇場みたいに舞台の脇に字幕が出るもんだと思っていました。
今回は普通のセリフなので使用されず残念。

うう~ん。比べる気はなかったんですけど
どうしても『メタルマクベス』と比べてしまう(悩)
セリフを聞いては「これはあの歌になって…」
場面を見ては「あの時はこうやってた…」とついつい考えてしまう。
イカーン! 目の前の舞台に集中しなければ!!

バンクォー死ぬの早い! その死に様がちょっと変わっている。
その体勢でドウスンダロ?? と思ったら意外な行動に出た!
ありなのか? いいんだろうな、うん。
私はビックリしましたよ。

バンクォーとマクダフがなんか似ていて…
あんまり出番が被らないので混乱はしませんでしたけど。
マクダフあんま目立たないのね。
『メタルマクベス』ではあんなに輝いていたのに~。
奥さんが殺されるとこも、マクダフに思い入れがないから(←オイ)
あんまり悲惨さが…
ああ!? やっぱり比べているよーっ!(泣)

マクベス右近さんは…
この前、息子を偏愛する役をしていた人ってことを忘れていました!
すごいな、別人だよ。

マクベス夫人笑也さんは…
やっぱ女形のほうがいいわ~。ホントは男性ってことを忘れていました。
なんだろ、ナチュラルに夫人でした。
一人だけ顔が白いのも違和感なく
どころか、カーテンコールで気付く始末(苦笑)
あ、ヘカテも白いか。

しかしなんと言ってもマルカム! カッコイイわ~。
喜之助さんのお顔が麗しい…。
髪形がまたステキで、あの前髪が男前度アップですね。
台詞も聞き取りやすく
「自分は色欲にまみれた上、物欲もすごい」と告白するシーンで
女を侍らせる姿は、なんかもーたまらん!
その顔でそんなこと言わないで~っと思いながら
それはそれでいいかも…と考えたり(笑)
で、ラストはなんで自分の刀ではなくマクベスの刀を使ったの?

衣装が綺麗でした。
金色を使っていてもギラギラしてなくて上品。
色使いがいいですね~。

能楽堂だからそれがあたり前かもしれませんが
セットがありませんでした。
だからすごくシンプル。
動きもゆっくりだったりしてなんだか贅沢な時間の使い方をしていました。
でも休憩ナシの2時間20分くらい。
そうか、この話は歌わないとこんなに短いのか(笑)

魔女たちが音楽担当で素晴らしかったです。
太鼓やいろいろな楽器を奏でる様は…下座音楽?
声も使っていたし。バンクォーが死んだときの声は秀逸。
ときおり物語に入り、魔女になり暗殺者になり従者になり、大活躍。

恋の骨折り損

観劇:2007年3月24日
会場:彩の国さいたま劇場

蜷川さん演出のシェイクスピア、オールメールシリーズ第3弾。
昨年の『間違いの喜劇』がべらぼうにおもしろかったので
今回も期待を込めて行ってまいりました。

オールメールとは出演者男性で演じられるお芝居のことでございます。
そもそもシェイクスピアの時代は女優がいなかった、ということで
原点に戻る、という企画。
西洋版歌舞伎ってところでしょうか。

会場はドラマ『役者魂』のロケで使われたさいたま芸術劇場。
おお~。ここに松たか子も来たんだわ~。
とミーハーぶっこいてから客席へ。

まずはキャストの確認。

ナヴァール国王ファーディナンド北村一輝
ビローン高橋洋
デュメーン窪塚俊介
ロンガヴィル須賀貴匡

フランス王女姜暢雄
ロザライン内田滋
マライア月川悠貴
キャサリン中村友也

ビローン……へ、変な名前(汗)
ロザライン。よかった! 滋さん女だ!
それにしても思ったよりいっぱい出演者がいるわ~
上記の8人以外にも登場人物は大勢いたのでした。

3年間、勉学に集中するため
「毎日睡眠3時間・たまに断食・女性は寄せ付けない」
という誓いをたてる王と友人貴族3人。
そこへやってきたフランス王女と侍女3人に
それぞれ恋に落ちてそれどころではなくなってしまう。

あれれ?
私は北村さんの王さまが主役のつもりで観に行ったんだけど
どうやら主役はビローンだったようだ(え? 違う?)。
いや、全く問題ないっす! 高橋洋さん好きなんで!!
あの長髪がまたよく似合っていてたまらんわ~。
それにしてもよくしゃべる!

