久しぶりの歌舞伎:毛谷村&空海

しれっと昨年の観劇感想更新。

何を観たんだったか忘れていた観劇。
いや、歌舞伎座に言ったのは覚えていたんですけどね。


観劇:2016年4月9日


彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)杉坂墓所・毛谷村

毛谷村六助:仁左衛門
お園:孝太郎
杣斧右衛門:彌十郎
微塵弾正実は京極内匠:歌六
お幸:東蔵


毛谷村は何度か観ているんですが杉坂墓所は初めてでした。
しかし毛谷村のあらすじもあやふやだったので
小さい子供を連れた男性が殺されたのを見て
あれ? これがお園のお父さん? 予想より老けている…
あれ? そしたらこの子供はお園の…ナニ? 息子?
あれ? そしたら六助とは再婚? え? そんな話だったか?!

脳内で危うく昼ドラ並みのドロついた展開をさせそうになりましたが
実際の毛谷村を観てその疑惑は晴れました。

殺されたのはお園の父・一味斎の弟子で
子供はお園の姉妹の子だったのです。
お園ちゃんは独身でした。ヨカッタ。



高野山開創一二〇〇年記念
新作歌舞伎 幻想神空海 沙門空海唐の国にて鬼と宴す


原作:夢枕 獏
脚本:戸部和久
演出:齋藤雅文

空海:染五郎
橘逸勢:松也
白龍:又五郎
黄鶴:彌十郎
白楽天:歌昇
廷臣馬之幕:廣太郎
牡丹:種之助
玉蓮:米吉
春琴:児太郎
劉雲樵:宗之助
楊貴妃:雀右衛門
丹翁:歌六
憲宗皇帝:幸四郎


原作は夢枕獏の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
文庫3冊分なんですが
そんな慌てて読まずともよかったかな? と思ったり思わなかったり。

原作読まなくても分かるようになっていたし
小説と歌舞伎と味わいはそれぞれ違うのでそれぞれ楽しめばそれでヨシですよ。

ただなぁ楊貴妃の扱いが原作とかなり違っていて
歌舞伎では年を取らなかったんですよね。
それだと不老と愛、両方手に入れたいけ好かない女にも見えて
もやっとしたのも事実。

原作の楊貴妃はもっとカワイソウなことになっていて
それがあるからラストハッピーになれてよかったねーと思えたんだけど
うーん狭量ですんません。

けど不老だったのは歌舞伎的にはOK!
ヒロインには美しくあってほしい!!
けど老けても美しくってのも可能だと思うのでそっちで追求してほしかった。

なんか化け猫(でしたっけ?) がかわいかったです。
 

原作知らない両親も虜にしたワンピース歌舞伎

先日、観に行ったワンピース歌舞伎が滅法おもしろかったので
「冥途の土産に観ておけ!」と
ムリヤリ行ける日を聞きだし
サクッとチケットを取って両親を演舞場に蹴りだしたわけですが

ワンピースを全く知らないふたりに
予備知識なしはあまりに酷


と考え
覚えている限りのキャストを幕ごとに書き出し
役者名と役名を羅列。

全然知らない人にとってコレはわけわかんないだろうな~
とカタカナ名前を眺めながら
どうしたらわかりやすくなるのか思案。

相手は老眼だから字は大きめにして(苦笑)
スーパー歌舞伎は観たことあるふたりなので
役者主体で説明したほうがいいよな、たぶん。

あとキャラの性別わかるようにしとくか。
男性キャラはブルー、女性キャラはピンクの蛍光ペンで色づけ。
おう、男でも女でもないニューカマーは~、うん、ムラサキにしよう。

空いた隙間にチラシの麦わらの一味のイラストを切り貼りして
ビジュアルを似せているってことを分かってもらえるようにして
内容に関しては
あんま説明しすぎてもプレッシャーだから

海賊VS海軍の話!
特殊能力持ちのひとが何人もいるので
よくわからないことが起こったら能力が発動したんだと受け入れる!
ルフィはエースを助けたい!


これを押さえればOK!!

と大雑把にもほどがある説明をして終了。
この舞台は細かいことがわからなくても楽しいし
なんか感動するから問題ない! たぶん!!


っていうか、わかると思った役者もほとんど覚えていなかったぞ。
ヤマトタケル(右近&段治郎バージョン)以来のスーパー歌舞伎で
歌舞伎自体も久々なふたりだからなぁ。

ネタバレ含む説明もしておくか。
私には見どころ紹介とネタバレの境目がわからない~。
歌舞伎の場合はネタバレしても実際に見るとビックリしちゃうから
そんなにネタバレに目くじら立てなくても大丈夫と信じて

ルフィとハンコックは早替わりだからお見逃しなく!
シャンクスは早替わりではない。
隼人と巳之助の若手二人は本水で大活躍だから!
歌舞伎界以外から大衆演劇のひとがいたりするよ!
どう見ても人間じゃないひともいると思うけどそれたぶん人間じゃない。
浅野さんは強烈だから見逃さないと思う!
福士くんのエースはすぐわかるけどルフィの兄です!
あとオカマ大活躍!


そんな感じの説明をしてから臨んだワンピース歌舞伎。

4割引のサイトでチケットを購入したので
席は選べなかったんですが
発券したら2階の花道真上あたりでした。

2階か~。
ヒキで観るといろいろ発見のある舞台だし
段差があって見やすいよ。
照明や映像を楽しむにはベスト! と言い聞かせて送り出したんですが
観終わった直後に届いたメールには

とっても楽しかった! 最高! ブラボー!!

とテンション高い浮かれた報告。
楽しんでもらえて良かったよ。
たまたま主題歌を提供してくれたゆずの北川氏が来ていた日だったようで
余計にテンションが高い。
それにしても何回ブラボーって言ってんのよ(笑)

しかし!
直接感想を聞いたら衝撃の事実。

話はよくわかんなかった」んですと!!

なんでじゃ。
なんとなく分かるじゃろが。

しかも「役者もよくわかんなかった」んですと。
私のあの一覧表は無駄でしたかね。とほほ~。

わかったのは
猿之助さん
福士くん
浅野さん(イワンコフ)
右近さん
門之助さん

うちの両親、門之助さんのこと大好きなので大喜び。
浅草パラダイス(だったかな?)で
門之助さんがモノスゲー面白かったそうで
それ以来、熱烈なFAN.。
いったいどんな怪演をしたの門之助さん(笑)

しかも「本水で活躍してたのが大衆演劇のひと?」とかのたまう。

えええ? いや、その場面にはいないと思うが…(いるのか?)
目立つのはイナズマの隼人とボン・クレーの巳之助じゃないか?
それならふたりとも歌舞伎役者。

??
「ジョーダンじゃないわよーう」とか言ってたオカマが巳之助ですが。
あーそうなんだ?」じゃないわよーう。

何が悲しくて親相手にオカマのモノマネしなきゃならんのだ!

もしかしてオカマに拒否反応示すかと心配もしたんですが
大丈夫だったようで安心した。
まあ、ニューカマーの場面は完全にショーだからな。
深く考えなくても楽しいしね。

ママン:よかったよ福士くん! なんだっけ、お兄さんの…ホープ?
ワタシ:(違う)エース。
ママン:そうそう。エースエース。

どっから来たホープ。
エースが希望の星にでも見えましたか。
ごめんな、あんな結末で。

2階席は宙乗り特等席だったようで感想の大半がここでした(笑)

猿之助と目があった!! ような気がした!!
足下のボードを落とさないように足の指にすごい力入ってた
(どこ見てるの)
けど笑顔だからスゴイ。
なのに指にグーッと力が
(ワカッタワカッタ)
歌いながら宙乗りしてたよ覚えてんのかな?(たぶん覚えてる)
あのボード落ちたら大変だもんね(気になってしかたないらしい)
足の指の色変わるくらい力入ってたよ(うん)
客席までおかまさんたちが来たよ!
2階席にも来た!
(いいなぁ3階席には来なかったよ)
1階席の人はみんな立ち上がってた(え?!そうだったの??)
2階席良く見える! 見やすかった!!(それは良かった)

お隣には若いアベック(笑)が座っていたのが意外だったようです。
それたぶん原作ファンだよ。
原作知ってると歌舞伎も役者も知らなくても楽しめるんだよ。
そのふたりも終始喜んでいたようです。
よかったよかった。

しかしカーテンコールで北川氏が舞台に上がったとき
お隣の若いふたりは誰だかわからなかったようで
帰り際に聞かれて教えたそうですが
「なぜ若いのに知らない?!」と衝撃を受けていました。
うーん。思った以上にオタクなふたりだったのかな?
歌番組とか見ないと顔見ただけじゃわかんないこともあるんじゃない?
と答えておきましたが、たぶん違うな。興味がないんだ(笑)

2階席だから双眼鏡を貸したんですが結局つかわなかったそうな。
よく見えたよ。2階席。
と2階席がお気に召したそうですが双眼鏡ナシでも見えるとは
スゲーな老眼!!
と思ったら「顔はよく見えなかった」とのこと。
それじゃダメじゃーん。そんな見方だから役者覚えないんじゃーん。

しかし話わからなかったって断言されるとは思わなかったぞ。
細かいことはわからなくても
エースの孤独感とか
白ひげの器のデカさとか
ルフィと仲間たちの絆とかは感じ取れた、んだと信じたい。

たとえそこらへんがわからなくても
「面白かった!」「また観たい!」って言わせるスーパー歌舞伎
スゲエ~と改めて思った次第です。


私も今週末、今度は1階席で観るので楽しみです。
そっか、宙乗りの場面はスタンディングなのか。
そういや特番でそんなこと言っていたな。
初日だけのことなのかと思ったら違うのか。

特番はスカパーのほうが内容が濃かったですね。
インタビューも多かったし。
そっかー巳之助さんはサンジが好きなのかー。
隼人さんもサンジが好きだし、サンジ人気だなー。
男女蔵さんのチョッパーのエピソード良かったな。
そっかー、マゼラン出番の前に子どもチョッパーにうるうるしてんのか(笑)

予想外に楽しかった:ワンピース歌舞伎

チケットを譲ってもらって急遽行くことになったワンピース歌舞伎。
既に11月分のチケットは押さえてあるので
2回行くことになりました。
いや、それはいいんだ。
問題は2枚譲ってもらったという事実。

誰か行けるひといるだろうか??

