2012年最大の訃報

勘三郎さんが亡くなってしまいました。

この訃報を最初に聞いたのは5日の朝のテレビ番組でした。
そのときは、ただただビックリ。

実感がわかないまま仕事をし、ふとした瞬間に
あれ…ということは、もう勘三郎さんの舞台を観られないの?
という寂しさが込み上げ呆然としたり。

じわじわと実感した2日間でした。

新聞で親しかったひとたちの談話が載ったり
朝のワイドショーや夜のニュースでもとりあげられ
フジテレビでは追悼番組が流れ
本当なんだな、と。

フジテレビ、松本公演取材していたなんてグッジョブ!

サプライズで登場したって聞いていたから観てみたかったんだよ~。
手術を目前にしながら出演者全員に秘密にして登場!
いいね~、稚気に富んだまさにサプライズ!

それにしてもつよい。

病気が発覚してからも取材を続け
周囲に気を遣い
事実をまっすぐに受け止めて。

ほんとうに惜しい人を亡くした…


というわけで私も追悼。
ごくごく個人的な思い出を残してみようと思います。

以下、勘九郎=勘三郎さんとして認識願います。

中村勘九郎なるひとに初めて接したのはテレビ番組でした。

歌舞伎俳優としてではありませんでした。
それどころか役者としてでもないという…

クイズ番組で初めて認識したんです。

番組名は忘れましたけど
「5択をならべて」ってコーナーのあるクイズ番組。
歴史クイズでした。
原田大二郎が司会か共演していた、ってことしか思い出せない~。

博学でね~、いろんなことを知っていたんですよ。
当然、正解率が高くて「このひと、頭いい!」と注目していたんです。

表情が豊かで
正解したときの得意げな表情
不正解だったときのそれを認めない負けず嫌いな一面(笑)
見ていて楽しくなるひとでした。

このひと何者? と思っていたら
母に「歌舞伎役者だよ」と教えてもらったものの

カブキヤクシャって何?

母、困惑(爆)
隈取とか鏡獅子とか乏しい知識を総動員して説明してくれたのですが
そもそも子どもには隈取がわかんないし
鏡獅子も「新春かくし芸」でしか見たことなかったから
どうにもこうにもピンとこない。

わりと長い間カブキヤクシャは江戸時代に詳しい人、という認識でした。

そのクイズ番組が終了してからは
中村勘九郎という名前に接する機会がなくなり
しばらく間があいた平成12(2000)年8月

ついに歌舞伎役者・中村勘九郎に出会うことになるのです!

それも奇妙な縁によって。

映画の前売り(何の映画かは忘れた)をゲットしようと
新宿の金券ショップを冷やかしていたときに
偶然みつけた「納涼歌舞伎」のチケット引換券。

歌舞伎なのに妙に安かった(たしか900円)ので興味を惹かれたのです。

友達と「行く?」「行ってみたい
けど私、学校の授業で観たとき寝たよ…
誰がでるんだろ?
いや、そもそも歌舞伎役者よく知らないんだけどさ
“納涼”だから怖い話なんじゃない?
それなら寝ないよね?!

と、演目も誰が出演するのかもわからない状態で購入
あぶないぞ、納涼=怖い話とは限らない! と今なら思う。
なんだったんだろ、あのテンション(笑)

どこかの新聞社が配っていた引換券を
転売した誰かのおかげで店頭に並んでいたようです。

引換券だから劇場で当日券に引き換えないといけません。
当日券がどのくらいあるのかもわからないので
2時間近く前に歌舞伎座へ行き、ならんだ若き日のワタシ…
偉かった!

そして引き換えたチケットは
勘九郎主演の『東海道四谷怪談』!!

友達と「四谷怪談だったらいいよね~」と話していたのでビックリ。

しかも江戸時代に詳しいカブキヤクシャ中村勘九郎主演!

ワクワクしながら、いざ座席へ!
座席は3階A席でした。
ほんらいなら3階B席だったところ
劇場の人に
「プラス〇円(いくらか忘れた)払えば見やすい席になりますよ」
と、唆され…いや、勧められ
どうせみるなら、とグレードアップ。

その甲斐あってとっても楽しい舞台を堪能。
もちろん寝ませんでしたよ!

あらすじは知っていたのでわかりやすかったし
早変わりや仕掛けもいっぱいだったので目が離せない!

と言いたいところですが
早変わりに関しては
あまりに早くて早変わりだと認識せずに観ていました(オイオイ)

観終わってから
「あれ、同一人物」と教えてもらう初心者まるだしな観客でした。
でもそれを信じないワタシ。
ええ、そんな時代もありました(遠い目)

当時のすじがき引っ張り出して見てみたら
直助役が“八十助”になっている!
わー、現・三津五郎さんですねー。
そういえば八十助だった。

ちなみに勘九郎さんはお岩さん・小平・与茂七の3役。
お袖さんに福助さん
伊右衛門橋之助さん
お梅ちゃんに芝のぶちゃん
宅悦弥十郎さん(“弥”で合ってます)
宅悦の女房おいろ小山三さん

…今ならもっと役者に注目して観たい配役だっ!!

ともあれ、これがきっかけで年に2・3回
歌舞伎を観るようになって
贔屓の役者のひとりに勘九郎の名前があったのはもちろんのこと。

そしてまた転機が。
2003年6月
コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑です!

初演がめちゃくちゃ面白かったという評判を聞き
急遽チケットを確保して観に行ったこの歌舞伎でどっぷり浸かることに。

平場席で観たんですが
あのラストシーンには思わず立ち上がる盛り上がり!

面白かったー。

あの感動があったから
一時期毎月のように歌舞伎を観るようになったんですよ。

いろいろ面白い歌舞伎を観ましたけど
思い返してみると『夏祭~』のあの楽しさを体験したから
歌舞伎に夢中になったんだなぁ
と思うんです。

そういうひと、多そうだなぁ。
勘九郎時代の勘三郎さんを観て歌舞伎の楽しさを実感したひと。
ベタですみません(笑)

そう考えると本当に偉大なひとでした。
歌舞伎の敷居を下げ、間口を広げた最大の功労者。

意外な劇場での歌舞伎公演
外部の演出家との新しい演出で古典歌舞伎公演
いろんな脚本家と組んでの新作歌舞伎公演

「おもしろそう!」「観てみたい!」と思わせる企画を実現させつづけ
観客を惹きつけ
舞台から観客を魅了し続ける稀有な役者でした。


勘三郎さんを亡くした翌日に舞台に立った息子ふたり。
偉い。

その口上の

父を忘れないでください

の言葉に全力で
忘れないよ!! と応えました。

だって私と歌舞伎を引き合わせてくれたひとだ!
そして夢中にさせてくれたひとだ!

きっと天上界では常設の中村座を作って
舞っていることでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。
 

大江戸りびんぐでっどってゾンビ話だったのか~

観劇:2009年12月23日 (3階席4列目端っこ)
会場:歌舞伎座

久しぶりの歌舞伎座。納涼歌舞伎以来です。
うーむ。中村屋が関係しないと来てないってことですか?
まぁ、そういう楽しみ方もありますよね!

最近は忙しさに負けてロクに下調べもしないことが多いのですが
今回はその最たるもの!
何しろ『大江戸りびんぐでっど』以外の演目を知らずに見参ですから(笑)


操り三番叟(あやつりさんばそう)

おお! この演目は亀治郎さんの三番叟で拝見しましたよ!
あれは面白かった!! その時の感想はこちら 1回目2回目

今回の三番叟は勘太郎さん!!
これまた期待が高まります。

三番叟登場前に獅童)と千歳鶴松)の踊り。
鶴松くんは大きくなりましたね。
将来有望な役者さんを観られるのは望外の喜び。

すっきりした後見松也)が登場していよいよ箱からお人形の三番叟!
あー、やっぱこの演目好きだー。
人形ゆえに足音はたててはいけないの?
すっごく軽やか!
後見のリズムともばっちりあっています。
はー、勘太郎さんの踊りはキレがあって実に好みです。


新版歌祭文 野崎村(のざきむら)

ええと、大江戸りびんぐでっどへ英気を養うため
記憶が途切れがち…(つまり寝たのだ!)
あらすじだけ載っけておきます。

野崎村に住む娘お光福助)は、父の久作彌十郎)の養子で、かねてから慕う久松橋之助)との祝言が、決まったので嬉しさを隠せない様子。久松は武家の子息でしたが、家名が断絶となり、縁のある久作にお光と兄妹同然に育てられ、大坂の質屋、油屋へ丁稚奉公に出されていました。久松は油屋の娘、お染孝太郎)と恋仲となりますが、店の金を盗んだと疑われ、久作の家に戻されていたのです。
 そこへ、お染が久松に会いにやってきます。お染は久松と添えないなら自害すると言い久松も心中を決意しますが、久作が別れるよう親身に諭すので、二人は別れを決心します。久作が久松と祝言を挙げさせようとお光を呼ぶと、お光は尼の姿。二人の覚悟を知り、お光は自身が身を引く事にしたのです。後を追ってきたお染の母、後家のお常秀調)に、店に戻ることを許された久松とお染が、大坂へと帰って行く姿を、お光は涙ながらに見送るのでした。


おや? 久松とお染、お店にもどるんですよね?
なんでバラバラに帰るんだ??
なんて考えていますがラストのお光ちゃんの慟哭に泣かされそうになりました。


新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

もう何回目だろう??
若干、見飽きた…(酷っ)
今回のキャストは以下の通り。

山蔭右京:勘三郎/太郎冠者:染五郎/奥方玉の井:三津五郎
侍女千枝:巳之助/侍女小枝:新悟


大江戸りびんぐでっど(おおえどりびんぐでっど)

りびんぐでっどの意味を全く知らなかったのですが
どうやらゾンビを指すらしい…
ってことが舞台開始早々にわかりました。
というわけでゾンビのお話でした。

そして良くも悪くもクドカンの作品。
流血アリのスプラッタ歌舞伎に仕上がっておりました(笑)
歌舞伎を期待して観ると面食らうでしょうが
クドカンの作品を観るつもりでみると納得できました。

ゾンビや吸血鬼など海外のモンスターにはあまり理解がないので
ゾンビの定義がわからないのですが
ゾンビって人間が好物?
死んでいるんだから食べなくても平気な気がするんですが
人間を襲うのは本能?
食べられた人間はゾンビ化するの?
仲間を増やすために襲うの?
なんだかよくわからないのでゾンビの部分はテキトーに流しました。

しかし、ゾンビといえば!
スリラーですね!!

なんてタイムリーなの~!
映画を観た私にはゾンビたちが踊るだけで愉快に。
踊ってんのは歌舞伎役者だし。
途中、ゾンビではないはずの勘太郎さんが
フリを完全にコピーしていたのには拍手喝采。
ゾンビ踊りに参加できなくて寂しかったのね…(笑)

あらすじは

つれいあいの新吉勘三郎)を殺害されて残されたお葉七之助)に
横恋慕した半助染五郎)が秘伝のくさやのタレとともに横取り計画。
そこへくさやのタレによるゾンビ問題が浮上。
人を襲い、続々と増えるゾンビを有効活用しようと
派遣会社を立ち上げる半助。
不平を言わずに安い賃金で働くゾンビの需要が増え
職にあぶれる人間たち。
そのうちゾンビに自我が芽生え
人間とゾンビ、生者と死者の違いはなんだろう?
という深遠なテーマに行きつく…

ような感じでしょうか(大袈裟風味なあらすじ紹介)

それはさておき
さっそく着ぐるみが登場して
その最中、楽しくてしょうがない様子の染さんと亀蔵さんとか
気になるキャラ造形の四十郎三津五郎)とか
やたら弱っちい役人・根岸肥前守彌十郎)とか
出番少なすぎる石坂段右衛門橋之助)とか
頼りなさすぎる若様鶴松)とか
なんでか対になる扇雀さんと福助さんの女郎対決とか
ボーナスで小三左さんの登場とか
馴染み過ぎて途中まで気がつかなかった猿弥さんとか
最後まで気付けなかった市蔵さんとか
『狐狸狐狸噺』に続いて歌舞伎に参加の井之上隆志さんとか
PARCO歌舞伎に続いて大工の役の勘太郎さんが恐竜の棚を作るのかどうかとか
染五郎&勘太郎に続いてお梅さんだった萬次郎さんまでいるなんて
PARCO歌舞伎を思い出す~とか
いろいろ見所がありました。

しかし最大のポイントは和尚実は死神の役の獅童さん。
死神の役なら獅童さんにお任せですよね!
だってリュークだし(爆)
『DETH NOTE』に登場する死神
それに死神繋がりで落語の死神の話も織り込まれていて
あの場面はいろいろ凝っている。
死神が枕元にいると死んで、足元にいると助かるって話は落語ですよね?

そして何よりゾンビ俳優の亀蔵さんが大活躍!!
与兵衛という役名ですが、ゾンビ期間のほうが断然長かった!(笑)
なんかもー、ゾンビで違和感ないんだもんな~。
ああ、楽しかった。
クドカン、亀蔵さんの使い方わかっているね~。
亀蔵さんがウーマンリブの公演に出演する日も近い?!