さて、一目ぼれの相手が気になります。
滋さんのお相手は誰なの?!
つーかなんでそんなに顔が黒いんだよ、滋さん?!
おまけに後半は帽子が邪魔で顔がよく見えなかったぞ!!
…おおお! 一目ぼれの相手はビローンですか♪ ナイスコンビです。
この時点で私の満足はかなり満たされました。

しかし、こんなにメリハリの利いた芝居は初めてかもしれません。
この場合のメリハリとは
「面白いシーン」と「そうでないシーン」が
ハッキリ分かれていたことなんですが。

メインの8人がいないシーンが、とにかくつまらなくて(問題発言?)
言葉遊びが多いのと、それに惑わされて状況がわからないのと
馴染めない道化っぽいキャラがいたりしてキツかった(泣)
役者さんも知らない人ばかりだし。
たぶん脚本が悪いんだ… ←天下の沙翁になんてことを!

でも眠くはならなかったな~
ラップやボイパで楽しく演出されていたし
…北村さんまでラップに参加したときは驚いたし笑ったわ~。
4人ともかわいい!

恋に落ちた知恵者ビローン
手紙を預け思い人に届けてもらうはずが
間違えて配達されてドタバタが始まるわけですが。
その手紙と独り言の美辞麗句…
あっはっは! 笑うしかないですよ!
しかもその後、ほかの3人の悩める恋する男たちの恋文まで
聞かされるとあっては…君達、勉強はどうしたのさ?

それに対し、かなり冷たい仕打ちの女性たち。
まあ、お怒りもわかりますが
後半は男たちが可哀相になるくらい手玉に取っていました。
なんだよー、ホントは好きなくせに~。

デカイ王女(姜暢雄)は結構男らしくてよかった。
笑いも担当する王女。いいんじゃな~い?
この人が女性役をやるとは思いませんでした。だって長身…
おかげで王女になりすますロザラインが
花魁さながらな厚底を履いて化ける爆笑シーンのできあがり。

ロザライン(内田滋)は個性豊かで視線がくぎづけ。
笑いのシーンはドンと任せろ! な感じでステキでした。
ガン黒な笑い上戸さんは好きな人の前だと意地を張ってしまう女の子。
果たして恋は実るのか?!

王(北村一輝)はなんであんな誓いを思い付いたのか…諸悪の根源です。
が、悪い人ではないのです。
腹黒くない北村さんを初めて見た気がします(笑)。
ビラビラの服がよくお似合いです! コメディもいける! と確信しました。

王さまたち4人と王女たち4人の仲がよかったなあ。
なんかわあわあきゃあきゃあしていておかしい。

そんな空気を一変させる知らせが届き物語は結末を迎え
なんだかちょっぴり泣けてしまったのでした。

でも正直、去年観た『間違いの喜劇』のほうが面白かったかな~
あれは本当におもしろかった!!

初瀬/豊寿丸 蓮絲恋慕曼荼羅

観劇:2007年3月26日 千穐楽
会場:国立劇場小劇場(2列目ど真ん中)

第一幕

雅な楽器の音のあと
スルスルと幕が開くと「シンプル」とは聞いていたけど
予想以上にシンプルな舞台が目の前に。
しかも床が八百屋だ! 玉サマありがとう~。とっても見やすいです~

照明や背景の…衾(壁?)がちょっと動くだけで
場面が変わったのがわかって
待ち時間のストレスがナイ!
すばらしいっ!!