できれば歌舞伎かワンピースに馴染みのあるひとがいいよね~。
けどどっちの知り合いも日曜の夜はNGなひとばっかりなんだよな~。

ダメもとで
歌舞伎は数回観劇、ワンピースは未読
という友達に声をかけてみたら見事釣れたので
一緒に行って参りました。

ワンピース初心者にもわかるだろうか…と心配していたんですが
当日までに56巻まで読んできたよ友達!
ブラボー! マイフレンド!!


けど56巻とはどのあたり??
エースがどっかに移動したあたり??
ありゃーそりゃ舞台でネタバレする感じですねー。
え、すでにエースがどうなるかは会社のひとにバラされている?
それは災難でした(苦笑)
でもキャラを把握できれば格段に楽しくなると思う!
でかした! マイフレンド!!


あ、これからご覧になる方は
キャスト表をプリントアウトして行った方がいいです。
劇場にチラシもあるんですが
配役が書かれていないので困ることになります。
まあプログラムを買えばいいんですが
まだ舞台写真がないバージョンなので買えなかったんですよっ!
11月頃に舞台写真に差し替えるらしいので
私は次回行くときに購入予定。

あとグッズ購入であんなに賑わっている演舞場初めて(笑)
これがあるから開場時間にあんなに混雑していたのか。
いつもの演舞場といろいろ違う。


スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース

観劇:2015年10月18日夜の部(3階4列目上手)
会場:新橋演舞場

ルフィ/ハンコック/シャンクス:市川猿之助
白ひげ:市川右近
ゾロ/ボン・クレー/スクアード:坂東巳之助
サンジ/イナズマ:中村隼人
ナミ/サンダーソニア:市川春猿
はっちゃん/戦桃丸:市川弘太郎
アバロ・ピサロ:市川寿猿
ベラドンナ:坂東竹三郎
ニョン婆:市川笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ):市川猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド:市川笑也
マゼラン:市川男女蔵
つる:市川門之助
エース:福士誠治
ブルック/赤犬サカズキ:嘉島典俊
レイリー/イワンコフ/センゴク:浅野和之


なんとも楽しい舞台でした!

原作と比べると気になるところもありましたが
それをねじ伏せる勢いと楽しさがありました。

やっぱ予想を上回るものを観るとテンションあがる!

あんまりネタバレしないようにしますが
以下、ちょっと内容に触れるので
ネタバレは絶対ダメって方は要注意。

続きを読む

笑いの要素が減るとこんなにすっきりするのか~:歌舞伎NEXT阿弖流為

7月に観た歌舞伎。
いまさら感想(笑)
年末の明治座にて
別脚本別演出別出演者で『阿弖流為』上演決定を記念して。

といってもかなり忘れてしまっているのでざっくりと。


歌舞伎NEXT 阿弖流為

観劇:2015年7月20日(祝)1階10列目花外
25日(土)1階1列目上手
会場:新橋演舞場
脚本:中島かずき
演出:いのうえひでのり

阿弖流為:市川染五郎
坂上田村麻呂利仁:中村勘九郎
立烏帽子/鈴鹿:中村七之助
阿毛斗:坂東新悟
飛連通:大谷廣太郎
翔連通:中村鶴松
佐渡馬黒縄:市村橘太郎
無碍随鏡:澤村宗之助
蛮甲:片岡亀蔵
御霊御前:市村萬次郎
藤原稀継:坂東彌十郎

友達とお互いに申し込んだら見事にダブりまして
めでたく2回観劇となりました。
上手い具合に上手下手に席が分かれたので
どちらの角度からも楽しめました。

観る角度によってこんなに感想が違ってくる舞台も珍しい(笑)

下手側(10列目花外)から観たときは
割と朝廷の場面が下手側で展開することが多かったので
朝廷サイドに肩入れして
田村麻呂を慕う部下たちといっしょに田村麻呂さま~と共感。

上手側(1列目上手寄り)で観たときは
蝦夷サイドのドラマが間近で展開していたので
阿弖流為を応援し
まさかラストのねぶたのシーンで泣くことになるとは…

2003年の『アテルイ』との大きな違いは
笑いの要素が削られて
鈴鹿と烏帽子御前のキャラが掘り下げられたことですかね。

『アテルイ』では殺陣の場面でもバシバシ笑いを入れてきたので
シンプルになった今回の殺陣を観てちょっとサビシイと思ったり…
でもまあこれがフツウかーと観ていました。

鈴鹿の場面はよかったですねー。
一場面しか出てこないのに主要キャラって
普通の芝居ではなかなかできないと思うんですが
歌舞伎ならアリですね!

『アテルイ』では鈴鹿と烏帽子御前が別の役者さんだったから
鈴鹿の立ち位置にモヤッとする部分があったりもしたんですが
今回それがスッキリして納得。

あとは佐渡馬さまとジャレる場面が
歌舞伎で遊んでるなーと面白かった。
佐渡馬さまも「気持ちよさそうに~」と言っていましたが
みんなやたらイキイキしていて楽しい場面でした。

『阿弖流為』を観たあと
当然『アテルイ』を観たくなるんだろうなと
DVDをスタンバッていたんですが
意外なことに観たくなったのはPARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』でした。

というわけでDVDを引っ張り出して視聴したところ
理由が判明。
気持ちよさそうに傾いていた染さんがPARCO歌舞伎っぽかったのと
出演者がかぶりまくり!

染五郎さん、勘九郎さん、宗之助さんまでは気づいていたんですが
橘太郎さんと萬次郎さんもだったとは!
そうだ~おウメさんだ~。
どっかで聞いたことがある声だと思ったんだよ~。
おウメさんが御霊御前になったと思うとなんだか不思議。
胸元がセクシーでした。

橘太郎さんはまさかの佐渡馬さまですよ。
五月人形! と言われるのも納得のキュートさでした。
悪役なんだけど憎めないのは
じゅんさんの役作りを踏襲しているようで嬉しい。

宗之介さんも今回はまさかの胡散臭い役で
でも出番がすくなくてもったいない。
右近くんのときは怨霊になってからも出番があったからなー。

田村麻呂が若返ったおかげで朝廷全体がアツイ軍団になっていましたね。
勘九郎さんの誠実な感じが
田村麻呂の実直な部分に結びついて説得力アップ。
鈴鹿に失恋した感じになってしまいましたが
大丈夫! キミならいいひと現れるよ! という好漢でした。

鈴鹿と烏帽子御前な七之助さんは美しかった~。
殺陣の場面もひらりひらりと舞うようで素晴らしい。

阿弖流為の染五郎さんは貫禄が出て頼りがいアップ!
鈴鹿に一途に想われてよかったね~という余禄もついて
阿弖流為の主人公感もアップ。
降伏後も阿毛斗が同行しなかったのでよりメインらしかった。

あと特筆すべきなのは熊子かな(笑)
あいつズルい。
出てくるとどうしても見ちゃう。
あれ中身誰だったんだろ? もしかして川原さん?

博雅はよい漢だ:新作歌舞伎 陰陽師

先日 予習をした新作歌舞伎『陰陽師』 を観てまいりました。

けっこう変えていました。
そしてわかりやすくなっていました。

これ、予習しなくても十分楽しめたと思う…

ま、単に読みたかったら読んだんですけど。


新開場記念 新作歌舞伎 陰陽師(おんみょうじ) 滝夜叉姫

観劇:2013年9月14日
会場:歌舞伎座

今回はテーマ曲をCDにして販売する力の入れよう。
冒頭、さっそくその曲がかかります。
…でも幕が開きません。
想像以上に待たされます。びっくりしました。

幕が開くとさっそく安倍晴明染五郎)と源博雅勘九郎)が登場!
原作にあった百鬼夜行に遇うんですが

え、博雅といっしょ?!
つか、大人のときに?!


更にそこで滝夜叉姫菊之助)とも逢っちゃうんですよ。

え、もう?!
つか、博雅とフラグが立っていませんか??