生者と死者を分かつもの、それは…

子孫を残せるかどうか、という結論みたいでした。
いや、その前にいろいろ問題はあると思うのですが
まぁ、死んだはずなのに考え動けるゾンビという存在を認めると
そういうことになるのかな?

ヒトリモンにはツライ結論でした。
すいません、生きながらにしてゾンビ化してて…(苦笑)

ウチくる!? に勘太郎さん

勘太郎さんがゲストってことで観たのですが
更なるゲストに亀治郎さんも御出演!!
ナイスだ!!

にしても…そのナリはどーした?!(爆)

なんだか不審な人物が画面の隅っこに映っているが…もしや??
と思ったら、まさかの亀治郎さんですよ!

何やってんすか?!

と驚愕した勘太郎さんに同感です。
でもあの驚き様が面白かったのでいいぞ、先輩!
と喝采を送ります。

その後も酔っ払ってんのか? と疑いたくなる大暴走。

そんなに仲良くない
コミュニケーションあまりとらない
遊びっぷりについていけない
ご祝儀は誰が一番くれた?

返事に困るコメントの連発。
勘太郎さんは押されっぱなしでした(笑)

だけど浅草歌舞伎開始1・2年目はなかなかお客さんが入らなくて
来年からはやらない」と言われた時に
直談判に行って今に至る、というエピソードに感動。
ただ継続・定着させただけでなく、大入りにしたんですから!
その 負けず嫌い根性 …やるからには結果を出す気持ちが大好きです。

と、感動モードに入ったとたん染五郎さんからメッセージ。
開口一番「大丈夫ですかー?」と(爆)
大丈夫じゃないよ、いろいろと。スゲーな、お見通しか!
ここでもやっぱり弄られちゃう勘太郎さんでした。

イヤホンガイドのガイドのポジションを狙うというクボジュンに
歌舞伎検定を受けていただいて…」とすかさず検定をアピールする大使!
抜かりないな! さすがです!!
でも「自分たちは受けない」なぜなら「どうせ受からないから」って(笑)
いやいや、受けなくても存在が歌舞伎ですから!

暴走気味な先輩は退場して
その後も勘太郎さんがお薦めの店が紹介されたのですが
飲み関係ばっかりだ!
凄い飲むんだなぁ。
だいたい冒頭で紹介したお煎餅も「酒のつまみにぴったり」だったし。

それにしても自らを「ひとみしり」と評したことにビックリ。
そうなの?
どっちかって言うと奥さんの方がそんな感じなのかと思ったら
ワイワイやるのが好きって…
意外でした。

跡継ぎに関しても
自分の子供ということで出演するのなら生半可なことでは許されない
恵まれているからより真面目に懸命に

と考えているのが好印象。
そうですね。そうであってほしいと私も思います。

そして同級生たちは素敵だな~!
イイ感じに酔っ払ってて(笑)
本当に仲がいいのが伝わってきました。
あの手紙にはじんわり泣かされました。
そして束に対して書かれた部分が少ないことに笑いました。

2009納涼歌舞伎 第二部

観劇:2009年8月23日(3階5列目上手寄り)
会場:歌舞伎座

『豊志賀の死』はどうしても観たかった!
だって前回(と言っても数年前)観たとき
すんげ怖くてめちゃくちゃおもしろかったんだもん!


真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)*豊志賀の死

あらすじを知りたい場合は
菊之助さん主演の映画『怪談』を見るとよいでしょう。

原作は同じです。
この『豊志賀の死』よりも詳しいいきさつがわかります。
それでも端折っているのですが…因縁に次ぐ因縁で結ばれたお話なのだ。
本当はメチャクチャ長い話です。
これを落語で口演したという三遊亭円朝さんはタフだと思います。

豊志賀福助)の顔の崩れっぷりが半端じゃありません!
そりゃあ新吉勘太郎)じゃなくとも尻込みしてしまいますよ。
過去に愛があったとはいえ、あの御面相では…
それに豊志賀さんたらねちっこいんだもの。
あれはいけないぜ。

しかし「怖いんだよ~」と大声で断言してしまう新吉のへたれっぷりも
よくないですね。
割と考えを垂れ流しにしてしまう迂闊なところがある人なんです。

なんて文句垂れていますけど、そんなところが面白い話なのでOKです!

歌舞伎はこのあたりトコトンやってくれるから笑えるんです。
あいにく映画のほうは…ちょっと物足りなかったかな。
私はトコトンやってくれる歌舞伎のほうが好みです。
怖いんですけどね、ワクワクするんですよ。
怖いと楽しくなるんですよ!

歌舞伎役者って演技うまいよね、と当り前で基本的なことがわかる演目です。


新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)

松羽目ものです。舞踊です。
私はいつも静の舞でうとうとし、船頭たちの場面で覚醒します。
今回もそうでした。…成長しないなぁ(苦笑)

豊志賀とは打って変わって凛々しい源義経福助)が
家臣の亀井六郎松也)・片岡八郎巳之助
伊勢三郎新悟)・駿河次郎隼人)とともに大物浦に。
先に来ていた武蔵坊弁慶橋之助)の説得で
静御前勘三郎)を都へ帰すことになり、私撃沈の静の舞。

4人の家臣が見分けつきますよ!
大物すぎると見分けがつかなくなる心もとない知識の持ち主なのもので…
今回のように若いキャストのほうがわかったりして(笑)

さて、お楽しみ!
舟長三保太夫三津五郎)と、舟子岩作高麗蔵)・浪蔵亀蔵)たちによる
私覚醒の舟唄の舞(そんな名前ではないはず)。

楽しいんですよね~。
毎回ウキウキします。


そしてお待ちかね! 怨霊登場!!
平知盛の霊勘三郎)出現です!!!
大暴れいたしますが、弁慶の一心不乱なナムナムに退散~。

毎回思うんだけど、この演目は3階席では駄目だと思う。
だって花道が見えないんだもの。
知盛の霊のひっこみは花道をガッツリ使います。
観た後に気付くんですよね~。花道全滅だよ! と。

2009納涼歌舞伎 第三部

観劇:2009年8月19日(3階10列目)
会場:歌舞伎座

平日の18時開演。
昨年、余裕で間に合った記憶があったので
今年も仕事帰りに見参。
余裕ぶっこいて途中でお弁当を買うという暴挙に出たら遅刻気味に到着。

まもなく開演です」と言われながらチケットをモギられ
慌てて一階ロビーを疾走。
ええ?! 昨年と何が違うの???
わあ~、幕が開いたっぽい!
なんだかびゅうびゅう風が吹いている音が聞こえます。
どうやら昨年は18時15分開演だったようです。

あれ…タイトル違うけど松竹座で観た『吹雪峠』と同じ話だろうか?

タイトル違ったら別の話だろう!」ソッコウ脳内ツッコミ。
慌てるとロクな考えになりません。

ドカドカ階段を駆け上がりゼイハアしながら3階ロビーに到着。
あああ~、若いおにいちゃんの声で台詞が聞こえてきた~。
よく通る声だな~。ロビーでも聴き取れそうだよ。そんな余裕はないですが。

座席に一番近い扉から入ろうとすると向こう側から
係の人が「ご案内します!」とすっ飛んできました。
ああ、助かります。
係の人について扉をくぐると真っ暗。こりゃ、案内ないと無理だわ。
ようやく着席できました。


お国と五平(おくにとごへい)

舞台上には
闇討ちにされた夫の敵を討つため後家のお国扇雀)と
その中間・五平勘太郎)がススキ野原で一休みの最中。
そこへ謎のストーカー虚無僧が現れて…

登場人物がめっちゃ少ないお話でした。
セリフも普通。チラシで確認したところ谷崎潤一郎の作品だそうな。

耽美的な男女の情念を描く谷崎潤一郎作の舞台をお楽しみ下さい。

って書かれていました。
ひぃ~っ! 私の苦手な耽美ですよ!!
これを事前に知っていたら構えてしまったでしょうが
知らなかったので問題なしです。
つか、あらすじも配役もあやふやなまま見てしまったので一苦労(苦笑)

そんなわけで二人の状況もよくわからないまま観はじめて
五平とお国の会話の中から旅に出ている事情も徐々にわかり
ああ、敵討ちの話なのね。
そんなのんびりしていていいのかいな?
主従関係の二人のはずなのにやけに親密…?
手当てのためとはいえ
武家のご婦人が素足を男性に素足をさらすってアリなのか?
まぁ、夫の仇を討つために協力してくれている中間ですからね
そりゃあ信頼関係が篤いんでしょうね??


てなことを考えながら観ていると
二人には聞き覚えのある尺八の音色が徐々に近づいて参ります。
慣れぬ旅先でお国が伏せっていたころから
ずっと周辺をうろついていた虚無僧が追い付いてきたようです。

もしや、虚無僧=夫の仇…?!

とお国は心配します。
ハ? おかしくありませんか?
夫を殺した仇が逃げるならともかく追ってくるってありえない!


しかしこの予想が大当たり!
虚無僧は夫を闇討ちした張本人・池田友之丞三津五郎)だったのだ。

あとはこの人がべらべらとよくしゃべる。
なぜに闇討ちするに至ったかを話し、命乞いまでします。
ええい! 往生際の悪いっ!

でもまぁ、ありそうなお話でした。
仇討ちに疲れ諦めて別の土地でやり直そうと考えたり
闇討ちの動機が横恋慕だとか
武士のくせに剣術が苦手で心構えもできていないとか
命乞いをされて仇討ちの決意が鈍ったり
死ぬんなら全部バラしてやれとばかりに暴露とか。

これが耽美というものなのか…?
客席からはやたら笑い声があがっていましたけど
そこは笑うところ?
かなり悲劇だと思いますけど。
悲劇も度を超えると笑えるものですが、それとも違うような(悩)

おもしろかったんですが、どうにも楽しみ方のわからないお話でした。
やっぱ耽美は難しい~。


怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
  中村勘三郎四役早替りにて相勤め申し候

どこを切っても勘三郎!(爆)
勘三郎さんオンステージなお話でございました。

三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺でございます。
これは数年前の納涼でも拝見いたしました。
あの年は同じ月に演舞場で新感線が『アテルイ』を上演していて
毎週のように東銀座界隈に出没したんですよね、私が(笑)

そういえば勘太郎さん・七之助さん・獅童さんが客席にいて
ぎゃ~!! とテンションが上がったこともありました。
でもその日は歌舞伎座の『乳房榎』は楽日の真っ最中。
父上たちが仕事中でも自分の出番が終わったら解放されるのか~
と感心した次第です。歌舞伎って割と自由ですよね。

さて、その年の『乳房榎』と比べると
なんかちょっとずつ違った気がするんですが
それは記憶違いなのか本当に違うのか判断できないので(苦笑)
ここは絶対違った! という点を。

ラスト! あの口上ではなかった!! …と思います。

ずーっと、疑問だったんですよ。
“中村勘三郎役早替りにて相勤め申し候”ってのが。
4役ってなんだ? どう考えても3役でしょう??
その謎はラストに明らかに。

まさかねぇ、4役目の姿で口上があるとは思いませんでした。
そしてまさか大事なタイトルを噛むとは思いませんでした(爆)
『怪談乳房榎』と言うべきところ、ちょっと詰まったんですよね。
しばしの間があったあと、思いだしたようで事なきを得ましたが
すぐに「『怪談牡丹燈籠』って言いそうになりました」と自己申告がありました。
ははは。それも円朝さんの作品ですけどね~。

現在の歌舞伎座がさよならすることについても面白おかしく話してくれて
さよならさよならとあと8か月、とか
お客様もあちらがわに行かないようにと念を押されました(笑)
今年で20周年という納涼も建て替えの間はお休みするそうで
さびしい限り。

ちなみに前回のラストは『乳房榎』の謎が明かされました。
乳のような樹液が出る榎に育てられた真与太郎ちゃんのエピソードで幕
だったと思います。

…ところで真与太郎って名前は音で聞くと
マヨネーズ大好きな子みたいな名前に聞こえて仕方ないです(苦笑)

以下、あらすじを載っけておきます。

絵師菱川重信勘三郎①)には、美貌の妻お関福助)と、生れたばかりの真与太郎がいます。偶然にお関と知り合い、ひと目惚れした浪人の磯貝浪江橋之助)は、重信に弟子入りします。重信はかねてから頼まれていた高田南蔵院の天井画を描くことを決め、依頼に来た千住茂左衛門亀蔵)と万屋新兵衛(家橘)と共に出立します。
天井画の完成が間近となったある日、浪江は旧臣の蟒三次勘三郎②)に再会します。旧悪を知る三次に金を渡して追い返した浪江は、重信を殺してお関を手に入れようと下男の正助勘三郎③)を脅して、その殺害を手伝わせます。殺された重信は霊となり、住職雲海彌十郎)らを伴って南蔵院の本堂に現れると、画を完成させて煙と共に消え去るのでした。悪業を隠してお関と夫婦になった浪江でしたが、今度は、正助に四谷角筈十二社の滝壺へ真与太郎を棄てに行かせますが…(歌舞伎座HPより)

2009年のコクーン歌舞伎『桜姫』

観劇:2009年7月21日(椅子席)
会場:シアターコクーン
脚本:四世鶴屋南北
演出:串田和美


先月の現代版『桜姫』を観て  感想はこちら 現代版『桜姫』
2005年のコクーン歌舞伎で上演された『桜姫』も観ました。
感想は…たぶんどっかにあるはず。
ですが、まだ移動させていません。
今は面倒なので(←コラ!)そのうちに…

そうそう。
2005年より前(だったはず)の歌舞伎座の通しも観たんでした。
玉さま&澤瀉屋の!
段治郎さんの清玄・権助二役で!
『桜姫』として私の記憶にインプットされているのはこの時の舞台です。

あら? そう言えば、会場でチラシを貰えませんでした。
自主的に取りに行かねばならなかったのでしょうか?
私もすっかり忘れていましたが(苦笑)


桜姫

おや、客席が最初から舞台をぐるりと囲んでいる。
おお! 舞台真上の照明がまるで国技館!!
これは椅子席で引いて見られたための発見かも。
実際、ベンチで観た現代版の照明がどうなっていたのか思い出せない…
空みたいになっていた…??