2列目だからか衣装に焚き染められたようなお香の香りが…
そして聞こえなくてもいい音まで聞こえましたよ。
誰とは言いませんが腰を下ろしたときにパキっと関節が鳴る音が(爆)

奈良時代の話だと思っていたけど衣装は平安朝。
袴がすごいぞ豊寿丸段治郎
何か入っているのか? 触ってみたい。
物乞いに「あっち行け」と冷たい若さま。

対照的に姉の初瀬玉三郎)は「これを持ちゃ」と施し
乳母の月絹笑三郎)に「ほどほどにしないとキリがない」と諌められる。
そうだよ。「我も我も」と殺到するかと思って、ひやひやしたぞ!

姉を慕う弟・豊寿丸、体よく邪魔者・月絹を追い払い、迫ります。
「こんなことになったのも父が悪いんだ!」
「姉上の母上が存命のうちから私の母と関係を持ち…」
「一皮剥けば父もただの男」
と父を批難して責任転嫁。
しかしこの時代、複数の奥さんを迎えてもいいはずでは…
てなことは言わないでおきましょう。←言っているし(笑)

抵抗はしているけど…深窓の姫の非力では妨げになりません。
ようやく月絹が戻って姫を助けようとしますが豊寿丸はお構いなし!
きゃあ!! タイヘン!
なところに母・照夜の前右近)登場。
さすがにヤバイと思った豊寿丸、とっさに片袖を引き千切り
「姉上に襲われた」
ひ、ひど…開いた口が塞がりません!

それを信じた照夜の前、初瀬をビシバシ叩きます。
髪を引っ張り般若の形相。
そこへ父・豊成門之助)登場。
あれよあれよと言う間もなく、初瀬は雲雀山に閉じ込められることに。
おい、言い訳しなよ。
そして助けろよ! 愛する女が自分のせいで不遇を託つことになるんだぞ!

照夜の前に初瀬暗殺を命令された嘉藤太猿弥)。
不承不承「主命であれば…」と引き受け実行。
すべてお見通しの初瀬
「豊寿丸を追い詰めたのはこの私」と覚悟を決め、刃を待ちます。

しかしその背にどうしても刃を下ろせない嘉藤太。
だってなんだかお経のような合唱が聞こえているよ。
神だか仏だかのご加護がありそうな人を殺すことはできないわな。

そうこうしているうちに豊寿丸が初瀬によく似た娘の生首を持って
「これを母上に」と嘉藤太に差し出す。
行き倒れの死体と言っていたが実は豊寿丸によって殺された娘の首。
これを知り「なんという罪深い」と嘆く初瀬に
「姉上が私のものになるならなんでもする」と言い切る豊寿丸。
雲雀山に行くことになったのを止めなかったのも
「これで姉上を一人占めできる」と思ったからだってさ。
おお…そんなに好きか、姉上が。
しかしこの時代、異母であれば結婚できたんじゃないか?
てなことは言わないでおきましょう。←また言っているし(笑)

唐突に怪しい修験者が現れ一幕終わり。


第二幕

一幕最後に登場した修験者が照夜の前に
「偽首だぜ」とチクッたから、さあ大変!
実は照夜の前、言い寄っていたのは豊寿丸だということを承知していたのだ。
…知ってたのかよ!
だから初瀬が生きている限り追い掛け続けると考えて殺害を命じたのだ。

なるほど。
…そう考えたのは自分もそうだったから?
初瀬の母が死んだ時の様子を語られた時
急に立ち上がって客席に背を向けたよね?
それは初瀬の母の死亡に関わっているから?
と邪推したんですがどうでしょう? 2号さんで満足するような女じゃないし。

母にバレたことを知った豊寿丸、修験者をグサリと一突き。
さすが「不意打ち丸」の異名をもつ男(ないです、そんな異名)。

…この修験者もキワモノよのう。豊寿丸に迫ったよ!
「金は頂いた。あとは色」とか言って触ってきた!
うぎゃー!! 逃げて逃げて!
…逃げるどころかやっつけたよ(驚) けっこう武闘派・豊寿丸。
この時の赤い衣装が好きです。『朧』の検非違使を思い出す(笑)