と、こんな感じでのっけから度肝を抜かれました。
それに物語が時系列になって展開するので
原作よりわかりやすい。

第1幕は平将門海老蔵)と
朝廷側の平貞盛市蔵)や小野好古團蔵)との戦いがメイン。

俵藤太松緑)の冒険も描かれます。
ここは前半最大の山場です(え?)
巨大ムカデが見事に舞台に再現されています(笑)
大蛇の精新悟)に感謝されて黄金丸ゲット。

第1幕が一番派手だったかな~。
立ち回り多いし。
あまりにも陰陽師関係ない展開で、第1幕終わった瞬間

晴明でてこないなー

と口にしてしまいました。
いやだって、ほんとに出番少なかったんだよ。

けど第2幕からはたっぷりと。
博雅とのやりとりもたっぷりと。
このふたりがじゃらじゃらしてくれないと『陰陽師』ぽくない(笑)

原作ではあくまでも対等なふたりですが
今回はどうなのかな? と気になりましたが…これが
意外なことに対等。

映画の萬斎さんと伊藤くん
ドラマのゴロちゃんと哲太に続いて観た
歌舞伎の染さんと勘九郎さんのコンビは
今までで一番好きかも。
いや、ほかのコンビもそれはそれで好きですけど。

ああ、あと原作が違いましたが
三上博史さんと保坂尚輝さんのコンビのドラマもありましたね。
けど! このドラマのポイントは
ピチピチ時代の山田孝之さんを視れたことだ!!

…脱線した。もとに戻す。

博雅をからかうのはそれが標準なんで当然なんですが
今回の晴明さんは博雅に甘えます。

笛を吹く博雅の背後でキツネとジャレてみたり
(博雅がまったく気がつかなかったのが博雅らしくてステキだった)
巻き込まれるけどいいのか? とクドいくらい確認したり。
あの確認は原作の

「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。


を変形させて取り入れたんだと解釈しているので嬉しかった。

キツネは大活躍でクライマックスでも登場。
わらわらと出てきたときは何事かと…
あれがああなるとは…(呆然)

今回、染さんの立ち回りがなかったのは残念でしたが
魑魅魍魎たちがわんさか出てきたのでヨシとする!
終始、照明が暗かったのでその全貌は明らかにならないのですが
不気味ながらどっか愛嬌がある黒い奴らでした。

それにしても原作にあった
ロマンス部分が全カットされていたのには驚いた。

桔梗の前七之助)と藤太
滝夜叉姫と平維時亀寿
どちらもなかったことになっていて寂しいことこの上ない。

雲居寺浄蔵権十郎)も原作ほどの重要性はなかったなぁ。
賀茂保憲亀三郎)の猫又に乗って登場もなくて残念至極。
興世王愛之助)は…まあ、やりたいことやっていました(笑)

蘆屋道満亀蔵)は面白かったですねー。
原作でもおかしなポジションなんですが
歌舞伎でも自由でした。

ラストの博雅の突然の告白(どうしてそれを今言うのか謎なのだ)
それに対する晴明のデレた対応に
微妙な空気になった会場

え、どうすんだこの空気?!

と思ったところに
道満のツッコミ(というかボヤキ)が炸裂して救われました。

花道のすっぽんに階段があるってことを教えてくれたのも道満でした。
とんとん降りて行ってビックリした。
巨大てふてふが登場した時もビックリ。
常にてふてふと一緒に登場する道満。
黒衣大活躍。

陰陽師なので立ち回りはなかったんですが(何度でもいう)
スモークもくもくたいたり
ボワッと眩しい炎が燃え上がったり
パシッと閃光炸裂したり
派手な演出が多かったのが嬉しかった。

あと晴明と博雅が仲良かったので大満足。
博雅の善良さがすべてを救う展開も良かった。
彼がいたから大団円!
博雅は得難い資質を持っているな! と改めて実感です。

新生歌舞伎座に初潜入!

先月の話です。

歌舞伎座がリニューアルしてから数か月。
ようやく行ってまいりました。
遅っ。本当に歌舞伎FANなんだろうか?
ええ、これでも歌舞伎FANなのです。

しかも震災以来初めて歌舞伎を観るというのがね~。
ますます疑われる(苦笑)
ああ、2011年2月以来みたいですね。
うはー、これは酷い。期間あきすぎ!!

東銀座駅が様変わりしていました。
しかし歌舞伎座とは直結していないんですね。
歌舞伎座に入るにはいったん外にでて
従来と同じ入口から出入りすることになるんですね。

なーんじゃそら。

出入口増やして入退場を楽にすればいいのに。
悪天候のときなんか地下から入れたら楽なのにね。

劇場内は新しいのに知っているという奇妙な感じ(笑)

最大の違いはトイレ!
数が増えました!
最近はやりの押し出し式の出入口です。
しかも出口が自動ドア(ガラスに非ず)で閉まっていると
行き止まりに見える罠。
出られなくてうろうろしてしまいました…

客席はゆったりして楽に。
字幕ガイド(?)を利用するにはなにやらタブレット的なものを
レンタルしないといけないのですね。

や、レンタルしませんでしたけど。
だってそんなんなくても分かりそうな演目だったから!


七月花形歌舞伎 加賀見山再岩藤―骨寄せの岩藤

日時:2013年7月
会場:歌舞伎座(1階4列目)

この演目、過去に中村座で観たことがあります。
舞台の後ろがパカーと開いて
岩藤さんがクレーンに乗っておいでおいでしてくれた記憶があります。
というか、それしか覚えていないくらいのインパクト!


『鏡山旧錦絵』の後日譚。五年後設定。

殿様・多賀大領染五郎)と側室お柳の方菊之助)はラブラブ。
いきなり花道から船上デートで登場です!

わ! 染さんだ?!

急遽行くことになった歌舞伎で出演者チェックをしていなかったので
ひさびさの染さんにテンション上昇!
お元気そうでなによりです!

そうかー、花道が水色だったのは川だったからかー。
リニューアルして初めて行ったから
花道水色にしたんだねー
と大ボケかましてしまいました。
違った! 川を表現していたのだ!!

ラブラブと見せかけて
実は兄の望月弾正愛之助)とお家横領を企てているお柳の方。
悪い子だ!

忠義者の花房求女松也)は、殿様をいさめて不興をかい
その家来・鳥井又助松緑)も騙されお城は大混乱!

どうもこの又助さんは粗忽ものでいけないよ
本来の目的忘れて流されまくり。
又助さんたら、殿様の正室・梅の方壱太郎)を殺してしまうんです!
酷い! もっと頭を使え!!
梅の方、かわいかったのに!!

見せ場である“骨寄せの岩藤”ですが
二代目尾上菊之助)が岩藤松緑)を回向しようと念仏を唱えていると
突如、岩藤の亡霊が現れます。

っていうのがチラシに書かれたあらすじ。
ですが、菊之助さんが悪い側室・お柳の方も演じるから混乱します。
お柳の方が魔術で岩藤を復活させたんだっけ…?
とあやうく勘違いしそうに(苦笑)

その後メルヘン場面、メリーポピ〇ズ岩藤に突入!!
満開の桜の中での宙乗りがふわふわしていて異空間。

亡霊なのにあんなに楽しげな場面でいいんですか?!
あのふわふわどうやって?!
やべえ、楽しい!!


ポカーンとしつつもニヤニヤしてしまいました。
いや、凄く好きな場面です。
文句なしに楽しくなる場面です。
が、怨霊とはそぐわない雰囲気にあっけにとられました。

粗忽ものの又助には妹・おつゆ梅枝)と弟・志賀市玉太郎)がいます。
ふたりとも健気!
特に盲目の弟が…かわいすぎて客席から溜息。
あのかわいい子をいじめるなんて許せん! と客席が一体となりました。

病の求女を匿う又助の家を訪れた家老の安田帯刀染五郎)の話から
自分が誤って主君の奥方を殺害し
その責めが求女に及んだことを知る又助。

そこから切腹の場面になるのですが…
この話は又助が主役なのか?!
ってくらい時間をかけます。

正直、岩藤の影が薄い…
岩藤さん、もっと活躍してもいいんじゃない?!

そして大団円。
悪だくみをしていた望月弾正とお柳の方をお縄にします。

が、兄妹だと思っていた弾正とお柳が夫婦?!
お柳が弾正を「背の君」って言っているんですけど??
弾正も「ツマ」って言っていたよね?!
え? え? え? どゆこと?!

混乱しているところへ染さん登場!
え、殿様?!
らぶらぶのお柳を成敗するのか?

…違った!! 今の染さんは安田帯刀だっ!!

二役の弊害が出てきました。
死んだはずのお柳が花道から出てきて

???

となったり。
お柳じゃない。この菊之助さんは尾上だ。
全くもう! こんなに翻弄されたのは初めてだ!

ちゃんと配役把握してから行くべきですね。
せめて主要人物だけでも…

盛大に混乱しましたが
久々の歌舞伎はとても楽しかった!
1階の4列目という席もよかった!!
やっぱ至近距離はいい…うっとり。

楽しかったので9月も歌舞伎座に参上します。
染さん主演の『陰陽師』
新作歌舞伎です!
染さんの新作は面白くなる確率が高いので楽しみ。
 

2012年最大の訃報

勘三郎さんが亡くなってしまいました。

この訃報を最初に聞いたのは5日の朝のテレビ番組でした。
そのときは、ただただビックリ。

実感がわかないまま仕事をし、ふとした瞬間に
あれ…ということは、もう勘三郎さんの舞台を観られないの?
という寂しさが込み上げ呆然としたり。

じわじわと実感した2日間でした。

新聞で親しかったひとたちの談話が載ったり
朝のワイドショーや夜のニュースでもとりあげられ
フジテレビでは追悼番組が流れ
本当なんだな、と。

フジテレビ、松本公演取材していたなんてグッジョブ!

サプライズで登場したって聞いていたから観てみたかったんだよ~。
手術を目前にしながら出演者全員に秘密にして登場!
いいね~、稚気に富んだまさにサプライズ!