改めてワタシは歌舞伎が好きなんだなぁと実感した舞台でした。
だって
現代版より断然、面白かったんだもん!!

いきなり舞台後方の客席に
白菊丸七之助)と清玄勘三郎)が登場して
心中未遂(というか失敗)をするところからさっそくテンション急上昇!
いつもなら舞台の向こうに飛び降りるけど
こっちに向かって帯び下りるだけでドキドキ感が増しますね!

で、どうするのかな? と思ったら
口上笹野高史)登場ですよ。
遅れてきたお客さん(けっこういたのだ)をイジリながら軽快トーク。
この口上は前回のより楽しいです。
単に私が笹野さんを好きってのもありますが(笑)

そこへ紹介方々現れた登場人物
清玄・桜姫七之助)・残月彌十郎)・長浦扇雀)たちが
身分に応じた高さの可動式壇上にそれぞれ座っています…?
おや? 黒衣はどこに??
え! 本人が動かすのかい!(大笑)
優雅に泳ぐ水鳥の水面下では大変なのよ、って話を思い出しました。

存在をすっかり忘れていた桜姫の許婚・悪五郎亀蔵)が
結構話に絡んできてビックリ(酷)
手が開かないから破談って、生まれつき開かないんだから
そもそも縁組みすんな!
」というのはもっともだと思います。

そんな悪五郎と手を組んでいる権助実は信夫の惣太橋之助)。
そうだ。そうだった。
あれー? 基本的な設定を忘れていたんだなぁ(苦笑)

特筆すべきはやはり、本来なら一人二役の清玄と権助が
別々の役者によって演じられたこと
でしょう。
早替わりがなくなってしまった…
けどその分、お話に集中できるようになっていました。
実際に集中して理解できたかは個人差があると思いますけど(苦笑)

二人が別々に演じることになったのに
二人で一人、な印象が強くなりました。摩訶不思議。
それはなぜか、と答えられればいいんですが…よくわからない。
善と悪、裏と表な二人だったな、と。

そして、桜姫!
この人の変更が一番大きいのかも。
本来なら権助と子ども、両方とも成敗して決別。
敵討ち完了! お手柄、桜姫!! と大団円な物語なのに
今回の桜姫の行動は違いました。

悩みながらも権助のことは手にかける桜姫。
けれど、子どものことは殺せないのです。


その子と共に吉田家にもどり、子どもを抱いた桜姫を中心に
弟の松若と家臣一同再集結。
まちがいなく大団円なのですが、その桜姫の表情は…
それに音楽が暗さを抱えたものだったのでどこか不穏な感じを受けます。

なんだろうな~?
その前に桜姫から飛び立った桜玉(?)は魂だったのかな?
悟ったようにも見えたし、虚脱しているようにも思え…
華やかななかにも空虚さが感じられるエンディングでした。

さて、現代版と比べると
…あんまり覚えていないし、理解できていないので断言できませんが
逆さ鏡のような仕掛けになっていたようです。たぶん。

現代版ではマリアが死に、セルゲイ&ゴンザレスが生き残り
歌舞伎版では桜姫が生き延びて、清玄&権助が死亡。
長浦と残月も、現代版では死んで、歌舞伎版では放逐されるのみ。
子供は…歌舞伎では生き残りましたけど、現代版はどうなったんだっけ?
そもそも実在していたのかどうか(悩)

そんな中、一番興奮したのがブルーハワイ!!
もともと歌舞伎版にも存在したのだ!
気付いたときには吹き出すのを堪えるのが大変でした。


もう一度現代版と歌舞伎版を見比べたいな~。
そうすれば、もっと発見ができると思う。たぶん。

桜姫 現代版

観劇:2009年6月23日(イチかバチかのベンチ席)
会場:シアターコクーン
原作:四世 鶴屋南北
脚本:長塚圭史
演出:串田和美


なんとなく放置していたら7月に突入してしまいました。
一応、感想を。

ベンチっていうから「どんな?!」と心配していましたが
まんまベンチってことはなかったです(当然だ)
しかし背もたれが低いのと幅が狭いので窮屈でキツかった…

舞台セットはなんていうか「狼少女ジェーン?!」でした。
大河演劇マンガ『ガラスの仮面』にて舞台を自由に組替えて
 演出したお芝居があるんです。それを思い出したわけです。

そしてまさかの最前列!
正面ではないけど最前列!!
やばいよ、どうしよう……寝れないじゃん(寝るなーっ!)
ちなみにパンは貰えませんでした。

『桜姫』だとわかっていたのに、アタマに浮かんでいたのは『三人吉三』
うわー、違う話じゃん!
それに気付いたのが始まってから、という体たらく。
必死で『桜姫』のあらすじを脳内で検索しましたが
芝居はどんどん進んでゆくのでした…

間違えていたことを棚に上げて言いますが
元ネタの歌舞伎版を先に上演してほしかった!!
そのほうが混乱しないと思うんですけど… ←ワタシが(笑)


桜姫
  ~清玄阿闍梨改始於南米版(せいげんあじゃりあらためなおしなんべいばん)


これはまるで翻訳劇のような…

なんともとっつきにくい話になっていました。
翻訳モノはニガテな私には悲劇!

あー、稼動する座席は面白かったです。
コクーンの舞台ってスゴイな。
でもあの席で観劇するのはちょっと怖いかも…(苦笑)


以下、よくわからないままの感想なので、あしからず。
わからないのにダラダラ続くので隠します。
 

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赤坂大歌舞伎

観劇:2008年9月11日(2階7列目センター)
会場:赤坂ACTシアター


先日「歌舞伎熱低下中」と言った先からまたしても歌舞伎を鑑賞。
だってチケットを押えた時はこんなことになっているとは思わなかったんだもん!
以前に拝見して面白かった演目ばかりなのでなんとかなるでしょう
と、会社帰りに参上。

リニューアルしたACTシアターはこれが2回目。
そして初めての2階席。
席は7列目ですけど、通路を挿んでしきり直しの1列目だったので
見やすいに違いない」という目論見で選択。
実際に座ってみると
壁が意外に高い!」「通路を挿んでいるのに前列の人の頭が視界に入る!」と惨敗。
まぁ、こんなこともあるよね。

気を取り直してチラシをチェック。
お、来年のACTシアターは新感線公演が目白押しです。

INOUE☆SHAKESPEARE『リチャード三世』
日程:2009年1月19日〜2月1日
作:シェイクスピア
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太・安田成美・榎木孝明・大森博史・三田和代
   銀粉蝶・久世星佳・若松武史・藤木孝 ほか
チケット11月下旬発売予定

INOUE-KABUKI『蜉蝣峠(かげろうとうげ)』
日程:2009年3月13日〜4月12日
作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太・堤真一・永作博美・勝地涼・木村了・梶原善
   橋本じゅん・高田聖子・粟根まこと ほか

うふふ。楽しみです


江戸みやげ狐狸狐狸ばなし

作・演出:北條秀司
演出:奈河彰輔
美術:中嶋八郎

ああ、花道を創れない劇場なんですね?
階段が設置されていました。
そして話が進むとわかるんですが、盆がない(のか?)舞台みたいで
セットがじりじりと横移動したり後ろから移動したりしていました。

しかし冒頭、セリフが聞き取り難かったんですけどあれはどういうことだったのか?
私の耳が悪かったの?
そのうち聞き取れるようになりましたけど。

ノンダクレ女・おきわ扇雀)は昼間から酔っ払い。
そこへ坊さんの癖にニワトリの死骸をぶら下げて生臭坊主・重善段治郎)登場。
おきわは人妻ですがこの重善とデキています。不倫です。
その重善に資産家の娘であるウシ娘・おそめ亀蔵)との縁談話が。
それを知り激怒したおきわ、「一緒になりたいなら旦那を殺してこい」という
重善の言葉を真に受けてしまいます。

坊主のズラだと段治郎さんの顔の小ささが際立ちますね。
けっこう体を張る舞台で
段治郎さんは転がされたり押し倒されたり舐められたりひっくり返ったり大忙し(笑)
しかもかなりのナルシスト。
「オレは色男だから 」と大見得きりましたよ!
でも相手は“べろべろ舐めるウシ娘”と“悋気のカタマリ粘着質のおきわ”だけどな。

さて、そのおきわの旦那、ヘビ男こと伊之助勘三郎)。
家事全般を一手に引き受けて甲斐甲斐しく働いています。
いい旦那じゃないか、元上方の役者だけあって白塗りで怖いけど(笑)

どうやらおきわの浮気を承知している伊之助、小言もいいますが
おきわが自分のところに帰ってきてくれればそれでいい、と諦めている様子。
その伊之助に毒を盛り、首尾よく殺し、逃亡を図るおきわと重善の前に
死んだはずの伊之助が現れてから事態は急展開!
その後、話は頭の弱い雇い人・又市彌十郎
重善の寺の寺男・甚平井之上隆志)も加わって物語は二転三転するのでした。

このお話はタイトル通り
狐と狸の化かしあいなのでオチは言わないでおきましょう。

ん?? 甚平役の井之上隆志さんが誰だかわからない…
歌舞伎役者ではないですよね? 調べてみよう!

ほうほう。“カクスコ”という劇団の役者さんですか。
劇団自体を見たことないのでよくわかりませんな。
あ、過去に演舞場の公演で勘三郎さんと共演されているんですね。
なるほど。そういうご縁ですか。
お、10月2日のスペシャルドラマ『夢をかなえるゾウ』にもご出演だそうです。
このドラマは楽しみです。だって古田さんが“ゾウ”だから!

怪しげな寺男でございました。
コイツ、なんかあるな。と思える胡散臭さ(誉めています)が漂っていました。

あとは又市のぼんくらぶりに笑う。
あんな役やらせたら彌十郎さんはピカイチ ですな。
大きなカラダにあの拵え、それだけでも笑えます。

あ、意外に亀蔵さんの娘姿はOKでした。←え?(笑)
あれはあれでかわいいのではないかと思うのですが…


棒しばり

岡村柿紅 作

これは何度目だかわからないくらい観ている演目です。
だから観る前までは「もういいや…」と食傷ぎみだったんですけど
観始めたら夢中でした

用事で外出することになった大名亀蔵)が留守のときに
召し使い二人が酒を盗み飲みするのを心配して一計を案じます。
太郎冠者七之助)と次郎冠者勘太郎)を縛り上げて外出。
しかし、酒を飲みたい二人は一致団結!
しばられたままの姿で創意工夫の嵐。それは見事なチームプレーでございます。

あらすじはこんな感じの他愛のないお話です。
とにかく太郎冠者と次郎冠者のコンビネーションが楽しい
お酒を手に入れた時の嬉しそうな顔を見るとこっちまで嬉しくなります。
存外、足癖の悪い御曹司を見られます(笑)


しかし、この2つでこの値段(S席13,500円・A席8,000円)は高くないですか?
会社帰りに寄れるような時間設定は嬉しいんですけど。

納涼歌舞伎 第3部(楽日)

観劇:2008年8月27日(3階6列目センター)
会場:歌舞伎座

納涼第3部、2回目でございます。
そして千穐楽
カーテンコールには演出の野田さんが客席から引っ張り上げられました。

その演出家に衣裳の裾を踏まれてすっ転びそうになる主演俳優(笑)

そして主演の勘三郎さんとふたりで鳴り止まない拍手に対しての挨拶を押しつけあい(笑)
ジャンケンして負けた勘三郎さんが「負けてしまいました」と観念して一言くれました

その後ろではかなり前半で出番が終わってしまった勘太郎さんたちの姿も
おお、衣裳を着たまま待っていてくれたのですね!
で、なんですか。
背後からメインの役者たちをパチリとフラッシュ光らせていますけど

みなさま、お疲れさまでした。
来年も楽しみにしています

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納涼歌舞伎 第2部

観劇:2008年8月16日(3階11列目中央下手寄り)
会場:歌舞伎座

これまでのあらすじ。
待ちに待った納涼歌舞伎。大それた1部2部の連続観劇を目論んだワタシ。
しかし、灼熱地獄が待ち受けていたのだ!!