しかしトドメをさせずに更に小太郎にバレる。
よかった。これで正義の味方に情報が伝わったわ~。

その後、豊寿丸は初瀬の元に急ぎます。
道々「こんなことなら嘉藤太を殺すんじゃなかった」と考えたかどうか?
ちっとは反省してほしいんだが~。
庄屋の娘と修験者は「母から姉を守るため」という大義名分があるから
まだ納得できるんですけど(いや、殺人はイカンが)
嘉藤太を殺したのは許せないな!
舞台を降りれば爽やかトラック野郎な猿弥さんを(怒)

ともあれ初瀬に逃げるように説得ができ
「初めて思いが通じた!」と初瀬に抱き着く豊寿丸。
ん? 初瀬が納得したのは「逃げること」であって…
おや、なにかに耐えるような初瀬の表情。
え、違うの?!

しかしすでに追っ手は迫っています。
慌てて逃げるが万事休す。
初瀬は照夜の前に捕まってしまいます。

照夜の前の「お前さえいなければ~」と怨みのこもった刃の一撃。
さらにそれをグリグリして
「苦しいか? 苦しいか、ザマアミロ」といたぶります。…鬼です。

だが刺されたのは初瀬に化けた豊寿丸なのでした。
それを知った照夜の前は憤死。…と思ったら生きていたなぁ。
本物の初瀬が登場し、豊寿丸を助け起こします。

「来世でも姉と弟に…」
と言い残し初瀬に看取られて息を引き取るのでした。
ってオイ! 来世こそ恋人に、ではないのかい!

そこへ戦に行ったはずの父・豊成が。←遅いっ ぜんぶ終わっている!!

夫にすべてバレ、息子を手に掛けた照夜の前は
崖から身を投げラスボス死亡。

「妻を信じた自分をさぞ恨んでいるであろう」と問いかける父。
が、怨むような娘ではないのは見て分からんか?!
自分を殺そうとした義母の死を悲しむ女だぞ!
恨むとか妬むとかそういう感情は持ち合わせてないんだよ!

初瀬は当麻寺に行く許しを父に乞います。
あら、妻が死に後継ぎ息子まで失った父に容赦ないの娘だよ。
そうだな。初瀬は冷たいよな。
誰にでも分け隔てなく優しいってことは
「特別」を作らないようにしているようにも見える。

それを理解しない父。
「50を越えた父を見捨てるのか」
だからね、家族の絆などこの女にはないも同然。
世の中を救う菩薩の化身と心得よ!

で、ここで終わりかと思ったら
満を持して生母・紫の前春猿)が神々しく登場。
そうか、菩薩さまの母は女神さまであったのか~(違うと思う)。
なんつー贅沢な配役。
「救いの道は死者にしか許されないのか」と思い悩む娘に
「蓮の糸で曼陀羅を織れ」と告げて去る…
聞いてはいたけどホントに出番少ない! でもインパクトは充分です。

…これで曼荼羅を織ったら初瀬は極楽に行けそうですね。
豊寿丸との「共に地獄へ」という約束は?? やっぱ冷たいよ(泣)

さらに豊寿丸の生まれ変わり(違う)が登場。
見掛けはそっくりでも性格は全く別。初瀬も楽しそうに笑っています。
「弟じゃなければ結ばれてもいいぞえ」な展開になったらヤだわ~
とちらっと考えたことをお許し下さい(笑)
もちろんそんなことはありませんでした。

おもしろかった!
派手さはないけど、登場人物が濃くて、とても楽しい。
完璧にセリフ劇でしたね。
普通にしゃべってくれたので助かりました。
具合悪かったし(苦笑)

通し狂言『義経千本桜』夜の部

観劇:2007年3月18日
会場:歌舞伎座(三階席)

今回の通しの素晴らしいところは、どの幕も
佐藤忠信&源九郎狐菊五郎さんだということと
源義経梅玉さんで統一されていたところですね。
静御前はどういうわけか一部キャストが入れ替わっていましたが。