それにしてもつよい。

病気が発覚してからも取材を続け
周囲に気を遣い
事実をまっすぐに受け止めて。

ほんとうに惜しい人を亡くした…


というわけで私も追悼。
ごくごく個人的な思い出を残してみようと思います。

以下、勘九郎=勘三郎さんとして認識願います。

中村勘九郎なるひとに初めて接したのはテレビ番組でした。

歌舞伎俳優としてではありませんでした。
それどころか役者としてでもないという…

クイズ番組で初めて認識したんです。

番組名は忘れましたけど
「5択をならべて」ってコーナーのあるクイズ番組。
歴史クイズでした。
原田大二郎が司会か共演していた、ってことしか思い出せない~。

博学でね~、いろんなことを知っていたんですよ。
当然、正解率が高くて「このひと、頭いい!」と注目していたんです。

表情が豊かで
正解したときの得意げな表情
不正解だったときのそれを認めない負けず嫌いな一面(笑)
見ていて楽しくなるひとでした。

このひと何者? と思っていたら
母に「歌舞伎役者だよ」と教えてもらったものの

カブキヤクシャって何?

母、困惑(爆)
隈取とか鏡獅子とか乏しい知識を総動員して説明してくれたのですが
そもそも子どもには隈取がわかんないし
鏡獅子も「新春かくし芸」でしか見たことなかったから
どうにもこうにもピンとこない。

わりと長い間カブキヤクシャは江戸時代に詳しい人、という認識でした。

そのクイズ番組が終了してからは
中村勘九郎という名前に接する機会がなくなり
しばらく間があいた平成12(2000)年8月

ついに歌舞伎役者・中村勘九郎に出会うことになるのです!

それも奇妙な縁によって。

映画の前売り(何の映画かは忘れた)をゲットしようと
新宿の金券ショップを冷やかしていたときに
偶然みつけた「納涼歌舞伎」のチケット引換券。

歌舞伎なのに妙に安かった(たしか900円)ので興味を惹かれたのです。

友達と「行く?」「行ってみたい
けど私、学校の授業で観たとき寝たよ…
誰がでるんだろ?
いや、そもそも歌舞伎役者よく知らないんだけどさ
“納涼”だから怖い話なんじゃない?
それなら寝ないよね?!

と、演目も誰が出演するのかもわからない状態で購入
あぶないぞ、納涼=怖い話とは限らない! と今なら思う。
なんだったんだろ、あのテンション(笑)

どこかの新聞社が配っていた引換券を
転売した誰かのおかげで店頭に並んでいたようです。

引換券だから劇場で当日券に引き換えないといけません。
当日券がどのくらいあるのかもわからないので
2時間近く前に歌舞伎座へ行き、ならんだ若き日のワタシ…
偉かった!

そして引き換えたチケットは
勘九郎主演の『東海道四谷怪談』!!

友達と「四谷怪談だったらいいよね~」と話していたのでビックリ。

しかも江戸時代に詳しいカブキヤクシャ中村勘九郎主演!

ワクワクしながら、いざ座席へ!
座席は3階A席でした。
ほんらいなら3階B席だったところ
劇場の人に
「プラス〇円(いくらか忘れた)払えば見やすい席になりますよ」
と、唆され…いや、勧められ
どうせみるなら、とグレードアップ。

その甲斐あってとっても楽しい舞台を堪能。
もちろん寝ませんでしたよ!

あらすじは知っていたのでわかりやすかったし
早変わりや仕掛けもいっぱいだったので目が離せない!

と言いたいところですが
早変わりに関しては
あまりに早くて早変わりだと認識せずに観ていました(オイオイ)

観終わってから
「あれ、同一人物」と教えてもらう初心者まるだしな観客でした。
でもそれを信じないワタシ。
ええ、そんな時代もありました(遠い目)

当時のすじがき引っ張り出して見てみたら
直助役が“八十助”になっている!
わー、現・三津五郎さんですねー。
そういえば八十助だった。

ちなみに勘九郎さんはお岩さん・小平・与茂七の3役。
お袖さんに福助さん
伊右衛門橋之助さん
お梅ちゃんに芝のぶちゃん
宅悦弥十郎さん(“弥”で合ってます)
宅悦の女房おいろ小山三さん

…今ならもっと役者に注目して観たい配役だっ!!

ともあれ、これがきっかけで年に2・3回
歌舞伎を観るようになって
贔屓の役者のひとりに勘九郎の名前があったのはもちろんのこと。

そしてまた転機が。
2003年6月
コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑です!

初演がめちゃくちゃ面白かったという評判を聞き
急遽チケットを確保して観に行ったこの歌舞伎でどっぷり浸かることに。

平場席で観たんですが
あのラストシーンには思わず立ち上がる盛り上がり!

面白かったー。

あの感動があったから
一時期毎月のように歌舞伎を観るようになったんですよ。

いろいろ面白い歌舞伎を観ましたけど
思い返してみると『夏祭~』のあの楽しさを体験したから
歌舞伎に夢中になったんだなぁ
と思うんです。

そういうひと、多そうだなぁ。
勘九郎時代の勘三郎さんを観て歌舞伎の楽しさを実感したひと。
ベタですみません(笑)

そう考えると本当に偉大なひとでした。
歌舞伎の敷居を下げ、間口を広げた最大の功労者。

意外な劇場での歌舞伎公演
外部の演出家との新しい演出で古典歌舞伎公演
いろんな脚本家と組んでの新作歌舞伎公演

「おもしろそう!」「観てみたい!」と思わせる企画を実現させつづけ
観客を惹きつけ
舞台から観客を魅了し続ける稀有な役者でした。


勘三郎さんを亡くした翌日に舞台に立った息子ふたり。
偉い。

その口上の

父を忘れないでください

の言葉に全力で
忘れないよ!! と応えました。

だって私と歌舞伎を引き合わせてくれたひとだ!
そして夢中にさせてくれたひとだ!

きっと天上界では常設の中村座を作って
舞っていることでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。
 

亀博に行ってきた。

東急文化会館のあとにできたヒカリエに行ってきました。
スゴイ混雑で入場規制されていましたよ。
ショッピングエリアに行きたい場合は問答無用にB3からの
入場になるようで交通整理が大変そう…

そんな様子を尻目に「亀博はこちら」の案内に沿ってスイスイと入場。
あーよかった。
あんな行列に巻き込まれるのヤだったもん。
ま、おかげでショッピングエリアは見られませんでしたけどね。
いいんだ。亀博見られれば。

亀博とは今度“猿之助”を襲名する“亀治郎”の博覧会。
略して「亀博」
亀治郎の足跡を展示しているわけです。

それに先駆けて先日渋谷でお練りが行われたそうですが
全く知らず…
亀博に同行した友達に聞いたんですが
「おひねりがあったんだよ」という摩訶不思議な報告で
理解するまで少々時間がかかりました(笑)
オシイ。
「おひねり」ではない。「お練り」だ、友よ。


着いたタイミングがちょうどシアター上映開始にぴったりだったので
さっそくスクリーンを目指す。
なんだ、シアターなんて用意されていたのか。
けっこう凄いぞ。つか、この展示会場やたら広いンですけど!
迷ってんのか合ってんのかわかんない状態で歩くことしばし。
無事開始前に到着。着席。

ううむ。見ごたえがありました。
ちょっとしたドキュメンタリーだ。情熱大陸だ。

そっか、亀治郎の会でやるまで『四の切』やったことなかったんだ。
そういやそんなこと言ってましたか…?(うろ覚え)
『四の切』中心で話が進んでいました。
あんなに仕掛けをばらしていいんですか?
早変わりの舞台裏を映したらそうなるに決まっているけど
あまりの気前の良さにビビった。

意外に長い45分の上映を堪能した後、ようやく展示会場へ。
うむ。写真ばかりなのかと思っていたら
衣装の展示はもちろん
浮世絵コレクション、陶器コレクション、学生時代のノートの展示
楽屋再現、愛用の硯展示…
予想外にディープな展示でした。

学生時代の授業のノートなんてわしゃもう捨てちまったよ。
全部とってあるんだね。
というより、ぜんぶ今に繋がっているんだろうな~。
ほんと一直線なんだな。

歌舞伎以外の写真も充実していました。
…すごい精力的に活動しているのがわかります。
どんだけ映像に出ているんだ。
舞台にも。
蔵之介さんたちとの舞台で屏風に寄せ書きしていたのか!

歌舞伎の写真は最近のものが中心でした。
私は昨年あたりから舞台を観なくなっていたので
おお、こんな役も! と新鮮でした。

そしてデデンと待ち構えていたのが『四の切』の舞台セット。
上っていいんですよ!
もちろん上りましたよ! あらゆる仕掛けを間近で見られましたよ!
うっきゃー!! テンションあがりまくり!!