そんな第1部の詳細はこちら 納涼歌舞伎 第1部

つまり客席が暑くて、その暑さにすっかりバテてしまったわけです。

1部と2部の合間にちょいと外へ出て“アセロラティー”を買って再び3階席へ。
ひたすら飲む。
アセロラティーって酸っぱいのかと思ったらそんなことはなかったです。
“アセロラジュレ”が入っているんですって。

ジュレってゼリーだよね? なぜにゼリーと言わないのだ??
あとジャムにも変な別名ついているよね。
なんだけ…コンフィチュール? とかなんとか。
あれか、スパッツを言い換えてブームを再燃させた手口と一緒か。

…そんなことはどうでもいいんです うーん

あっという間に飲み干し、ジュレもすくって堪能。
うーん。やっぱり酸っぱくないなぁ。暑さに味覚も崩壊したのだろうか?
氷までボリボリ貪り第2部開幕を待ちます。


つばくろは帰る(つばくろはかえる)

今回、まったく予測不可能だったこの演目。
おもしろいのか、そうでないのか。
はたまた私には向いているのか?!
ちと不安だったのでイヤホンガイドの力を借りることにしました
納涼価格のワンコイン500円でございました。

そのイヤホンガイド、幕前から饒舌です。
原作の川口松太郎先生について語りまくります。
アセロラティーに夢中であんまり聞いていませんでしたが(オイ)。

さて幕が開きました。
セットを見た瞬間「あ、私、これ好きだ 」という強烈な予感がいたします。
もはや確信です。年に1回くらいそういうことがあるんです。
その予感は外れませんでした!

京都まで母をたずねて三千里な安之助小吉)と出会った大工の文五郎三津五郎)。
子どもの一人旅は何かと不自由で危険。
ちょうど京都のお金持ち蒲団屋万蔵彌十郎)に頼まれて
江戸風のお屋敷を建てに行くために京都へ向かっていたところです。
一緒に京都に行くことにしました。
なんていい人なんだ。

弟子の三次郎勘太郎)と鉄之助巳之助)が一足先に京都へ向かって手配の段取り。
のはずが、三次郎さんたら可愛い舞妓さんのおみつ七之助)に一目ボレ。
そのおみつが働く祇園のお店の芸妓・君香福助)が安之助の実母なのです。
もちろん文五郎は探し当て、母子を対面させようとするのですが…

というのがあらすじ。人情話でございます。
なんとも細やかなお話なんですよ。
しかも舞台転換のために暗転している間もイヤホンからガイドが。
真っ暗闇があんなに充実していたことはかつてなかったことです。
いいね! イヤホンガイド!!

みどころの多い舞台でございました。

掏摸お銀高麗蔵)とひと悶着あったあとの場面転換!
ちょっと変わっていました。
あはは。そういうの好きだな~

文五郎が安之助に饅頭をあげた時、なんと、饅頭落下!
慌てて拾う安之助に文五郎がなにか声をかけ、客席から笑いが。
このときイヤホンガイドがなにか話していてよく聞こえなかった~ sc07
空気読んでくれ、イヤホンガイド。 ←そりゃ無理だ(苦笑)
いや、この饅頭を落したところはみどころではないんですが。

京都に向かう途中の宿屋で披露された安之助の歌声に涙を誘われました。
幼い時に別れた母との数少ない思い出。子守り歌を歌ってくれたのです。
おかーさーん!大泣き な気持ちになります。
先月の『高野聖』に続いて歌舞伎座で歌が!

安之助の母が働く“中村”(笑)
七之助のおみっちゃんも働くお店ですがなんという組み合わせ…!
そして同僚がこれまた豪華!
新悟ちゃんに松也さんに芝のぶちゃん(“さん”と“ちゃん”が混在してますな)
きゃあきゃあした華やかな舞妓さんたちです。
ああ、さっき(第1部)の貧乏長屋とえらい違いだ…

文吾郎の弟子の三次郎と鉄之助のコンビがステキ!
面倒見が良くてウブな三次郎と
夢見がちでもやるこたやる鉄之助。
ウブなんですよ!
うもー、もじもじすんなよ! 弟相手に!! ←現実と混じってる(苦笑)
ま、最近ラブコメ好きなのでこんなのもイイんですが。

この二人に可愛がられる安之助。
いい! いいチームだ!!

クレヨン○んちゃんが登場しました。
小僧よし吉宜生)です。
お使いを頼まれた小僧さんなのに妙にふてぶてしい(笑)
あれは、完璧な演技指導の賜物なのか?! 気になるところです。

この物語はいい人ばかりです。
君香が頼りにしている八重菊おしの扇雀)も協力的でいい人だし
極めつけなのが文五郎の雇い主・蒲団屋万蔵ですよ!
君香の借金肩代わりしてくれるなんて!

でも君香に気がかりがなくなってしまうということは安之助との別れということです。
ああ、あんなに懐いていたのに、馴染んでいたのに、お別れなんて!orz
暗転の間に
浮いた宿代の分、食事を豪勢にしていた間の買い物は安之助が担当していて
市場のお店で顔なじみになり、そこで旬の料理を教わってみんなに振舞った
とか
語られちゃったらますます別れが辛いじゃなーい。

もちろん、そのあたりも考えられたラストでございました。
ワタクシ、大満足


大江山酒呑童子(おおえやましゅてんどうじ)

この舞台の美術は串田和美さんによるものだそうですよ。
演出も出演もこなしてさらに美術まで?! 多才な人です。

ラストが意表をつかれました。

以上。

いや、「つばくろ」が長々としてしまったから、これでいいかな、と。
あとはやたら『朧の森に棲む鬼』を思い出したってことでしょうか。
で、以下、結局ダラダラ書いとく。

舞踊劇でした。
源頼光扇雀)をリーダーに
一人武者の平井保昌橋之助)と
四天王・渡辺綱亀蔵)、坂田公時勘太郎)、碓井貞光新悟)、卜部季武巳之助)が
山伏に化けて酒呑童子を倒すために大江山に潜入。
この変装が『勧進帳』の義経と弁慶と四天王にソックリで「あれれ?」と驚きました。

禿な髪型は若さを作り出すね! バランスの勝利か?
妙に幼い酒呑童子勘三郎)です。

…また鬼を退治する話か。共存しようぜ。と眉間にしわを寄せてみていたら
酒呑童子に攫われた濯ぎ女の若狭福助)、なでしこ七之助)、わらび松也)が登場。
彼女たちの証言により悪事が明るみに…
うう、本当に悪いことをしていたのか。
じゃあ退治されてもしかたない、のかなぁ。
この三人娘はいつの間にか消えていたのですが…
ちょっと寝てしまったようです

ここからちょっぴり『朧』話。
この話を見ていてビックリしたのがヤスマサ将軍は強い人なんだな、ということ。
頼光に次ぐポジションですよ。四天王より上なんですよ。そうだったのか…
『朧』ではあっという間に殺されてしまったからなぁ(苦笑)
あ、でも一目置かれていたか、そういえば。
ツナとウラベとサダミツが本当に四天王でシュテンを退治すると。ふむふむ。
碓井貞光と卜部季武がコンビを組むたびに
ウラベとサダミツが…とニヤニヤしたことは内緒です 98666



あ、具合は知らないうちに治っていましたね(笑)
アセロラパワーかなぁ?
なんだったんだ…
第1部の上手寄りの席より第2部の下手寄りの席の方が若干涼しかったので
楽だったからでしょうか?
それでも暑かったんですけどね…空調、あんまり機能していなかったみたいです。

ま、そんなわけで納涼歌舞伎(私は全然“納涼”になってませんが)を
全部拝見したのですが、意外なことに第2部が一番楽しめた、という結果になりました。
いやはや予想外。

第3部の『愛陀姫』が悲劇なだけに笑いどころが少なくて残念でした。
笑えるシーンも私の好みの笑いではなかったしなぁ。
楽日にもう一度観る予定ですが、それまでにテンションをあげておきたいと思います

納涼歌舞伎 第1部

観劇:2008年8月16日(3階11列目中央上手寄り)
会場:歌舞伎座

今回は諸般の都合により無謀にも1部と2部居続けに挑戦!
果たして私の体力・集中力が持続するのか?!


女暫(おんなしばらく)

以前に萬次郎さんの『女暫』を観たことがあります。
それが滅法おもしろかったので今回も期待!

なぜか同じ源氏方の範頼と揉めている清水冠者義高高麗蔵)一行。
許婚の紅梅姫新悟)って大姫のこと?
木曽次郎松也)や木曽駒若丸巳之助)らを引き連れて神妙にしています。

悪役の蒲冠者範頼彌十郎)がお酒を飲んでいる時に
台(?)ごとじりじりと動いたのは楽しかったし
成田五郎市蔵)や猪俣平六亀蔵)を始めとする赤っ面5人組も観られたし
ファンキーなメイクに髪型の轟坊震斎勘太郎)もいたので
敵役も豪華。

範頼方と見せかけて実は義高側だった女鯰若菜実は樋口妹若菜七之助)と
巴御前福助)の
「成駒屋のオネエサン」「中村屋のお七ちゃん」のやりとりもおもしろかったし
手塚太郎光盛三津五郎)がチョイ役なのに妙に豪華なのも愉快。
以降の巴御前、シュパパっと生首散らかす大暴れっぷりも楽しかった。

しかし、オカシイな。萬次郎さんの時の方が面白かった…
期待し過ぎたのか、記憶が美化されているのか。
予備知識ナシに初めて観た時の衝撃の方が大きかっただけなのかな?


三人連獅子(さんにんれんじし)

世にも珍しい父親獅子橋之助)と母獅子扇雀)と子獅子国生)という
獅子ファミリーの連獅子です。
それなりに楽しみにしていたのですが…

実は『女暫』の時から「おや?」と思っていたのですが…
この日はとても暑かった!
どこが? って歌舞伎座の中ですよ!!
それも私の座っている3階席が!

ただ座っているだけなのに肌がしっとり、いや、じっとりしてくる暑さ。
ツライ。これはツライですよ。
あまりの暑さに頭がボーッとしてきます。だんだん意識が朦朧と…。
ええ、白状しますと、この演目の大半は寝ていました。

親獅子が子獅子を断崖絶壁から蹴落とすんだか突き飛ばすんだかすると聞いて
楽しみにしていたのに
気がついたら落ちていた…?


眠駱駝物語 らくだ

幕間に持っていたお茶をガブガブ飲んで水分補給。
ううむ。座っているだけなのに目眩がするような気がします。
もしかして熱射病とか熱中症とかそういう類…?
大丈夫なのだろうか、第2部も続けて観る予定なのに。

結論から言いますと、この幕も7割寝ていました。
うう、客席は大爆笑だったのにそれに完全に乗り遅れたワタシ。

駱駝の馬太郎亀蔵)がフグにあたって死亡して
その友人の手斧目半次三津五郎)が紙屑買久六勘三郎)を使って
長屋の家主左兵衛市蔵)とその女房おいく彌十郎)からお金をせびるという話。
だと思う。なんせほとんど寝ていたので…

憶えているのは
おいくの彌十郎さんが脅え過ぎて玄関に転げ落ちたところと
ラストらくだの亀蔵さんがついに支えナシで踊り始めたところ。
そして紅一点(おいくは圏外?)半次の妹おやす松也)が登場したところ。
せっかくの女の子なのに地味な衣裳で残念でした。
そうか、貧乏長屋の話だもんな。地味だよね。



連続で観る場合はいったんロビーにでて待っていればまた客席に戻れるらしいですが
こりゃあイカン!
どっかで栄養補給をしないとぶっ倒れるよ!!

と慌てて歌舞伎座の外へ。

うわ、暑。外の方が暑いよ。←あたり前だ。

あー、なんかドロッドロに甘い飲み物を吸いたい。
白桃のシェイクを飲みたい。←なんだその超限定メニュー。
そんな期待をこめて歌舞伎座近くの角の店にたどり着く。

ん、ないのか。白桃のシェイク。
あ、そのかわり“トロピカルなんとか”があるよ。
でもそれよりも“アセロラティー”がいいや。
当初の予定とはだいぶ異なるメニューを購入。

テイクアウトにしたのですが、その際店員さんと
袋にお入れいたしますか?
いや、どうせすぐ飲むから「いいです」とやりとりした(つもり)なのですが
用意できたアセロラティーを迷わず半透明のビニール袋に入れてくれたのは何故?
袋についての確認じゃなかったのか?
「いいです」って答えを取り違えられたのか??
朦朧とした頭では答えがでません。
ぼんやりと考えながら袋をガサガサさせながら歌舞伎座に戻ります。

果たして、これで気力・体力の回復は見込めるのか?!