鳥居前

ありえない! 忠信が荒事な拵え! なんで??
忠信って臨機応変…
そういえば数年前にこの幕を松緑さんの忠信で観た記憶が甦りました。
そうか、だから弁慶が変な顔していたのか~。
ふむふむ。このシーンで源九郎の名前をもらい静の護衛を頼まれるのか。
『四の切り』での会話の謎が解けたぞ。
でもなんで弁慶が義経に怒られて泣いた(←かわいい)のかがわからん。
で、ずーと逸見藤太だと思っていたのが
実は「笹目の忠太」という別人だったというのが衝撃でした。
この役の亀蔵さんがラブリーでうっとりです。こういう役はおまかせですね♪
あの出目写真が「完売」していたのは笑いましたけど。
そしてラストは狐六法。…3階席ではまったく見えませんでしたけど!


渡海屋・大物浦

弁慶役が浅草で男女蔵さん、今回左團次さんの親子競演。
やっぱ似ていますね。そりゃそうか~。
さて注目は刀です!
銀平実は知盛幸四郎)に
ぐりゃりと曲げられた刀を必死で鞘に納める場面。
…信じられないほどすんなり入った! うをを。すごい!
私が浅草で観たときも「入った!」と思いましたけど、これに比べたら~。
これも経験のなせる技?! いや、浅草のは演出??

そして気がついたら知盛が血まみれで崖に登っていた…
ええと。これはどういうこと?? ←寝てたのじゃ!(爆)


道行初音旅

静が別人に! 福助さんから芝翫さんに早替わり?! ←違う!
これは数年前の浅草の方が好みだわ~。
特に亀治郎さんのはアクロバチックですんごい楽しかった!
逸見藤太仁左衛門)が面白い!
ニザさまこういうのもできるのね~。
しかし藤太といい、忠太といい頼朝の部下ってひょうきん者揃いだわ~


木の実

んまー! なんてこと!
わざと荷物を間違えて因縁ふっかけて金を巻き上げる権太仁左衛門)。
本気で憎たらしい~。
でも実は子煩悩パパ権太。おまけに奥さんの小せんともラブラブ~。
なんじゃあの夫婦でいちゃいちゃした花道でのやりとり。こっちが照れる。
…ま、3階席ではよく見えないんですが。


小金吾討死

チラシに「美少年」と書かれていた小金吾。
でも演じるのが扇雀さんじゃね~、なんて失礼なこと考えてたら…
いいじゃないですか! 割と扇雀さんの立役好きな私です。
コクーンの『四谷怪談』での与茂七もよかったし。
それにしても小金吾は強いのか弱いのか?
弱くはないかもしれないけど、特別強くもないなぁ。ヤラレ役だわ。
立ち回りがたっぷりで見応えがあります。蜘蛛の巣縄(勝手に命名)だ!
小金吾そっちのけで縄が編まれる様子を見ていたりして(苦笑)
小金吾が死んだ後にいそいそと爺さん登場。誰??
なんだトドメさすのか? 謎のまま幕。


すし屋

お里孝太郎)カワイイっ。
浅草の芝のぶさんもそうとうかわいかったですが、こちらもなかなか。
権太が母親を騙すときあんなに瞬きしたり涙の小細工してたっけ?(笑)

う! そうか、この若葉の内侍六代君の身替わりが
さっき仲のよかった家族なのか!
急激に悲劇度アップ。おまけに首があの小金吾…(泣)
そうか、そういう繋がりだったのか~。
駄目じゃん! 木の実・小金吾討死・すし屋をセットにしてくれないと!
私みたいな観客がいるからさ~。

息も絶え絶えの権太の「お二方とみえたはわしの女房子供だ」に涙が。
うう、それに対して「孫かもしれんと思いつつ聞くことができなかった」の
嘆きも切ない! くぅ~。堪えるのがタイヘンでした。
お! 笛!! これも『木の実』で出てきた!
なんだ、いろいろ前振りがあるんじゃないのさ。
通しは新たな発見があっていいですね~。


川連法眼館

音羽屋型ですか。…ヂミですね。←コラ!
ここ、右近さんならもっと跳ぶとか、
これ亀治郎さんならもっとくるくる回るなどと考えながらみてしまった。
でも狐コトバは聞き取りやすかったです。←誰と比べているの?(笑)