楽屋を再現したコーナーでは“亀治郎”の遺影が。
そっかー、襲名するってことは今までの名前は死ぬってことなのか。
ノリのいい共演者たちからの寄せ書きもまたすごかった。
個性出るね~。
染さんからのコメントが一番おもしろかった(笑)


正直そんなに期待していなかったんですけど(コラ)
予想以上に楽しめました!
ま、私が亀FANってことも大いに作用していると思いますけど。
映像込みで2時間半以上いましたから。
友達が一緒じゃなかったらもっといたと思う…(苦笑)

二月花形歌舞伎

観劇:2011年2月23日
会場:ル・テアトル銀座

ル・テアトル銀座で歌舞伎。
ってことをわかっていたはずなのに
何の疑問も抱かず日生劇場へ足を運んだワタクシ。

劇場前まで来て「なんでZ○RR○の宣伝しているの??」と呆然。
ハッと我に返り慌てて方向転換。
時計を見れば開演まであと10分。
…10分で日生劇場からル・テアトル銀座へ移動は可能なのか??
自問自答。

ま、無理だろうな(あっさり)

いいや、5分10分遅刻しても。
イキナリ主役が登場したりしないだろう。うん。

と自分に言い聞かせながら。


於染久松色読販~お染の七役~(おそめひさまつうきなのよみうり)

質店油屋の娘お染亀治郎①)と
山家屋清兵衛友右衛門)の縁談が進められていますが
お染には久松亀治郎②)という言い交わした相手がいます。
しかし、久松にもお光亀治郎③)という許嫁があり
元は武家の子息で、紛失した御家の重宝の短刀と折紙を捜しています。
モテモテの芸者・小糸亀治郎④)も登場し
姉の竹川亀治郎⑤)も久松の身を案じ
短刀の探索の金の工面を土手のお六亀治郎⑥)に頼みます。
お六と亭主の鬼門の喜兵衛染五郎)は
油屋で金を騙し取ろうとしますが、あえなく失敗します。
一方お染は、久松の子を宿しながらも
母親の貞昌亀治郎⑦)の説得にあい、ついに家を抜け出します...。

ううむ。初っ端から主演の人、出てきていたようです。
出し惜しみしません。
て言うか、いきなり早変わりの連続ですよ!
『お染の七役』って言うくらいだから7役あるんだよね?
指折り数えたんですが、7には足りない…
別に7人全員登場するわけではないのか、冒頭見逃がしているから??

それに『お染の七役』と言うからには
“お染”の役がメインだと思うんだけどこの子がいまいちインパクトが…
お六のほうがカッコ良くて存在感あった。
実際お六のエピソードに時間を割いていたし。
なんだろ?
通しじゃない(?)のでお染ちゃんの出番カットされちゃったのかな?

あと久松のキャラも弱い?
二股かけていたり、実は武士で探し物もあって話の中心にいるべき人なのに
あんまり目立たないような?

まー、お六を気に入っちゃったってのを差し引くべきなのか。

鬼門の喜兵衛がまさかあんな退場だとは…
染五郎さん、出番少ない(苦笑)

なんかさー、出演者もあらすじも知らないで(おまけに遅刻して)観たから
大混乱でしたよ。

髪結亀吉(亀三郎)ってどこにいた?
油屋多三郎って…宗之助さんだったのー?! なんか丸いっ!
庵崎久作、門之助さんの貧乏人って新鮮。
油屋太郎七は秀調さんでしたか。ふむふむ。

すじがきも買ってないから詳細な配役がわからないんですが
フグにあたった丁稚弘太郎さんだったらしいですね。
大向こうがかかって「ナヌ?!」と双眼鏡を構えました。
言われてみれば…そうかも。

なんなの、あの違和感の無さ! こういう役、上手かったのか!!

脚をぶらぶらさせておにぎり頬張ったり
お嫁さんとフグを天秤にかける愛すべきおバカさんキャラが
こんなにハマるとは!
可愛かったです。どんどんこういう役やってください(笑)

ラストは舞踊で早変わり。
ここが面白かったな~。
あらゆる技を使って早変わりだし、シメがお気に入りのお六!
やっぱスッキリしていてカッコイイ姐さんだ。

捕手たちの持つ傘に「おもだかや」って書いてあったんですが
その向きが揃っていたのが嬉しかったです。

それに
船頭長吉(亀鶴)と女猿廻しお作(笑也)のスペシャルゲストもいて!

なんですと?! この二人も参加していたんですか?!
びっくりだ。そして嬉しいぞ!!
全く調べないで見るとサプライズ的な楽しみ方もできますね。


あ。ル・テアトル銀座は意外に見やすいです。
私は後方の席だったんですが
ほどよく段差があって前の人が邪魔になるってことがなくて快適でした。

浅草歌舞伎2011 第1部&第2部

観劇:2011年1月26日(千龝楽)
会場:浅草公会堂

観たんですけど…感想サボっていました。
だいぶ忘れてしまったけど一応、感想残しておこう。今さら過ぎるけど。

一時は「愛之助さんが過労で休演」という事態に
どうなることかとヒヤヒヤしたのですが
インフルエンザを相手に驚異の回復力をみせて無事復帰。
ありがたいことです。
が、無理はしないでほしいです。

で、モタモタしている間に
もっと大きなネタで世間を騒がせている愛之助さん(笑)
歌舞伎界は多いですね、カクシゴ。


第1部

三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

今回は見取ではなく
巣鴨吉祥院本堂の場・裏手墓地の場・元の本堂の場も上演してくれたので
実に物語がわかりやすくなっていました。
話重視の私としては嬉しい限り。
つか、ほぼ通しと言っていいかもしれません。

大詰の本郷火の見櫓の場の雪はあんなもんですか?
なんかコクーンでの印象が強すぎで雪が少なくて上品に思えました。

お嬢吉三七之助)とお坊吉三亀治郎)の背徳感が少ないような…(苦笑)
ビックリしたよ、駕篭から亀治郎さんが出てきたときは。
てっきり亀治郎さんは和尚なんだと思っていたからさ~。
和尚吉三愛之助)はいい役だね。←いまさらか?!

伝吉娘おとせ新悟)と手代十三郎亀鶴
このふたり、双子…?? とハテナをいっぱい浮かべて見てました(笑)


猿翁十種の内独楽(こま)

キャストが独楽売萬作亀治郎)しか載っていなかったんですが
ホントにひとりでした!
ちょっと、さっきまで雪の中で立ち回りしていたのに大丈夫?!
体力的に心配になりました。


第2部

壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)

初めて観ました、この演目。

夫婦の深い情愛を描いた物語。
病気を患い盲目となった座頭沢市愛之助)が
女房お里七之助)による献身と愛の深さから観世音菩薩の功徳を受けます。
夫婦愛という普遍的な題材を通しての感動的な結末に心が温まります。

爆睡しました。
気がついたらお家から出ていて滝壺だったんですよ。びっくりー。


黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)

これは面白かった!!

まさか歌舞伎を観に行ってフクヤマを聞くことになるとはね~(笑)
『龍馬伝』の最終回だけ録画してあるんですけどまだ見ていません。
見る気あるのか?!

『助六』のパロディです。そう歌舞伎十八番の。
でも忍岡道行はまったく関係なくひたすらサービス的な楽しい一幕。
私はどういうわけか道行が大好きなので、それだけでOKなのに
早変わりがあるんですよ!
番頭権九郎牛若伝次亀治郎さんの早変わり!!
そのうちひとりは反則的飛び道具キャラ!
ナニソレ?! そういうの大好きなんですけど(大喜び)

道行の相手の新造白玉春猿さんなのもオモダカ好きにはたまらない!
わー、春猿さん観たの久しぶり~。
でもここで駆け落ちしている白玉ちゃんは次の幕には出てこないのでした…

それが終わると
父の仇を探す花川戸助六亀治郎)、助六と恋仲の三浦屋揚巻七之助
助六を蔭から見守る紀伊国屋文左衛門愛之助
揚巻に横恋慕する鳥居新左衛門亀鶴
白酒売新兵衛寿猿)も乱入し、まさに『助六』!

三浦屋女房お仲笑三郎)の手引もあって
大詰の三浦屋裏手水入りへ!
この場面は22年ぶりの上演だそうです。
本当に水を使います! 1階席1列目にはビニールが配られていましたよ。
やー、そういうの楽しいね!!

しかし、この水入りは絶対必要ですよね?
前に『助六』を観たときは省略されていたんですが
「アレ?! これで終わり??」と物凄く唐突で不完全燃焼感があったんですよ。
今回は達成感がありました!
あったほうがいいですよ。
いろいろタイヘンなのかもしれませんけど…

あ、拍手けっこうねばったんですけどカーテンコールはありませんでした。
千龝楽だからあるかと思ったんですけどね~残念。
 

初『達陀』、初『合邦』

観劇:2010年12月22日(2階(実質3階)センター)
会場:日生劇場

数年前に『達陀』が上演されたときは見逃がしているんですよね…
でも観た人が口をそろえて
おもしろかった!
楽しい!
通った!

と言うので「次回こそは必ず…!」と密かに決意していた「次回」がついに!

よくわからないけど踊るんだよね?

観たいから観るという単純な原理で下調べゼロ。
楽しいって言うんだから調べなくても楽しめるんでしょう
と極めてアバウトな塩梅で日生劇場に参上!

確かに楽しかった!!

というわけで観た順番無視して『達陀』の感想から。


達陀(だったん)

?!?! ナニ、コレ?! 歌舞伎なの??

なんとも不思議な空間。
いつもフラットな照明なのに、やけに薄暗いし陰影があるし
歌舞伎っぽくない。

お経っていうのか声明っていうのか、絶えず聞こえるのも独特だし
見える部分が切り取られていて、なんだか映像的。
ドキュメンタリーを見ている気分になりました。

東大寺の二月堂のお水取りを題材にしているので
表からは見えない部分ではこんなことが行われていますというのを
見ているような錯覚に…

お水取りは数年前に見に行ったことがあるんですよ。
だからあの巨大な松明を見るとニヤリとしたり。
あの裏側ではこんなことが…と想いを馳せてみた。
あとお水取りっていえばマンガ『陰陽師』で描かれましたね。
この舞台とはあんまり関係なかったですが(苦笑)

この時点ですでになんだか楽しいのですが
集慶松緑)の元に青衣の女人時蔵)が登場すると
雰囲気が変わります。

「青きコロモを纏いし女人」とか言われると
『ナウシカ』を思い出すんですけど(爆)

いや、そういうオタクな、笑いの方向に変わるのではなく
より幻想的、さらにホラーちっくなテイストに。
なにしろこの女人
もとは若狭と言う名の女性で、どうも集慶のムカシのオンナらしい。
女が二月堂に現れるのもオカシイし、スッポンから登場したってことは…

日生劇場は3階席でも花道が見えるので快適です。
スッポンが見えるのは素晴しいです!!