以下、続く。

夏祭浪花鑑 (ネタバレ編)

観劇:2008年6月19日(勘太郎さんのお辰楽日)
会場:シアターコクーン(2階最後列センター)
演出:串田和美

前振りはこちら 夏祭浪花鑑

双眼鏡を忘れたワタクシ
劇場内で舞台から一番離れた客席にいたワタクシ

うぐぐ。
脳内妄想ズーム機能をいまこそ! とわけのわからんハイテンション
おかげで集中して楽しめました。
人は少しくらいの困難に立ち向かうときの方がイキイキするものなのですな。
↑ 変なまとめ…


舞台に視線を向けるとまず視界に飛び込むのが、綺麗な青空。
あ、花道がある。
そしてシンプル、というか質素なセット。
あれー? こんなセットで開始するんでしたっけ? ←完全に忘れている。

開幕前、突然始まるお芝居…?
あれも芝居の一部だよね? 客席をうろつく役者さんたち。
いいなあ、一階席。役者さんが練り歩いたよ~
しかも、メインの役者さんがわんさか登場!

どうせ二階には誰もこないよな…とイジケていると誰かが来てくれた!
お! さすが役者。いい声してますね! と仰ぎ見ると
え、カンタロ…?!
ええええ~?! 勘太郎さん登場です
びっくりして凝視しているとにっこり微笑んでくれました。
祭に参加する若衆姿。いやんカッコイイ ポッ
お辰さんは? 出番まで時間があるから違うお仕事もこなしているんですか?
空いている席に座って隣の人に話しかけたりしてます。
あいにく私の両隣はすでに塞がっていました。…ッチ。←こらこら。

いつの間にかホントに芝居が始まり
舞台上では喧嘩が始まり団七勘三郎)が刑に服す原因が繰り広げられ
やんやの野次が客席の役者さんからかけられます。
祭だ祭だ! 喧嘩は祭の華! ←そうだっけ?

あれ? 勘太郎さんは??
いつのまにか1階席へ移動していて(素早い!)そのままナレーション担当。
軽くドイツ語を披露して主な登場人物の関係の紹介です。

喧嘩が収まり、騒ぎを起こした団七は罰として牢獄送り。
乞食の徳兵衛橋之助)を使ってお梶扇雀)が
琴浦七之助)に夢中な磯之丞芝のぶ)を説得。

刑期を終えた団七を迎えに行く三婦彌十郎
その途中、磯之丞に会い、駕籠代を立て替え、店を紹介。
駕籠代払えないなら乗るなよ!
大雑把な磯之丞、妙に芝のぶちゃんにハマっていました
三婦さんも玉島家に縁があるようですね。

ムサムサ の団七登場
クサっ! と言われながら(言われたのは主役のはず…)着替えるために奥へ引っ込みます。
大好きな愉快な褌シーンがあり、三婦さん退場。
そこへ琴浦ちゃんが登場し、大鳥佐賀右衛門亀蔵)に迫られます。
キレイになった団七が再登場! 颯爽と琴浦ちゃんを助けました。
琴浦がカワイイです
そしてこれまた大好きな場面。佐賀右衛門を使った道案内です

なぜか徳兵衛に絡まれる団七。なぜだ…? 頼まれたのか?
喧嘩勃発。おいおい、喧嘩が原因で罪になったのに懲りない人だね、団七。
お梶の執り成しで和解。このあたり『三人吉三』のようです。
互いに玉島に恩があることがわかって仲良しに。
を贈りあい絆を深めます。

三婦に匿われている磯之丞と琴浦。
奉公先で殺人を犯した えぇ 磯之丞は追っ手に追われています。
新たな匿い先として白羽の矢がたったのがお辰勘太郎)の元。
この人は徳兵衛の奥さんです。
若くてキレイだからとかなんとかイチャモンつけられて
これでどうだ!」と顔に火箸を押し当て男気をみせる鉄火な女です。

しかし「顔がキレイだから」ってクレームつくなんて不可解
この話は男社会の物語だから女はひっこんでろ! ってことなのかな?
随所に“面子が立たぬ”という言葉が出てきます。
うーん。
ワタシにはこの“面子”っていうのが今も昔もイマイチ理解できないんですな

その間に琴浦は金に目が眩んだ三河屋義平次笹野高史)に掠われ、それを追う団七。
義平次は団七の妻・お梶の父親。つまり団七の舅です。
しかしなんとも憎たらしい爺さま
何を言っても金・金・金・金・金!
この爺さまには情に訴えても無駄だと思った団七、一計を案じます。
手元に30両の金があると偽り、琴浦を開放させます。

この間に、夕暮れから闇へと徐々に場面は暗くなり
さささーっと黒衣によって手燭が用意され、憎々しい義平次殺害の場面です 血
カタカタなる刀が悲しい sc07
団七は肝の据わった殺人鬼ではないので動揺しているのですな。
しかし証拠となりそうな血のりを拭い、洗い流し、という計算は働くのだ。
そして祭に興じる人々に紛れて逃げ出しました。
そこへ現れる徳兵衛。殺害現場にて団七の雪駄を見つけました。

場面変わって団七のお家。
徳兵衛が訪ねてきます。団七を玉島に行ってもらおうという説得に失敗。
ヤケになった徳兵衛「以前から好きだった」とお梶に迫る迫る。
おい! お辰さんはどうしたんだよ?!
え? 「あんな顔にヤケドこさえた女、もうしらね」だぁ?! ワタシが許さん
団七も許しませんでした。喧嘩別れになってしまいます。
三婦さんの仲裁も聞き入れられません。
叩き付けられるが悲しい

しかしそれは策略。
団七に離縁を決意させ、お梶と縁を切ることで「義父殺し」ではなくする。
すべてを承知していたお梶。
愛する団七のために離縁したのだ。泣ける

あれ? 徳兵衛に話し掛けている捕手の親分、もしかして勘太郎さん?
声が…
ああ~、双眼鏡がないとやっぱツライ~。
パンフで確認したところやっぱり勘太郎さん。役名は役人左膳

さあ、見覚えのあるミニチュア登場です
あのミニチュアの陰に捕手があんなに隠れているとは!
全然気付かなかった!! すごいよ! 一番高いところの席でも見えなかったヨ!
さあさあ、お楽しみの大立ち回りです。団七大暴れ。
楽しい。文句なしに楽しい。

太鼓のゲストによる力強い演奏もあり盛り上がる会場。
この太鼓がまたイイ

そして役人左膳 が再登場して団七と楽しく丁々発止。
ああ、膝は大丈夫? と思いつつ、にやにやが止まらない私。
ご機嫌です
お辰もよかったけど、私はやっぱりこういうお役のほうが好きみたいです。

人形も出てきて笑いも取ったところで徳兵衛も再登場。
団七を捕まえると見せかけて、路銀を渡す。
そしても元どおり。和解成立。よかったね~ 大泣き

さあ期待のクライマックスはバラバラとヘリコプターの音が。
もちろん! 舞台後方の扉が開きます。
おや、壁がありますね。あれはベルリンの壁?
団七により壊された壁の向こうへ、いったんは逃げる団七と徳兵衛。
しかしその後…なんじゃありゃ。

見たことない配色のパトカーが突っ込んできた!えぇ
ドイツのパトカー?

最高潮のテンション中、幕。
盛大なカーテンコール
客席はもちろんスタンディング。
平場席通路隣の席の人はラッキーだ。
通路を通る役者さんにタッチしてもらえるのか。

芝のぶちゃんがかわいかった はしゃいでいました。
バカボンな磯之丞キャラに合ったはしゃぎっぷり(笑)

勘太郎さんが「なんかやれ」ってけしかけられていたけど頑なに拒んでいました。
うう~ん。なんかやってほしかったわ~。←本音。
ムードメーカーなんだなぁ
それにしても大活躍 結果、三役ではないですか
あ、翌日からの磯之丞も含めると四役! すごい~

この日の客はしつこくて(爆)4・5回カーテンコールに応えてもらいました。
いやいやそれも当然な面白さ
あー見に行ってよかった~ ハート

四月大歌舞伎 その2

その1はこちら その1


浮かれ心中

井上ひさしさんの『手鎖心中』を歌舞伎化した作品だそうです。
そうですか。それは読んでみないといけませんね 予習、予習♪


手鎖心中 (1972年)手鎖心中 (1972年)
(1972/10/15)
井上 ひさし

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短編小説。直木賞受賞作だそうです。
時代は幕末、に入るのかな? 江戸時代後期。
有名人がめちゃくちゃ登場します。登場人物が豪華

蔦屋重三郎にお世話になっている戯作者を目指す与七が主人公。
重三郎を介して知り合った栄次郎に振り回される喜劇的なお話、のはずですが
私はあまり笑えませんでした…
なんでだろう? こういう話はたいてい眉間にシワを寄せてしまうんです。 うーん

とにかく栄次郎の勘違いっぷりが…
戯作者を夢見ているのに肝心の作品に心血を注ぐわけではなく
著名な戯作者の行動を真似れば自分もなれるのでは? という考えが理解できない。
なれないよ! スバラシイ作品を書いてこその戯作者だっつの!!

それにお金があるからやることが本末転倒。
話題作りのためなら他の人を巻き込んでもいいのか?
いや、いけないよな。だからあんな結末になってしまうんだ
…どんどん悲しくなってしまいました。

ただ、ラストは「うわお 」と驚きの仕掛けで楽しかったです。

好きな場面がありまして、それが
与七と共に、栄次郎に振り回される太助が八百善の折詰を目の前にすると
懐中から憶え帳と矢立を出して折詰の中身を書きとめた
というのが、今で言うと“ケータイを取り出し写真をとった”になるのかな?
と想像して面白かったのです 98666

その場面が舞台でも見られると思っていたら…
八百善の折詰の場面がカット!
ががーん。ショック。そうきたか…orz

だって、イキナリ栄次郎勘三郎)とおすず時蔵)の結婚式なんだよ!
栄次郎と太助三津五郎)はすっごく親しいんだよ。なんだよ、仲人って。
原作では居ただけのキャラ、番頭の吾平亀蔵)がけっこう出張っているし
栄次郎の妹・お琴梅枝)が登場するし
花魁の帚木七之助)はなかり腹黒いし
原作では粋だった佐野準之助彌十郎)が堅物の爺ちゃんになっているし。
なにより与七がいないんだよ~。
驚きの連続でした。

しかし、ちゃんと私が楽しみにしていた場面は生き残っておりました。

吉原で花魁道中を見たときに太助はちゃんと憶え帳と矢立を手に持っていました!
さすが、戯作者を目指すだけあって取材は欠かしません
ですが、帚木を見たとたんにぽーっ となってしまう太助。
原作では『江戸生艶気樺焼』をもじって小説を書いたそうですが
舞台では『籠釣瓶花街酔醒』を見立てたようです。

原作同様、周囲の迷惑をかえりみず
有名になりたいという目的に向かって突き進む栄次郎。
それに協力する太助。

その恩に報いるため?
太助の気持ちを知って身請けして帚木を太助の妻にさせるのにはビックリ。
え、そうなんだ、帚木が不憫 …と思ったら
あららなキャラ設定です、帚木。
ちゃーんと間夫の清六橋之助)とよろしくやっていて
「世の中、金だよ金 」と割り切っている花魁なのでした。

しかーし、割り切っている帚木とは対照的にマジな男・清六。
心中の場面に現れた清六から目が離せませんでした。
なんでしょ、あの不穏な雰囲気 血

本気には勝てないのかねぇ。

と、つぶやく栄次郎。
うん。本気には敵わないと思うよ。
栄次郎が本気でふざけたから本が売れたんだよ。
役者が本気だから私も舞台を楽しめた。
原作も作者が本気で調べた部分は楽しめた。
ということだと私は思います。

注目の“ちゅう乗り”はあっさりテイスト。
先月、たっぷりと澤瀉屋の宙乗りを観たせいでそう思うのかもしれませんが。
それにしても、ネズミの目がかわいかった~


舞台で観てもやっぱりお話には入り込めませんでした
あんまり好きな話じゃないことには変わりがないのです。
が、役者さん自身の愛敬が加わり、本気が伝わってきて楽しめました。
うーん、観てみないとわからないものですなぁ

四月大歌舞伎 その1

会場:歌舞伎座
観劇:4月12日(3階7列目センター)


なんと今年初めての歌舞伎座
浅草や演舞場でしか観ていなかったようです。そうだったのか…。


将軍江戸を去る

 江戸の街が薩長を中心とした官軍に包囲される中、徳川慶喜(三津五郎)は上野寛永寺に謹慎し、恭順の姿勢を示しています。
ところが幕臣の主戦論者の言葉を聞いて慶喜は恭順を翻意してしまうので、高橋伊勢守(彌十郎)や山岡鉄太郎(橋之助)は、慶喜のもとへ向かいます。しかし慶喜は薩長軍にこれまでの無念を晴らすのだと言い、諫言を受け入れません。
 恭順を翻意すれば江戸は火の海となり、罪もない庶民たちが被害を蒙ると言う山岡の必死の言葉を聞き、ようやく慶喜は自らの誤った決断に思い至ります。こうして慶喜は江戸を官軍に明け渡すことを決意し、その名残を惜しみながら、水戸へと旅立っていくのでした。



というあらすじだったようですが、まったく記憶にございません
爆睡してしまいました
そりゃあね、前日に『イタkiss』をリアルタイムで見ているくらい夜更かししてますからね。
眠くもなるってもんですよ。 ←言い訳…

それにしても新歌舞伎(に入るのか、これ?)は当たりハズレが激しいなぁ。
号泣するほど入り込むか、爆睡かどっちかしかないような気がする…。


歌舞伎十八番の内 勧進帳

過去に何度か観ている『勧進帳』ですが、たいてい記憶が曖昧です ガーン
それは睡魔に襲われるから。
ああ、最初の演目に続いてこれでも寝てしまうのか?!