法眼さんは花道から登場だっけ?
天井から下りるの場面はないの?
忠信が窓から覗くのは?
僧兵3人だけ?
狐六法は?
ラストはするすると木に登る狐忠信なのでした。

いろいろ疑問がありますね。
オモダカ屋と中村屋のが録画してあるからあとで確認しましょう。


奥庭

おお? まだ続きがあるのね? 初めて観たわ~。
狐を捕まえている。これが教経幸四郎)なのね?
教経といえば貴族かぶれの平家の中でも武闘派で知られるのに
なんでけったいな扮装しているのかと思ったら
横川禅司覚範という坊さまに化けているんだとか。頭巾を取るとスゴイ頭…
なんだかんだで主要メンバー集合です。
おお、亀蔵さんがようやく登場です。
静がピンクにお召し替え。まあ頭まで替わっている!
そして勘定奉行っぽい忠信なのだ(笑)
「今度会ったときに決着を」と約束して幕。
ええー、立ち回りとかないんですか?!
いかにもありそうな感じだったのに…!

でも全体を通してみると『鳥居前』で狐六法があり
『小金吾討死』で立ち回りがあって…と
バランスを考えるとこれが正しいようです。
それにしても私はオモダカ屋の型が好きなんだなあと実感した
通しでございましたよ。…え、これがまとめ?(笑)

地獄八景‥浮世百景

観劇:2007年2月
会場:世田谷パブリックシアター
演出:G2

じごく「ばっけい」って読むんです。

笑也さんご出演のG2演出『地獄八景・・浮世百景』を観てまいりました。

今回の席は、ぼーっとして発売日をスルーし
気がつくと3階の端しか残ってなかったというていたらく…
おかげでいらんとこまで、よく見えました。
あ、意外に視界良好。きちんと舞台が見られました!

…いろいろ大変な芝居でした。

上方落語がたくさん盛り込まれた話、ということで
物凄く楽しみにしていたんですが、ワタシ落語それほど知らないんでした。
しかも上方落語となると…
知っていたら「この話はアレですな」とニヤリとできたと思うんですが。
しかもパンフで若干の予備知識を得たからタチが悪い。
頭の隅っこで余計なこと考えてイマイチ集中できん!

あと隣の席の女性が本番中9割寝ていたのが気になって気になって…
開始早々落ちたのには驚いた。
いっこうに起きないから具合悪いのかと思ったら突如、双眼鏡を構えた!
その先には娘に変身した笑也さん!
そのシーンが終わるとまたガクッと…うーん。何度も観ているのかしら?
でも1シーンだけって…男な笑也さんには興味ないのね。うん、潔い!
笑也さん本人はものすごく楽しそうに演じていましたけどね、娘以外も。

そうだ。全編関西弁ってのもネックでした。
関東育ちにはキツかったです。ガックリ。

とにかく複数の役をこなす役者さんが多くて大変。
おまけに初めて見る役者さんも何人もいて混乱の極み。

そんな中、松尾貴史さんと升毅さんは
さすがに笑わせ所をわかっていて面白かったです。

山内圭哉さんは半分力技で笑わされました。
今回はオトコマエなヅラがなかったのが残念です。

吉弥さん(『新選組!』の山崎役でお馴染み)は、すーぐわかりました!
なんの役でもすぐわかる(笑)

吉坊さんカワイイ!
丁稚みたいなかわいらしさとぬいぐるみのような魅力。

小松利昌さんもおもしろおかしく目が離せません!
この人、初めて見たのに見分けがつくんだよな~
なんだこの、破壊力のあるキョーレツなインパクト(爆)

しかしこのメンバー中では一番見ているはずの笑也さんが…わからなんだ。
考えてみたら男役ではみたことなかったわ。
しかも笑也さんをしばらくぶりに見たとあっては無理もない…?
んなことないわーっ! ふがいないっす!
8役中6役しかわかりませんでした。ガックリ。
それがトラウマとなり(?)昨夜の夢に出てきました。
夢でも笑也さんが化けた役を探していました(苦笑)