まさか集慶、この若狭から逃れるために出家したんじゃあるまいな??
なんだかつれない集慶に不信感を抱くワタシ。

それはさておき、若狭が去ってからはハイテンションです! ←私が!!

集団でダムダムステップを踏む様子はたまりません!!
力強い! カッコいいぞ!! 珍しく揃っているぞ!!
あんまり揃えることに心血を注いでいない(?)ような歌舞伎にしては
キッチリ揃っていたのが意外でした。
トンボきったりするのも凄かったですが
個人的には数歩でフォーメーションを変える様子に拍手を送りたかったです!

やべー、すげーたのしー。これは通うのわかるわ。

ふつう僧って踊らないよね?
っていう疑問を吹き飛ばす勢いの舞台に狂喜乱舞!
練行衆として亀三郎・松也・梅枝・萬太郎・巳之助・右近の各氏が
いたようですが
みんな一休さんにコスプレしていて誰が誰やら(不甲斐ない)
ああ亀寿さんだけはわかりました。
だってひとりだけ、もこもことあったかそうな扮装だったから。

総勢何人いたんでしょうね?
最後には全員そろってダムダムと足踏み。楽しいっ(喜)

平城遷都1300年を記念した演目だったそうですが
そんなの気にしないでドンドンやってほしい!


摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)

すっかり『達陀』の前座あつかいだったこの演目。
実は初めて観るのでした…

歌舞伎を観はじめて結構経つのに、結構観ているほうだと思うのに
これを見逃がしているってどういうこと?
と、自分で自分にツッコミを入れたくなりますが
今回も『達陀』がなかったら観なかった可能性大、だったりして(苦笑)

ようやく当日あらすじをチェックする程度の熱意
イヤホンガイド聞いた方がいいのかなー?
と悩みながら到着。
でもどこで貸し出しているのかわからず(なぜ見落とす?!)
結局ブッツケ本番になりました。

あ! よかった、セリフ普通だ!!

や、歌舞伎にしては普通のセリフで安心しました。
浄瑠璃だったらどうしようと思いましたが思いのほか普通で大丈夫。
久々の歌舞伎(9月以来だ!)でブランクありましたが
思いのほか問題なく楽しめました。

この『合邦』がこってりでたまらんのですわ。
普段は見取で上演されることが多いそうで通しは久々らしい。
通し好きな私としては嬉しい限り。
おかげで物語がよくわかりました。

継子に継母が恋慕するってのはどっかで聞いていましたが
実は病床にある高安左衛門團蔵)の跡取りをめぐる争いが発端で
年上の妾の子・次郎丸亀三郎)が桟図書権十郎)を使って
俊徳丸梅枝)を亡きものにして自分が後を継ごうと画策しているのを知り
お家のために玉手御前菊之助)が恋慕しているフリをして
毒を飲ませ家から遠ざけたという流れがあったんですね。
一途に俊徳丸を想い続ける許嫁・浅香姫右近
それを守る奴入平松緑
なりゆきで匿うことになった合邦道心菊五郎)とおとく東蔵)。

この合邦道心とおとくが玉手御前の両親だから話がややこしくなり
すったもんだあった挙句、実は…という告白。
この玉手ちゃんの心意気には圧倒されるばかり。
身体を張って止めようとした羽曳野時蔵)にすら明かさず
ひとりで実行する強さ! 凄いね。

菊之助さんの継母・玉手に言い寄られたら
「アリじゃね?」と思う私は邪道ですよね(苦笑)
年齢差というより道義的にダメですよね。
わかっているんですけど、そんなに逃げなくても…と思ってしまった。

しっかし、キャストがわからなくて苦戦しました。
俊徳丸(梅枝)と浅香姫(右近)が予想外で
舞台を見ながら「誰だ? 誰なんだ??」と苦悩。
休憩で入手したチラシで「な! なんとっ!!」と驚愕。
こんなに大きくなっていたとは…隔世の感ですよ。
ブランクが思わぬところにあらわれたのでした。

久々に真っ当な『四谷怪談』を観た

四谷怪談と言えばお岩様のお話ですが
数年前のコクーンで観た『東海道四谷怪談』の北番
数カ月前に観た『仮名鑑双繪草紙』ではお岩様の要素が薄かったのです。

その分、濃厚なのが直助とお袖ちゃんの悲劇。
つーか、お袖ちゃんの受難、というべきか?
こっちのほうが因縁が増えて
物語としては見応えが増すのですが…
どうしてもお岩様の出番が減ってしまうのです。


東海道四谷怪談

観劇:2010年8月26日(3階3列目上手寄り)
会場:新橋演舞場

やっぱ四谷怪談はこうでなくっちゃ!!

改めて観るとやっぱお岩様の出番、多いよね…
あの薬を飲む時とか、お歯黒とか、髪梳きとか、じっくり時間かけるよね。
じわじわなんですよ。

わー! こういうの久しぶりっ!!

さすがに何度も観ているので必要以上に怖かったり
驚いたりはしなかったのですが
話を知っているだけに
伊藤家に感謝しながら薬を飲んだり
せっかくの薬、紙についた粒も一かけらも無駄にはすまいという
丁寧な飲み方に…

ああ~、それ毒なのに~

とヤキモキしてしましました。
もう心は「シムラ、後ろ後ろ!」の域ですよ(笑)

酷いよね。
お岩様、あんなに感謝して(拝んでまで)飲んでいるのに実は毒って
どんな鬼なんだよ、伊藤喜兵衛
実は孫娘ラブな爺なだけなんですよ。
孫娘可愛さに常識がわからなくなっている爺。…ボケはじめたのか?
いや、“命に別条なく顔だけ崩す薬”なんて常備しているんだから
今までも必要に応じて活用してきたんだろうな。
そうやってのし上がってきたのがよくわかる。

その孫娘お梅は妻帯者だってわかっているのに諦められない我がまま娘。
今まで望みが叶えられなかったことなんかなかったんだろうな。
不幸なヒト…あんた、友だちいないだろう?!
しかし伊右衛門のどこにそんな魅力があるというんだ?

私には伊右衛門の良さがさっぱりわかりません!

恩ある主家の騒動のドサクサに御用金を盗んで
それを知った舅の四谷左門を殺して知らん顔して“仇討ち”を理由に
別れた妻と復縁を迫り、そうまでして復縁した妻を邪険にして
伊藤喜兵衛の提案にホイホイと乗る節操なし。
だいたいお岩様の体調不良だってアンタの子どもを出産したせいなんじゃん!

金がないのに子どもを産んで気の利かない

わけのわからない因縁つけんなよ、この甲斐性なしっ!!
あんたが変なプライド持って稼がないのが悪いんじゃンか!
家でこそこそ傘貼りしてんなよ!
外で用心棒でもなんでもして稼いでこいよ!
お前はそんなに世間体が大事か?!


と、どうしても内容に関してはイライラしてしまうのですが
仕掛け満載で楽しめるのがこの演目。
そう、今回ワタシは勘太郎さんを観に行ったのでした。

ああ、早変わりって面白いね!
お岩様ってアクロバティック!!
てゆーか、スゲー速いし、スゴイ仕掛けなのに
当たり前のようにさらっとこなされて
「あれ? 実は簡単??」と錯覚しそうになったり(苦笑)


実は初めての御岩様役だから
もっといっぱいいっぱいなのかな? と予想していたんですけど
そんなことなかったです。
武士の妻、って感じだったし。ちゃんと怖いし。

端折られたお袖ちゃんのエピソードは
舞台番として猿弥さんが解説してくれたのでした。

そっかー。
なんとなく猿弥さんが宅悦な気がしていたからちょっと肩すかしだったよ。
けど、だんまりの場面の解説もしてくれたので
「おお、そうだった」とハタと手を打ったり。
何度も観ているのに簡単に忘れるワタシなのでした。

ラストもさ、与茂七が駆け付けるんだったね。
そうだったか。…そうだったね。
すっかり忘れていた。

それにいきなり雪が降り出して「ええ?! いつの間に冬?!」とビックリ。
あー、そうかー
大雪の中、与茂七と伊右衛門の立ち回りのコクーンの記憶がうっすら蘇った。
うっすらか!(爆)

あ、ワタシ、これでも与茂七好きなんです(説得力皆無!)
勘太郎さんの与茂七はスッキリしてイイ感じ~。


今回のキャストは以下でございました。

お岩・小仏小平・佐藤与茂七:勘太郎/直助権兵衛:獅童/お袖:七之助
お梅:新悟/茶屋女房おまつ:歌江/舞台番:猿弥/宅悦:市蔵
伊藤喜兵衛:家橘/民谷伊右衛門:海老蔵


第八回 亀治郎の会 《上州土産百両首編》

観劇:2010年8月20日(2階1列目センター)・22日(1階3列目花外)
会場:国立劇場大劇場

長くなったので分けることにした感想文。
前回までのあらすじ。

トーク付きの20日と、楽日である22日に楽しんでまいりました
第8回亀治郎の会。

トークの感想はこちら トーク付き亀治郎の会
『義経千本桜』忠信編の感想はこちら 忠信編

トーク付きの20日は『上州土産~』がない代わりにトークがあったので
このお芝居を見るのは22日が初めて。
なのに花外という過酷な環境
でも『義経千本桜』の時の舞踊用の板は取り払われたのでだいぶ改善。

花道の向こう側が見えたときは感動しました!