ところが! なんと!! すっごく面白かったんですよ!!!

弁慶一行が来るまでのお囃子がまず楽しかった
キタキタキターっとテンション上がりました。
これぞ歌舞伎! なんだかワクワク。
そうか、私はこういうコテコテの歌舞伎が観たかったのか!!

「中村屋!」の大向こうにびっくり。
えええ? あ、勘三郎さんの富樫左衛門ですよ! やったー
どうせ寝るんだろうと思って配役チェックすらしていなかった私(苦笑)

源義経玉三郎さんです。きゃー、ちんまりしていてカワイイ
ずーっと傘被って立て膝で俯いてるのね。お顔が見えませぬ。
あの体勢、かなりキツそう…

武蔵坊弁慶仁左衛門さん。
ニザ様声がいつもと違う! えー、あなたはホントにニザ様ですか?
お顔は間違いないですが…役者ってスゴイな。
くそう、花道を観たかったぞ~

なんでだ?! どの場面も全然眠くならない。こんなこと初めて!
うふうふ していたらあっという間に終わってしまいました。

義経が打たれる棒はずっと義経本人が持っていたのか
いつも気がつくと弁慶が持っていて ←意識が飛んでいたから~
てっきり後見さんから渡されるんだと思っていました。

弁慶お酒呑むのね。それもガブガブと。
それでいつも音で目が覚めるダンダンの場面になるのか。ふむふむ。
うーん。そうだったのか。

富樫との丁々発止のやりとりもおもしろかった
何言っているのかわからなかったけど。←ダメじゃんか。


およよ。今回は意外な展開です
楽勝だと思った『将軍江戸を去る』で爆睡し
当然沈没すると思っていた『勧進帳』で楽しめるとは。
観てみないとわからないものです


最後の『浮かれ心中』の感想は後日。

十二月大歌舞伎 夜の部

観劇:12月22日(3階6列目)
会場:歌舞伎座


先日の昼の部では近年まれにみる爆睡で、冷や汗をかいたものですが
今回の夜の部は、まったく眠気が起こりませんでした!
この差がどこからくるのか、我ながらわかりません!!
もしかして3階席のほうが集中できるのだろうか??


菅原伝授手習鑑*寺子屋

有名な『寺子屋』ですが、私は今回が初めて。
か、もしかしたら観た記憶さえも残らないくらい爆睡したのか判断に困るところ(苦笑)

幕が開くと寺子屋で習字の最中の子どもたち。
ん、おかしいぞ! 真ん中に明らかに子どもじゃない子がいるよ!!
それが涎くり与太郎亀蔵)です。
もう視線はくぎづけ。だんだんカワイく見えてくるから不思議。

そこへ浮かぬ顔をした武部源蔵海老蔵)が戻ってきます。
帰ってくるなり、先生を迎えた子どもたちを見て
「氏より育ちというけれど、いずれもヤマガ育ちでどうにもならん」と暴言。
与っているよその子に対して失礼なヒトだな(笑)
でも留守の間に入門した小太郎を見てコロっと上機嫌。

それを見た妻の戸浪勘太郎)が事情を話すように促すと
密かにかくまっている主人の子・菅秀才の首を差し出すように命令されたというとんでもない話。
小太郎なら身替わりになりそうだ、と鬼のようなことをおっしゃいます。

が、これがまた簡単に言った訳ではないんですよ。
悩みに悩んでの結論。
同じく悩んだ末に戸浪もその決断に従います。

この夫婦、本来はもっと年上の役者さんが演じることが多いそうですが
私はこの二人でOKです。
っていうか、この二人の方が嬉しいです!!

寺子屋の子どもたちの顔を確認するために春藤玄蕃市蔵)と松王丸勘三郎)が到着。
松王丸は杖ついたり咳き込んだり、なんだかヨボヨボしている。
親が迎えに来て、子どもたちが順番に呼ばれます。

・・・涎くり与太郎の親は誰なんだ?? おお、寿猿さんか! なんか納得。

ついに与太郎の番になり、父親に呼ばれて元気よく飛び出してきます。
が、知らないオジサン(玄蕃)に足を引っかけられ、グイっと首を曲げられ
「チッ」っとばかりに叩かれ、大泣きする与太郎。
そりゃあね、知らないオジチャンに訳もわからず叩かれたらショックですよ。
かわいそうな与太郎。泣くのも当然。
なんだか泣きそうになってしまった。ここ、泣く場面じゃないと思うが。

ついに小太郎の生首が登場して松王丸の太鼓判をもらい玄蕃は退場。
松王丸も退場し、誰もいなくなった部屋で菅秀才の無事を確かめ、ほっと一息をつく源蔵・戸浪夫婦。

そこへ小太郎の母・千代福助)がやってきます。
いざとなったら千代も殺す決意をしている源蔵、緊張の場面です。
が、小太郎の父親が実は松王丸。
心ならずも敵方についている松王丸の償いの行動だったのです。
小太郎は身替わりにするために寺子屋に連れてこられたというわけなんです。

ヒドイ話だよ

菅秀才もよその子を犠牲にするほどの値打ちが自分にあると思っているのか?
アルスラーンなら他人を犠牲にしてまで生き延びようとはしないと思う。
菅秀才の意志はここにはないのね。忠義ってコワイ。

と、本来なら苦手な話のはずなんですが、福助さんの千代に感情移入。
覚悟を決めてはいたものの
小太郎の最期の話を聞きたい、ような聞きたくないような
戸浪に抱かれて現れた首のないわが子の遺体を見て思わず取り乱すといった
様子を見ていたら、泣けてきた

いやはや、この話は絶対に寝る! と思っていたんですけどね~。
昼の部であんなに苦戦した義太夫も聞き取れたし。
意外な結果でございました。

ところで松王丸の「桜丸が不憫」っていったいどういうこと?!
桜丸に何が起こったの??


粟餅

杵造三津五郎)と臼造橋之助)による餅つき舞踊。
なんだかよくわからなかったんですけど(ダメじゃん )とっても楽しかったです。


ふるあめりかに袖はぬらさじ

文学座に書き下ろされた有吉佐和子さんの戯曲を歌舞伎化したもの、だそうです。
杉村春子さんの当たり役だったのを
玉三郎さんが受け継いで(?)満を持しての歌舞伎座登場!

横浜の遊郭・岩亀楼が舞台です。
一幕目は病に伏せっている同僚の遊女・亀遊七之助)を見舞う芸者・お園玉三郎)。

えと、あら? 玉三郎さんが女優さんに見えます。それも大女優風。
それに対する七之助さんまで若手女優に思えてきました。
オカシイな。私は歌舞伎を観に来たはず・・

ちゃちちゃきなお園さんはオモシロイ。
反応が面白いよな~。まるで『牡丹灯篭』のお峰のようなコメディテイスト。
甲斐甲斐しく亀遊の世話をしています。

そこへ藤吉獅童)登場。
医者を目指しながら岩亀楼で通辞(=通訳)をしている男です。
横浜では異人さんが多く、岩亀楼にもお客としてくることがあるのです。
その通訳をしている、というわけですな。
ちなみに異人さんを相手にする遊女は「唐人口」と呼ばれております。

藤吉と亀遊は密かに両思いなのです。
それに気づいたお園さん、冷やかしながら二人っきりにしてあげます。

二人になったとたんに痴話げんかですよ。もー、アツイアツイ~。
「薬を飲むのはイヤ~ 」と駄々をこねる亀遊ちゃんに
「飲ませてあげるから 」と甘~い藤吉。

え、飲ませるってどうやって?! まさか口移しか???

と、的外れな妄想炸裂。
これは歌舞伎だってのに、そんなわけあるかー!
頭のどっかでツッコミ。
それをものともせず、身を乗り出して双眼鏡を構えます。

「ごちそうさま~

うぎゃ! 他にもデバガメしているヒトがいました。お園さんです。
いなくなったと思っていたら、こっそり障子を開けて覗いていたのです。
慌てて離れる藤吉と亀遊。うひゃひゃ。
冷やかしながら今度こそ退場です。

二幕目は一幕目から1年後。華やかで賑やかです。
接待のため大種屋市蔵)が連れてきたアメリカ人イルウス彌十郎)をもてなす場面。

お待ちかね! 唐人口の遊女たちの登場です!!
もー、誰が誰やらわかりません。ものすごい弾けっぷり。
と言いつつ、松也新悟芝のぶさんはわかりました!
吉弥さんと笑也さんがわからなかったよ。無念っ

しかし、この唐人口の遊女と芸者の配役はどうやって決めるんだろう?
誰かが「これはアナタ」って具合で指名制なのか
「ハイ! アタシ、やりたい 」と立候補制なのか。深まる謎(笑)

唐人口の遊女を気に入らないイルウス。
とっておきの隠し玉・マリア福助)をも邪険に扱います。
あらら。このヒト、たしか『寺子屋』で私の涙腺を刺激したヒトと同一人物のはずですけど(苦笑)

そこへ入ってきた亀遊ちゃん。
このヒトは日本人しか相手にしない遊女なんですが、イルウスが一目ボレ。
熱烈ラブコールです。
そしてそれを通訳するのが通辞の藤吉。
もちろん、藤吉はそんなことは訳したくないんですけど、イルウスの剣幕がただ事ではありません。
勢いに負けて「この女が欲しい! ・・・と言っています」と通訳。

驚いたのが亀遊ちゃん。
そんなことを好きな人から言われたらショックです。
ヨロヨロとその場を後にし、退場します。

その後はとんとん拍子に亀遊不在の状態で話が進み
金に目の眩んだ岩亀楼の主人勘三郎)が通辞ナシで意志の疎通に成功し
イルウスが身請けすることに決まってしまいます。あらら。

しかし、亀遊は別室で自害していたのでした。

三幕目は、その七十五日後。
アメリカ行きを決意した藤吉がお園に別れの挨拶に来ています。
そこへ“万金を積まれてもアメリカ人への身請けを断り自害した攘夷女郎”と
亀遊の死を歪曲した瓦版が。

瓦版につられて“攘夷女郎の自害の部屋”を見物に、次々とお客が入ってきます。
このお客のキャストが豪華です! 今月、歌舞伎座に出演した役者さんが続々と登場。
そのお客を満足させるためにお園はなりゆきでニーズに対応した
“攘夷女郎・亀遊の最期”を語って聞かせることに。

その“攘夷女郎・亀遊の最期”のいきさつが出来上がっていく様子がとても面白かった。
主人に「ね、そうよね!」と同意を求めながら、お客の反応をうかがいつつ
でっち上げるお園さん。
可笑しいんだけど、切ないなぁ。

四幕目はさらにそれから5年後。
“烈女亀勇自害之間”として飾られた部屋に
大橋訥庵先生の祥月命日のために塾生が集まっています。

ここで初めて段治郎さん登場です。今月これだけ~。
でもこの役、結構セリフがあるのでOKです。

攘夷論者であった大橋先生を偲んで
ここでも攘夷女郎の話を披露することになったお園さん。

うはー。様式化されていますよ。
この部屋のあちこちに自害のときの小道具がちりばめられています。
そしてマニュアルに沿ってアシスタントが動き、朗々と語りはじめるお園さん。
いや~、すごかった! 見応えバッチリ。

実は大橋先生には“亀勇”が遺したとされる
「露をだにいとふ倭の女郎花ふるあめりかに袖はぬらさじ」
辞世の句と関連があったりして、お園さんは追いつめられて
大女優・玉三郎ここにあり! なラストシーンで観客大満足。


いやはや、充実した 夜の部でした。
これが私の今年の歌舞伎納め。
来年は浅草歌舞伎から始まります。

テーマ : 観劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

歌舞伎*錦秋演舞場祭り

~中村勘三郎奮闘~ 十月大歌舞伎

会場:新橋演舞場 昼の部


おお、幕が中村屋だ。
ふふふ。雰囲気変わっていいもんですね。


平家女護島 俊寛

幕が開くとさっそく「清大夫!」と大向こう。大人気だ。
私も大好きです清大夫さん。

この演目は数ヶ月前に澤瀉屋の巡業で観たばかり。
なので比べてしまうかな、と思ったら意外に記憶があやふやで
よかったのか悪かったのか(苦悩)

俊寛(勘三郎)が登場してビックリ! ヨボヨボしてます。
右近さんの俊寛はけっこう元気だったので「そっか実は若い人だもんね」と納得していましたが
今回は「より苦悩が大きいのね」と納得しました。

丹波少将成経(勘太郎)と平判官康頼(亀蔵)がやってきて
成経が結婚したいという話を切り出します。
我がことのように喜び「馴れ初めを聞かせんしゃい」と催促。
恋話をニコニコと肯きながら嬉しそうに聞いているのが印象的。
「彼女に会ってみたいぞ」という俊寛に
「実は近くで控えております」と呼び出され現れた千鳥(七之助)。

ありゃ、これは可愛いわ。

もじもじそわそわしています。
動きすぎ…?
でも愛する人の親のような人に初めて会ったわけですから
緊張もするし落ち着かなくもなるってもんです。
そして隣には愛する成経がいるわけです。結婚も許され、夢見心地ですな。

しかし事態は急展開。
都から船が到着します。
瀬尾太郎兼康(彌十郎)により読み上げられた書状には

丹波少将成経と平判官康頼は都へ帰ってもよし!