芝居の後には出演者全員とゲストによるトークまでついてお得でした。
ゲストって誰じゃい? と思ったら脚本書いた東野ひろあきさんでした。
しかもゲストと言われながら司会を務める因果な人。
「そんなんも嫌いじゃないんで」と勤しんでいました。

トークでは出口結美子さんが一躍アイドルに!
本人はなーんもしゃべらんのに盛り上がること!
さすが笑也さんのblogで「天然」と評された人だ。

あと「顔がジャマ」とイジられまくりの小松さん。
共演の方々にもやっぱりインパクトあるんだ…
そうだよな、初めて見る私が覚えるくらいだもんな。
「目が合うと笑っちゃうから顔を見ないようにしてる」なんて言われていた(笑)

笑也さんは扮装のまましゃべるのが気になるようで
妙なキャラで話始めた(笑)
で、みんなから「誰なんだよ?!」とツッこまれまくり。

終始和気あいあいとしていました。

開演前の場内アナウンスにもご注意ください。
出演の松永玲子さんの声ですよ。
完璧な大阪弁だそうです。
…私は京都弁だと思ってしまいました(汗)

仮名手本忠臣蔵

観劇:2007年2月
会場:歌舞伎座

五段目・六段目

何度も観ているこの話。
ですが菊五郎さんの勘平は初めてかも…

と、それなりに楽しみにしていたのですが
この前に観ていた映画『墨攻』が敵をも巻き込んで
勝利ってなに? 勝てばいいの? 平和ってそうじゃないでしょ?
と問いかける話だったので脳みそがついていかずに撃沈。

だって真逆なんだもん。今度は仇討ちに参加したがる男の話だよ。
さっきは争いを止めようとし、今度は喧嘩を吹っかけようとする男の話。
むむむ。無謀なラインナップであった。失敗。

脳みそのストライキにあい、ぐーぐー寝てしまいました。
ついでにお腹もぐーぐー鳴らす。

幕間で弁当の栄養補給。さあ、このあとはどうなるのか?!


七段目 祇園一力茶屋の場

しかし、こちらは楽しめました! 華やかですね~。
主役の大星由良之助吉右衛門さん。
ですが、それより
遊女お軽玉三郎)と寺岡平右衛門仁左衛門)に注目でした。

仇討ちに参加したがる寺岡くん。
『元禄』で言ったら井関の役か?
と思っていたらお軽と出会って急展開。

お軽「あにさん!」
寺岡「こりゃ、妹!」

二人は実の兄妹だったのです。こりゃびっくり。
そしてどうみてもイチャイチャしているようにしか見えない場面が続きます。
うひゃひゃ。どうなのよ?
お軽さん、旦那の勘平相手のときよりイチャイチャしているよ~。

そんな役がなんともかわいい玉三郎さんなのでした。
仁左衛門さんもかっこいいしね。言うことないです。

あとは浅草で大注目だった亀鶴さんが鷺坂伴内で出てきてゴキゲンな私。


十一段目

討入りですよ。『元禄』ではこれが終わった後の話だったので
これでようやく繋がった気がします。

けっこう派手な立ち回りでびっくりです。
立ち回りで終わるとスカッとしてイイですね~。

朧の森に棲む鬼 3回目 〆

観劇:2007年1月26日
会場:新橋演舞場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

過去に某所で書いた記事を移動させた分。
ネタバレ編。

この公演は3回も行ったようですね。
1階観ればそれで十分! という考えの私にしては異例のことです。
3回目は3階席だったようですね。

…でも結構、新感線の公演は複数回行くことが多いかもしれません。
好きなんだな~、すっごく。
ま、チケットが取れるかどうかが問題なんですが。

以下、基本手直しなし。誤字脱字をみつけた箇所のみ訂正しました。
あとキャストを強調したくらいです。
それにしても気合入りすぎ! 長いよ!!
よっぽど気に入ったんだなぁ。

長すぎるので隠します。

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プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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