これなら舞台、見えますよ。
『道行初音旅』の時なんか
ヘタすると座っている忠信まったく見えなくなったりしましたから!
板があった時の舞台の足元は全滅でした(涙)

あ、その板を取っ払う作業を客席からずっと見ていたのですが
時折めくられる幕から覗けるセット転換の様子が興味深かったです。
四の切のセットがあっと言う間にバラされてしまいました。
そしてどんどん片付いていく板。
ううむ。みなさま手際がよくってスバラシイです。


上州土産百両首

原作:川村花菱
補綴・演出:石川耕士

20日にパンフは購入したので予習してから観ようと思ったのですが
土壇場で気が変わり結局読まずにぶっつけ本番!
先入観なしで観たほうがおもしろいよ、きっと! と信じて。

その甲斐あっていきなり舞台に登場した正太郎亀治郎)にビックリ。
さっきまで宙乗りしていた人がもう出番?!
もっと休みなよ~。そりゃあ、ツルしケイレンするよ~。
四の切の後は疲労困憊で『上州土産~』でいろいろ限界がくると
トークの時に言っていたんです。

どうやら知り合いが追われているようですね。
その行き先を吐け、としょっ引かれた様子。
しかし友を売ることはできぬ! とばかりに口を割ろうとしない正太郎。
おお、男気溢れるナイスガイだ!
つか、ふつーにカッコイイ拵えで嬉しいです(笑)

ひとりになったところへ現れる牙次郎福士誠治)。
なんでそんなちっちゃなとこから顔を出す?!
なんだか間延びした口調…
こ、これはもしかして?!
ワクワクして見守っているとついに全体像が現れた!

わー、バカな子キター!!(大喜び)

牙次郎はでかい図体でのほほんとして
「ありゃあ」が言えずに「あぢゃ~」と言うのが口癖なので
アヂャ牙次と呼ばれるおバカキャラでした。
落語で言う与太郎です!
つか、シムラケンっぽいのかな(笑)

まさか福士くんのこんなキャラを見られるとは思っていなかったので
嬉しい誤算。
だって福士くんって言ったら『のだめ』の黒木くんですよ!
黒木くんって言ったらいぶし銀ですよ!
銀でもいぶされた渋みを持ったまるで武士のようなキャラだった人ですよ!
それがまさかの…
こういう役者さんの意外な面を見られるのも舞台の醍醐味です。

正太郎と牙次郎は同じ町内でつるんでいる仲間だったのだ。
面倒見のいい正太郎がアニキのように牙次郎の世話を焼き
牙次郎は一心に正太郎を慕うのがよくわかる。
大きな月を背にして共に逃げつつ
正太郎が手拭いを牙次郎に巻いてあげるシルエットが…
正太郎は牙次郎にどんだけ甘いんだ!(爆)

ま、このあたりは私の席からでは角度が悪くてよくわからなかったんですが。
正面から観ればきっといい場面だったのでしょう。
と、推測。

この逃避行が10年前
そして10年後の現在、とある茶屋でばったり再会する二人。
相変わらずの暢気モノの牙次郎になかなか羽振りのいい正太郎。
茶屋の床几に並んで腰かけ、積もる話を…ん? 探り探り会話してる??

お互いナントカって職業についたと言っておりましたが
それは建前。
ふたりとも大ぴらにはできない職業についていたのだ。

ま、ヤクザな仕事なんですよね。
正太郎はスリを得意として
牙次郎はスリすらまともにできない使い走りでしたが
無我夢中で抱きついた際に正太郎の財布をスり初めて仕事を成功させる牙次郎。

ううむ。正太郎は牙次郎に対して警戒心ゼロなんですね(笑)

そうとは知らない正太郎が
世話になっている金的の与一渡辺哲)の元に戻り
同輩のみぐるみの三次亀鶴)らと再会した幼なじみについて話していると
やってくる牙次郎。

お互い足抜けしてカタギになろう

と説得に来たのだ。
弟分の牙次郎にそんなこと言われた正太郎は面目ないやら恥ずかしいやら。

それを聞いていた与一のアニキ
「お前はまだそんなに悪どいことはしてないから辞めるなら今のうち」と
理解を示してくれます! イイ人っ!!
私は“親分”だと思ったんですけど“兄貴”でした。

与一と別れの盃を交わした正太郎、次は三次と…と思ったら
三次はガンとして受け付けません。
正太郎の足抜けをおもしろく思っていないようです。心狭っ!
さっきまで「持つべきものは友だちだよなぁ」って感動してたくせに~!

三次にわかってもらえなかったのが心残りですが
ふたりは聖天宮で
与一に貰った餞別と正太郎の所持金、牙次郎の所持金(2文!)を
仲良く山分けして
10年後のこの日、この場所、この時間に再会しよう」と約束。
目印は牙次郎が持っていた一文銭。

そういえば、サブタイトルは『月夜の一文銭』だったなぁ。
この公演では全く出てこないサブタイトルですが。
そして言い忘れていましたが月夜なんです。
ま、私の席からは月はまったく見えなかったんですけどね!

時は流れて約束の日が近づいたある日
正太郎は江戸から離れた上州のとあるお店で板前をしています。
そこへそうとは知らずに立ち寄ったかつての仲間・与一と三次。
久々に食べた江戸の味に感動した与一が料理をべた褒め。

心付けを受け取った正太郎がお礼を言うために座敷に向かい
期せずして再会を果たす3人。
ですが
別れの盃を交わし、板前として成功している正太郎に迷惑をかけまいと
他人のふりをする与一。
ホントーにいい人です!
でも裏切ったらどうしようとヒヤヒヤしてしまったワタシ(苦笑)

裏切ったのは三次でした!

どうも成功しているとはイメージできない牙次郎のために ←酷い言い草(爆)
溜めたこれまでの稼ぎの200両を狙って正太郎を強請りました!

正太郎! そんな大金の話を聞かせてはいかーん!!

とワタシ、内心大絶叫!
それだけ正太郎がふたりを信頼していたのかもしれませんけど
お金の話は慎重にならないと~。

板前として成功し
お店の主人の娘おそで守田菜生)との縁談もまとまった正太郎
過去をバラされたくなければその金寄こせ」ってことですよ。

かつての仲間だし、1度ですむことなら…
と渡したら
これからも来るからな!」と。
オレは別れの盃交わしてないから他人じゃないし」と。

む、ムカツク~!!!

鶴亀さんは大好きですけど本気で腹が立ちました。
正太郎も同様だったようで思わず背中に隠し持っていた包丁でグサリ

そしてそのまま、江戸を目指して一目散。
関所も番所も突破しまくり!
なんども捕まりますが、なぜか逃げ出す縄抜けの名人・正太郎。

言い忘れていましたけど、牙次郎も縄の扱いは上手いんです。
「よいしょー」とあっと言う間に解いてしまう特技の持ち主。
牙次郎に習ったんだろうか??

江戸でも極悪人・正太郎の似顔絵が出回ってお役人が待ち構えています。
なにしろ賞金首になっていますから。
捕まえたら百両ですよ!

…ああ! これがタイトル『上州土産百両首』か~。

さて、どうにも成功しているイメージができない牙次郎は
なんと江戸の役人・隼の勘次門之助)とその妻おせき吉弥)の元で
働いていました!

うっそ! ちゃんと真っ当な仕事に就いているじゃん!!

でもまだ手柄はたてていないので
今回の百両首を捕まえて初手柄にしたい! と意気込んでいます。

うう、それはアンタの大事な兄貴分なのに…

この時点で私は
正太郎を庇って牙次郎は二人で逃げる決意をするんだと思ったんです。

大ハズレでした!

約束通り聖天宮に現れた正太郎と牙次郎
幸せな再会になるはずだったのに…
しかし、ぼんやりな牙次郎は人相描きをよく見ていなかったのと
正太郎が顔を隠していたためしばらくはバレません。
ようやく目印の“額に傷”が…

逃げろ!

と念じましたが鋭すぎる上司・隼の勘次が勘を働かせて
手下をひきつれて到着!

わーん。有能すぎるよ!!

ここからは縄を使った立ち回りです!!
見せ場です!!
縄抜けがふんだんに取り入れられていておもしろかった!!

抵抗むなしく捕まる正太郎。
お前に縛られたかったのに」と無念の叫び。
逃げたくて抵抗していたのではなかったのです。
牙次郎の手柄にするために、牙次郎の手で捕まえてほしかった正太郎。
でも牙次郎は正太アニキを捕まえるわけにはいかん、と
躊躇っているうちに方がついてしまったのでした。

おや? なんだか『賢者の贈物』みたいなハナシ…
あ、そっか。
そういやトークでオーヘンリーの短編を元に書かれて話って言っていたなぁ。
なんの疑いもなく『最後の一葉』だと思ってたけど違ったのか(苦笑)
けど、パンフには『二十年後』が元になったとある…
『二十年後』ってどんな話かしらないけど
この話は『賢者の贈物』とも取れるよね?

しかしデキル上司・勘次の計らいで牙次郎の手柄にしてもらえました
わー、よかったね!!