と書いてあります。
え、俊寛は?!
いや、それよりも、千鳥ちゃんは?!
さっきまで祝いの盃を交わしていたのに愛する成経と離れ離れ?!
とてもそんなことを聞ける雰囲気ではありません。

俊寛の嘆きは大きく、瀬尾の足に取り縋ります。

…余談ですが
先日三越歌舞伎で見た段治郎さんの役と、この瀬尾の格好が似ていたのですが
段治郎さんのときはどこに目を向けて良いのか~と視線が定まらずに困りましたが
今回は平気でした。
これは生足とタイツ(?肌色の襦袢?)を着用していたかどうかがポイントだったようです。
なんで生足だったんだ、段治郎さん…。

嘆く俊寛を見兼ねたわけではないですが
丹左衛門尉基康(扇雀)が満を持しての登場です。
実はこの人、俊寛を赦す書状を隠し持っていたのです。
最初から一緒に読めばいいのに、なんだかイジワルだなぁ。

なにはともあれ、これで成経と康頼と俊寛、3人揃って島を脱出できることとなりました。
さあ、船に乗ろう!
当然、千鳥も一緒でしょ、と4人で乗り込もうとすると
「待て待て」と瀬尾が千鳥を引き止めます。
うわー、いじめっ子の登場です。
憐れ、千鳥と離れ離れにされた成経。

「千鳥と一緒に私も島に残る!」

おお。愛だね、愛。そうこなくっちゃ。
と思ったら「それならボクも残る~」と康頼と俊寛まで…!
千鳥を中心に男3人で円陣を組んでいます。
上から見るとまるで「かごめかごめ」のようだ。

キレる瀬尾。それに対し
「私のかわりに千鳥を乗せてあげてくれ。それなら人数に変更はないだろう」
と訴える俊寛。
しかし、頭の固いいじめっ子は承知しません。
ついに実力行使にでる俊寛。

ああ、足腰弱ってヨボヨボなのに…。
千鳥と成経のためにがんばる姿にちょっと涙。

そこへ意外な加勢が!
千鳥です。刃物をちらつかせる二人の間に果敢に割り込みます。
アブナイって。ヒヤヒヤしながら見ていたら意外に強いぞ、千鳥。
さすが、海の女。

その甲斐あって瀬尾を成敗。
成り行きを見守っていた丹左衛門尉基康が俊寛のかわりに千鳥を船に乗せることを承知します。

この役、澤瀉屋で見たときは
「口うるさく融通の利かない瀬尾を厄介払いできる」とかなんとか考えてそうだな
と、意地の悪い見方をしていた私ですが、今回はそんなことは思いつきませんでした。
うーん。この差はなんだろう?

一人取り残され、みんなが乗った船を見送る俊寛。
あれ? ラストは黙って見送るの?
澤瀉屋では「おーい」を繰り返していたと記憶していますけど。
そうなんだ。そのほうが俊寛の絶望が深く感じられます。


連獅子

初めて! 連獅子自体を初めて見ます。
春興鏡獅子は何度か見てるんですけどね~。
念願の連獅子です!
でもこれ、親一人に子一人で本来は2人なのよね?

はー。シアワセ。とってもおもしろかった♪

狂言師後に親獅子の精(勘三郎)
狂言師後に仔獅子の精(勘太郎&七之助)
この3人が揃って登場するだけで高まる期待。
二人や三人で揃って跳ぶ姿をみてるだけでワクワクしてきます。

それに間に入ってた僧蓮念(亀蔵)と僧遍念(彌十郎)の狂言もおもしろかった。
お互い「嫌な奴が同道することになった」と思いながら獅子は怖い。
日蓮と一遍はどちらの功徳が大きいか、という言い争い。
こういうオチは大好きです。

はじめに狂言師の格好で出てきたときは見分けがついた兄弟でしたが
獅子の精になってからは見分けがつかなくなりました。
まだまだ修行が足りませぬ。

さてさてメインの毛振りです。
ひょえ~。
聞きしに勝る回転数。そしてピッタリ揃っているのが素晴らしい。
後半、七之助さんの獅子に疲れが見えたのが残念。
勘太郎さんの毛の動きが一番綺麗だったように見えました。

毛を振り終わると後見さんに櫛で髪(?)を整えてもらうのが可愛かった。
身だしなみは大事です。
はー、正面で見れて満足。…3階席だけど。


人情噺文七元結

この話、大好き!
みーんないい人でハッピーエンドなのが最高です。

山田洋次監督が補綴されたそうです。
…補綴って何?(爆)
以前、何度か観てる演目ではありますが、記憶が遠い彼方なので
私にはその違いがわかりませんでした。

幕が開くと舞台は真っ暗!
誰か登場してきましたがまったく見えません。
「中村屋!」の大向こうでやっとわかった私です。

「真っ暗じゃねぇか。なんだいるのか。明かりを点けろよ」

と言いながら家に入る左官長兵衛(勘三郎)。
え、誰かいますか? 見えませんっ! 怖いよ、これは怪談??
やっと明かりが点いて舞台が見えるようになりました。
女房お兼(扇雀)が幽霊のように控えています。

が、静かだったのはここまで。
お兼が娘のお久が昨日から帰ってこないことを訴えます。
なかなか話を飲み込めない長兵衛がやっと事態を把握して大喧嘩していると
吉原の妓楼・角海老から使いが来て、お久がそこにいることが判明。

迎えに行こうと長兵衛が立ち上がると博打で負けて身包みは剥がされた状態。
もう着物がありません。

私、この場面、大好きなのですが
着物がなくてカッコがつかない長兵衛がどうしたのかというと
お兼の女物の着物を奪って出かけるんですよ。
当然、抵抗するお兼が
「これじゃ、ハダカになっちまう! 厠はどうするんだよ?!」と言えば
「がまんしろよ!」と切り返す長兵衛。ムチャだ(笑)

羽織は角海老の使いの人から借りて、着物は女房のを着て
借物だらけで角海老へ。
羽織を脱いでからの袖の使い方がおもしろかった。
普段はあまり考えないのですが
こういうところで男物と女物の着物の仕立てが違うんだなーと実感しました。

さて、角海老では女房お駒(芝翫)を中心に噂話に花が咲いてます。
お、小三左さんだ。うふふ。かわいい。
ボロい着物でちんまりしているのがお久です。
顔を上げたらお久のほっぺが赤くておしんみたい。かわいい。
あれ? なんとなくお久は七之助さんがやるものだと思っていたら芝のぶさんだ!
これはサプライズ! ←事前にキャストを確認してなかっただけですが。

かわいい娘の決意と50両を胸に帰途へつく長兵衛。
そこへ自殺志願者・手代文七(勘太郎)が川へ身を投げようとしています。
力ずくで止める長兵衛。
道に放り出されが文七が言った言葉が「怪我したらどうするんだよ!」
…間がいいよね。私、勘太郎さんのこういう間の取り方好きだなぁ。
ではなくて、死のうとしていた人が怪我を気にするのがおかしいんだってば。

話を聞くと、店の使いで預った50両を掏られた責任を取って死を決意したと。
ここでも50両。
長兵衛も懐に50両持っているから悩みます。
娘が身を売って作ってくれたお金。来年の大晦日までに返済しないといけないお金。
けれど悩んだ末にその50両を文七に投げ与え、自分は走って帰宅してしまいます。

その後は当然、夫婦喧嘩。
人助けのために50両をやったと言う長兵衛の言葉を信じられないお兼。
大家さんも巻き込んで大騒ぎ。喧嘩ばっかりしている二人です。

そんな騒がしさ絶頂のときに文七を従えて和泉屋清兵衛(彌十郎)が登場。
お礼を言われ、鼻高々な長兵衛。
ついたての陰に隠れたお兼がラブリーです。

鳶頭伊兵衛(亀蔵)に連れられてお久が帰って来ます。
綺麗になって帰ってきた娘を見て「どちらさま?」
ええ~? わからないんだ(爆)

娘とわかってからは綺麗な着物と綺麗な顔と綺麗な髪に夢中でロクに話を聞かない長兵衛。
娘を嫁に欲しいと言われてるのにまったく聞いてない父親。
うーん。この人は目先のことに夢中になりすぎるんですね。
だから博打でも失敗するんだ、きっと。

話を把握せずに「おめでとうございます」と頭を下げるのはおもしろかったけど。

なにはともあれハッピーエンドです。
でも文七も碁盤の下に大事な50両を置き忘れて帰ろうとするくらいそそっかしいけど
そんな人と所帯を持って、お久ちゃんは大丈夫かな?
しっかり者だから大丈夫か。

納涼 千穐楽

観劇:2007年8月29日
会場:歌舞伎座


1部と3部を千穐楽にまとめ見することになりました。
結果的に。


【第一部】

磯異人館

これは先日幕見した演目。どうやら幕見の方が集中して観れるようです。
これは列んで苦労しているからテンションが上がっているせいなのか
初見だからだったのか、よくわかりません。

改めて折田親子の憎たらしさに腸が煮え繰り返り
五代才助(猿弥)の友情に心が熱くなり
周三郎(松也)の薄情さには…

ま、悲恋で泣けることには変わりはないんですが。


越前一乗谷

舞踊でした。でも舞踊にしては
場面転換あり、ちょっとセリフもあり、合戦場あり、楽しめる演目でした。

信長に滅ぼされた朝倉義景(橋之助)が主役。
信長方に寝返った従兄弟に追いつめられて、妻と子を残して自害。
後半は残された妻の小少将(福助)の悲劇。

登場人物が多くていい!
…でもしゃべらないと誰だかわからなかったりして。
数名で踊るのに若干ズレてるのがウケる(笑)
さっきまで姫だった七之助さんが郎党だったり
悲恋を熱演していた勘太郎さんがエロ猿・羽柴藤吉郎になっていてガックリ。
郎党はキャストが豪華でウハウハ。馬のシーンがお気に入りです。

寝るかと思っていたら寝なかった!
舞踊でこれは快挙です!!


【第三部】

通し狂言 裏表先代萩

『伽羅先代萩』のパロディではないらしい。
『伽羅』の世界を「表」に、小助が活躍する部分を「裏」に
した物語だということを知ったのは観劇直前でした。
ま、どっちにしろ『伽羅』を見たことがないのであまり関係ないな。

とにかくどの場面にも勘三郎さんがいるんです! なにしろ三役!
小悪党の下男小助・正義の味方の乳人政岡・大悪党の仁木弾正
この中では仁木弾正が唐突だったような…?
そりゃ私が『伽羅』の世界を知らないからか(苦笑)

「表」の『伽羅』の部分はかなりカットされているようで
非常に簡潔でわかり易く、スピーディ。おもしろかった!
そのぶん唐突な印象に。←よく知らないのが仇に…

それでも千松ちゃんの健気さにウルっときて場内は拍手喝采。
「いざという時」どうするのだ? と思ったら
「こういうことか!」衝撃的な捨て身の作戦に涙。
ひどいよ。そんなにお家が大事なの?
それというのも殿さまがしっかりしないから~!!

そうそう。敵味方がよくわからないんです。
見ているうちにわかってくるんですが
弾正の妹八汐(扇雀)が敵なのはともかく
偉そうに登場した栄御前(秀太郎)まで敵だったとは!
しかし早トチリな栄御前が政岡に陰謀を打ち明け連判状を託して
ヨシ! 証拠ができたぞ!!
と思ったらネズミが咥えてどっかにもっていった~

が、びっくり、赤っ面です! の善い家来・荒獅子男之助(勘太郎)によって
ネズミは取り押さえられてヨシヨシと安心したのもつかの間。
極悪人・仁木弾正登場。が、花道を多用して3階席からはよく見えんっ!

「裏」の部分は大場道益(彌十郎)を中心に色と欲がごっちゃごちゃ。
横恋慕していた隣家の下女お竹(福助)の弱みにつけこんで言い寄り
道益のお金を狙っていた小助が主人の道益を殺し、お竹のせいに。
ここで小助が隠した金を犬が咥えてほかのところに!
ネズミに続いて犬までも!
動物はどうして大事なものを咥えて逃げるのか?!
これは今後の研究対象にしたいと思います。って別に研究はしないけどさ。

道益殺しの裁判では、おっとびっくり。
殺されたはずの道益が立派になって生き返っています。
…いや、よく見ると眉毛以外にも毛が生えている。
彌十郎さん二役目の横井角左衛門だったのですな。でもなんか変。
殺された道益も彌十郎さんだし、裁く横井も彌十郎さん。
おまけに登場したのが倉橋弥十郎(三津五郎)!
彌十郎さんが「弥十郎」と呼びかけるシーンもあり、思わず笑う。
真面目なシーンなんですが…。

一方「表」でも忠義な渡辺外記左衛門(市蔵)の命懸けの訴えにより
悪は滅び、平和がもたらされたのでした。
さて私はこの外記さんが最後にカックンとなったので
死んだと思うのですが、実際はどうなのでしょう?

いくら2部の時間はあけてあるとは言え
1部・3部の連続はさぞキツかろう、と覚悟していたんですが意外や意外。
どの演目も寝なかったんですよ! すごいぜ、私!

『磯異人館』の幕見&2部

観劇:2007年8月19日
会場:歌舞伎座


磯異人館

「納涼」のはずなのに熱い舞台でございました。
まっすぐな心を持つ岡野一族の悲劇を軸にした物語。
洋風で斜めのセットが新鮮です。

幕開けは古い日本映画のような曲が流れ
同時に岡野家の父のお役目大事と一本気にとった行動が語られます。
それが生麦事件なんですな。
事件の責任をとって切腹した父を持つ
精之介(勘太郎)・周三郎(松也)兄弟。
兄の精之介はひたすら地味にガラス職人として働くのに対し
弟の周三郎は…登場するたび大暴れ。
弟のトラブルメーカーぶりにお兄ちゃんは頭を悩ませます。

お兄ちゃんの職場には薩摩藩の偉い人の養女となった(実は半分人質)
琉球国の王女・琉璃(七之助)がおりまして
密かに惹かれあうお兄ちゃんと琉璃ちゃんなのでした。

で、気になるハリソン(亀蔵)の役割はというと
なんと琉璃ちゃんに惚れるイギリス人!
おお! そんなの断れるわけないじゃん!!
悲劇の片鱗が見え隠れ。
茶髪のヅラで似非日本語を駆使する亀蔵さんはステキでした。
笑っていいのかどうか迷うところですが…(苦笑)

それ以外になんだか弱いものイヂメを趣味にする折田親子も登場。
この二人に腹が立ってしかたない。
まるでニールとイライザ(爆)
どうしてそんなに岡野一族を毛嫌いするの?!
コイツらに煽られて若くまっすぐな周三郎はキレるわけですな。
やー、その気持ちはわかるよ~。君は悪くないよ! 斬っちゃイカンが。
しかし、現実は正義が勝つとは限らない。
うう…やっぱりニールとイライザを相手にしているようだ(泣)

悲劇と悲恋と兄弟愛に泣かされました。

意外な活躍を見せてくれたのがお兄ちゃんのお友達・五代才助(猿弥)。
友情あついこの男が陰日向なく岡野兄弟をサポートしてくれるんですよ。
イイ奴だ~。
しかもお兄ちゃんと琉璃ちゃんが直球で告白大会をやって
「あ~も~、照れるぜ~」な場面に出くわして
さりげなく観客を笑わせてくれるし、オアシスでした。


【第2部】

ゆうれい貸屋

原作を読んで楽しみにしていた通り面白かったです!
が、予定外に早起きした反動でちょっと寝てしまった(汗)

や~、家主平作(彌十郎)の
「こんなにデカイのに目に入らんのか?!」に大笑い。
そしてのしかかるお千代ちゃん(七之助)にドギモを抜かれました。


新版 舌切雀

渡辺えり子作・演出の新作。
冒頭から仮装大賞です(笑)
本気で誰が誰やらわからず、チラシの配役と忙しく見比べたのでした。
しゃべり始めてやっと「…ああ!」と納得。
特に難解だったのが梟の局さま。
うーん、ハリソンだったか~。…そんな気もしていたよ。
地味でもったいない。けったいな動きをしてくれるような役がいいのに~。
『磯異人館』に引き続き、芝のぶさんもいて豪華絢爛。
それに松也さんが大活躍です!

イジワル婆さん(勘三郎)には息子がいて
お嫁さんもらって独立しています。
その息子夫婦が森彦(勘太郎)・お夏(七之助)。
おや、『磯異人館』のお兄ちゃんと琉璃ちゃんがハッピーエンドだ♪
…どうも観たばかりだったので混乱しがち(苦笑)
しかしタンスの引き出しが四季に通じるとか
異世界に通じるって、別の童話が混ざってますな(笑)

今回も義太夫で遊んだり音楽で遊んだり楽しい仕掛けがいっぱい!
「白鳥の湖」が和音で聞こえてきたときは驚きました。
うひゃひゃひゃひゃ。
こりゃ1階で観たかったぞ(今回も毎度お馴染みの3階で観劇)。

大変楽しい一幕でございました。

三人吉三 その2

観劇:2007年6月26日
会場:シアターコクーン(2階正面)
演出:串田和美

ケチって2階(実質3階?)で観たのですが、ヒキで観ると照明がよくわかっていいですね~。
2回目にして「あ、そういうことか」と発見もあったり(苦笑)
「え、そんなことしてた?」と記憶力のおぼつかなさを実感したり…。

そして今回は犬の因果に振り回されることなく3人の吉三に集中。
ラストの大立ち回りでは泣けた~。遠くから見るのもいいもんだ~。
吉祥院以降のお三方に引き込まれました。
できれば休憩ナシで雪のシーンを観たかった!
ま、セットの問題とかいろいろあってそれは難しいんでしょうが…

カーテンコールでは「カンタローズブートキャンプ」の披露!
前回は白い捕手のみなさんの半分くらいの参加でしたが
今回はほぼ全員が参加していて壮観!
芝のぶさんもやってたのかな~? と考えると意外で愉快(笑)

三人吉三 その1

観劇:2007年6月17日
会場:シアターコクーン(1階平場席)
演出:串田和美

三人の吉三が出会う大川端の場を何度か観て
「いったいどんな話なんじゃ」と通しを数年前の歌舞伎座で観て
「ええ~?!」とびっくりした記憶が。
因縁に次ぐ因縁であわわわわ、と思ったものです。
今回は串田和美演出による『三人吉三』でございます。

とっても話が入り組んでいるので歌舞伎座の通しのパンフで予習。
ううむ。参ったなぁ、ゴチャゴチャしている。
「実は…」が多いんだよ~。
このあたりがどうなっているのかを楽しみにして観に行きました。


出来事が時間通りに並べ替えられていてわかりやすかったです!

冒頭は名刀・庚申丸を盗んだ盗賊(=土左衛門伝吉)が
吠え噛み付いてきた犬を殺してしまった場面。
すべての因果はここから始まります。なのでこの場面は重要!

なんですけど、注目すべきは犬!!
本物の犬がトコトコと舞台を横切り、観客大喜び!!
すごーい、偉いぞ、ポチ!! ←勝手に命名(笑)
※本当はちゃんと名前があるようですが忘れたのでポチのままで(汗)

研師与九兵衛亀蔵)とそりゃ反則だろう?! な扮装の勘三郎さんの
英語を交えた掛け合いがあり
今まで名前だけの存在だった海老名軍蔵橋之助)が実体化。
おおお~、そういういきさつで百両と庚申丸が…。ふむふむ。
おまけに世にも珍しい立ち役(しかも侍!)の芝のぶさんも見られます!

大事な百両を懐に家路に急ぐ十三郎勘太郎)を呼び止める声。
夜鷹のおとせ七之助)です。
けなげなおとせにお金だけ渡し、さすがに帰ろうとする十三郎。
尚も強引に引き止めるおとせ。
せ、積極的だなおとせちゃん…どうやらヒトメボレみたいですよ。
断れない十三郎もヒトメボレです。
お互い顔がくっつきそうなくらい接近して、私は内心「あわわわ」

ちゅうか、このあたり、足が痺れてそれどころではない私なのでした。
奮発して平場席にしたのはいいけど、何度も苦しむ羽目に…

それはさておき、おとせと十三郎がしっぽりとしていると
夜鷹と客のトラブルに巻き込まれ、慌てて逃げ出す十三郎。
その際、大事な百両を無くして途方に暮れる…という展開。

なるほど。そういうことでしたか。
普通、大金持ってオンナ遊びしないよな、おまけに無くすなんて…
ヒトメボレして平常心をなくしたところにあの大騒ぎ。
そりゃ慌てますよ。
でもたとえ着物を無くしても、百両を無くしちゃあいけません!

大枚百両を無くし、茫然自失の十三郎。
そのショックはどのくらいかと言うと
思わず道無き道を歩き、お客さんをかき分け、終いにはしゃがみこんだ!
真ん中のブロックのお客さんはラッキーです(笑)
そして自殺を図る十三郎。
それを見て、大技一本! で助ける土左衛門伝吉笹野高史)。
いきさつを聞いて「その金、俺の娘が預ってるぜ」と連れて帰ります。

一方、その百両を持って、もう一度会えないものかと
昨夜二人がであった場所に向かうおとせ。
そこへ呼び止める声が。お嬢吉三福助)の登場です。

…やっと主役の一人が出てきた。ここまで長い(笑)
いや、勘太郎ファンとしては嬉しいですけどね!

このあたりは歌舞伎でもおなじみの場面です。
お嬢に百両を奪われ、川に突き落とされるおとせ。
ほうほう。庚申丸のゴタゴタもこういうことで奪い合いにあるんだな。
そして、待ってました! の「月も朧に~」の名調子!!

…ん? 後ろ向きでしゃべるの??
と思ったら、ゆっくり舞台が周ります。おお! なるほど!!
暗がりから登場するお坊吉三橋之助)。駕籠じゃないのね。
百両をめぐり白刃がきらめく中、和尚吉三勘三郎)が仲裁に入ります。
そして義兄弟の契り。
このあたり、かなりあっさりです。

伝吉に保護された十三郎と、十三郎の養父に助けられたおとせが再会。
ここで伝吉、十三郎が過去に自分が捨てた息子だと知り大ショック!
十三郎とおとせは双子の兄妹だったのです!!

そんな伝吉のショックもミドコロですが
この親子には犬の因縁という堅い絆(?)がありますから
「ウ~、ワンワン」という鳴き声から
「なるほど、そういうことだったのか」と以心伝心の裏技が(爆)

しかしなんで双子ってことを知りつつ
なんで何にもしようとしないのかね? このオヤジは??
しかもせっかく和尚吉三が持ってきてくれた百両も
意地張って受け取らないし
挙げ句の果てにおとせに会いに来た与九兵衛に投げつけて
追いかけるはめになっているし(苦笑)

ここで与九兵衛が再登場したのは嬉しかった~
亀蔵ファンに向けたサービスシーンも用意されていましたよ!

またしても暗がりから現れたお坊吉三が、与九兵衛から百両を奪い
それを見た伝吉が説得しようと試みますが失敗。敢え無い最期。
このあたりじっくりです。…私の感想はあっさりですが(苦笑)

で、吉祥院です。数年前の歌舞伎座通しで観たときは
欄間に隠れたお嬢吉三が天女の絵に重なって、実に美しかったのですが
今回は…うーむ。横たわるには無理があったか。残念。

この場面で全ての因縁が明らかになるわけですが…
ここに至るまでに十三郎とおとせにだいぶ肩入れしていた私。
十三郎の感謝を込めたひっそりとした「あにさん」の一言とともに
二人が退場した時点で「終わった…」と脱力(苦笑)
ですが! この「あにさん」はヨカッタですよ!
和尚の妹と添い遂げるってことで「義兄さん」という意味なんですが
十三郎は知らないですが実際は兄弟なわけですから
和尚には「兄さん」と聞こえるわけで。

…だけど、違うってば! この芝居は三人の吉三が主役ですってば!!

しかしそんな私のローテンションを吹き飛ばすラストシーンです!
雪の舞う真っ白な舞台。
捕まった和尚を助けようとお坊とお嬢が再会します。
エライ! 一旦逃げたのに和尚のために戻ってきたのね!!

雪の中の大立ち回り。
なんかもー、白い捕手のみなさんがシタタタタ…と走るだけで楽しい。
やがて逃げてきた和尚も合流し、更なる大立ち回り。
そしてドカ雪!
降らせるにもほどがある!! と驚愕の量です。すっげー。
『當世流小栗判官』のラストでもけっこう降りましたけど、それ以上!
客席にもちらほら振ってきて、ぐっと奥行きが増し
うっとり&ぼんやり見てしまい、残念無念。

降りしきる雪の中、逃げ切れぬと悟った三人は自刃して果てるのでした。
え、自殺して終わりだったのか? ←歌舞伎座の結末忘れている(笑)

カーテンコールはスタンディング。私も足のしびれを堪えて立ちました。
それに応えて(?)橋之助さんの客席に向けた雪投げと
勘太郎さんと愉快な仲間たちのブートキャンプ(爆)のサービス付でした。
プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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