逃げないことをわかってもらえた正太郎
牙次郎に縄をあっと言う間に解いてもらい、そのまま花道へ。

10年前と同じイイ月夜だなぁ。

とか言ってますけど、私の席からはその月、見えませんから!!
ほんと今回は席に苦しめられた。

ラストもこのふたり、花道上で手を取り合っていたようだけど
私の席ではふたりの背中しかみえなかったからわからなかったよ!!
カーテンコールで初めて「何そのダンスでもしそうな繋いだ手!」と驚愕。

でもね、異様に密着していたのはわかった。
実はデキてる設定の『白波五人男』の弁天小僧と南郷ですら
そんなにくっついてないよっ! ってくらいアリエナイ密着。
他にもやたらスキンシップ過多だったふたり

なんだろ? このふたり、大丈夫??

と心配になったものです。
つか、そっちが気になって感動どころじゃなかったよ(爆)
みんな「泣いた」「感動した」って言っていたのに
イマイチその波に乗れなかった我が身の無念…。

でもまぁ、楽しみましたけどね!
ノンストップで2時間。
忠信編もいれると…充実した時間を過ごせました。
来年も楽しみ~!

第八回 亀治郎の会 《忠信編》

観劇:2010年8月20日(2階1列目センター)・22日(1階3列目花外)
会場:国立劇場大劇場

さて、トーク付きの20日と、楽日である22日に楽しんでまいりました
第8回亀治郎の会。

昨年の楽日には来年の予告というサービスがあったので
今年も大いに期待していたのですが残念ながら今回はナシ。
ま、そのかわりにトークを聞けたと思えばいいか~。
トークの感想はこちら トーク付き亀治郎の会

その結果
『義経千本桜』の忠信編を2回
『上州土産百両首』を1回、拝見。

…席って大事だな、と実感しました。

20日は2階席だけど1列目で正面だったので全体を楽しむことができました。
22日は1階席で3列目という双眼鏡なしでも楽しめたものの、無念の花外

この花外ってのが曲者でっ!!

『義経千本桜』では舞踊が中心なので板が!
板(けっこう高さがあるのだ)の分、新たな段差が生まれ視界が悪い悪い。
ちびっこのワタシでは見えないところがたくさんっ!
ま、20日に正面から(遠かったけど)楽しんだからいいんですけどね。
と言いつつ、見えにくいと集中力が持ちませんね。
いくらご贔屓の亀治郎さんでも見えなくては台無し~。

というわけで『義経千本桜』の感想は20日の記憶が中心です。


義経千本桜

*道行初音旅

清元連中に若いイケメンがっ!
22日には残念ながら他の方と交代していましたが(苦笑)

あと静御前芝雀)の後見さんが美人でした。
静御前通り越して後ろに控える美人をウォッチするワタシ(笑)
真剣に静御前の様子に注目する姿が凛々しかったです。

そんなこととしていると佐藤忠信実は源九郎狐亀治郎)が登場です!
おおっ! スッポンから登場ですか!!
そっか、この人、狐だから♪

大喜びなワタシ。
久々に花道の7割が見えるという視界の良好さにウキウキします。

ようやく追いついた狐忠信と静御前の再会。
お、結構、距離をとっていますね。
そっか、恋人同士じゃないから緊迫感もあるのか。
実際、正体を隠してとある目的でそばにいるという事情もあるし。

そんなことはさておき
亀治郎さんが見えるだけでなんだか楽しくなるワタシ。
わ~、ずいぶん久しぶりな気がします。
ん? 正月の浅草以来? わ~、そりゃホントに久しぶりだよ!

もうなにがそんなに楽しいのか?!
自分でもよくわからない状態でにやにやしながら観ていました。


あ。
20日はあんまり大向こうさんが来ていなかったようで寂しかったのですが
22日は大挙して駈けつけてくれたようでたいそう賑やかでした。
やっぱいないと寂しいよ、大向こうさん。


*川連法眼館の場 ~市川亀治郎宙乗り狐六方相勤め申し候~

仕掛け満載のオモダカ屋型。
やっぱりこれは下手がみえないとおもしろさ半減。
先日、演舞場で観たときは下手と花道がほぼ全滅だったので
観た意味がなかったことを実感(苦笑)

川連法眼寿猿)とその妻飛鳥吉弥)がお話しているところに
佐藤忠信が来た、と使いが走ってまいりました。
それを聞いた義経染五郎
そんじゃワシが会おう」と奥から登場。

大喝采の大向こう! 大人気だな!!(22日の記憶)

待つことしばし。
いよいよ花道の向こうから佐藤忠信亀治郎)の姿が見えてまいります!
ここは花道が見えた22日の記憶ですが
花道を歩きながら途中ハッとする忠信
我が君さま…っ」って感じでした。
くう~っ! こういうのが見られるのがいいですよね、1階席は!!

あ、もちろんオモダカ屋! の大合唱でしたよ!!

そいで
静御前てなんのこと? ボク母を看て&破傷風で久々に来たんだけど?
ぜんぜん話がかみ合わない主従。
んなわけあるか!
亀井六郎亀鶴)と駿河次郎門之助)に虐められる忠信。

そこへ再び伝令登場。
「静御前と佐藤忠信がご到着~」
ナニソレ?! と亀井くんが確認に行くも「忠信はいないんだけど?
静御前芝雀)も現れて「いつのまにかどっかに消えちゃった忠信」と暢気。
本物を見て「あらいた。でも小袖の模様が違うような??

ええい、どうなっとるんじゃ?!

とキレたりはしませんが、不審顔の義経。
あ、鼓を打つとどっからともなく現れるんですよ」と静御前の言葉に
じゃあ呼んでみて。もしヤバくなったらこれで仕留めな」と
刀を託す義経。

静任せで自分は助けないのか?!

と毎回思うんですよね~。ま、いいけど!
それで鼓の音に惹かれて現れる佐藤忠信実は源九郎狐亀治郎)。
もうだいぶ狐が現れていてカワイイんです。
言葉も狐に戻りかけていて独特の節回し。

しぐさは犬や猫、実際の動物も参考にするらしいですよ。
とはいえ、人には決して慣れない狐なので警戒心と緊張感を忘れずに
北海道の修学旅行で出会った狐が絶対慣れなかった! と力説(笑)
修学旅行、北海道だったんですか~。
しかしそんなとこでも歌舞伎を忘れずに観察したとは恐れ入ります。
…集団行動、乱してないですよね? とても心配~。

そして人を感じさせてはいけないという口伝を守って
どんなに辛くても表情や態度には表さない努力をするそうな。
物凄い運動量なのに呼吸を止めて澄ました顔を保たないといけないから
鼓動が半端ないらしい。
ボクサーのようなトレーニングを積んでそれを可能にするとか。

てなことをトークの時に教えてくれたことを思いだしました。

そしてアクロバティックな行動の数々。
鼓との関係も明かされ、それを聞いた義経が
その心に免じて鼓をプレゼント!
大喜びで「そのお礼に侵入者を懲らしめます!」と大張りきりな狐。
かわいい。

このあたり能の『天狐』の話を連想します。
って言っても、実際に観たことはないんですが。
マンガ『花よりも花の如く』でケントが解説してくれたんですよ。
それを思い出すのだ。

その言葉どおり、バッタバッタと現れた侵入者6人を妖術で操る
実に楽しい場面です。
ここ、大好きだな~。
結構危ないこともやってくれます。
そして注目なのが、この6人の額に描かれていたマークが…

え、なんで?! そういうもの??
じゃあ、海老蔵さんが狐ならエビが描かれているのか??


亀マークの敵さんたちに隠され、手伝われながら宙乗りです!

宙乗りはオモダカ屋が一番おもしろいと思うんです。
もちろん多大な贔屓目も入っているかと思いますが。
花弁も1階3列目の私の元まで届くくらいの勢いで噴射してくれるし!
下から見た時もキレイでしたが
2階席でぶわっと広がったのを見た時はテンションがあがりました。


ぬお。なんだ、この長文。
すでに長くなってしまったの『上州土産~』はまた後日。
こっちの芝居はどの路線でレポればいいのか定まりません…。
どうしようかな~。
分ける必要がないくらい短くなったりして(苦笑)

トーク付き亀治郎の会

観劇:2010年8月20日(二階1列目センター)
会場:国立劇場大劇場

イープラスの企画で
『義経千本桜』のあと亀治郎さんのトーク付きという
なんとも行きたくなる特別公演がありまして
私も駆けつけました。

『義経千本桜』は面白かったです!!
ヘンな観客もいなかったし(苦笑)
集中してみることができました。
詳しい感想は後日、楽日を楽しんでからまとめて書きたいと思うので
今回はトークショーについて。

早くも記憶が風化し始めているので簡単に。


忠信の宙乗りが終わって、そのまま始まったトーク。
まずはイープラスから司会の女性が登場。
おおっ! イープラスのスタッフ初めて見たっ!

この企画は歌舞伎ビギナーに向けた公演だったらしいので(そうでしたか)
「今回歌舞伎を初めて見た方は?」なんて挙手アンケートをとりつつ
亀治郎さんの準備ができるのを待ちます。

あ、歌舞伎初心者はあまりいなかったようです。
ですよね~。
ここにいるのは亀まにあだけだと私も思います(笑)

そうこうしているうちに亀治郎さん登場

ん、宙乗りしたときの扮装のままですか?!
そのカッコウでスタスタ歩くと変だぞ(爆)


息を整える間もなく大急ぎで3階から移動してくれた亀治郎さん。
ぶっ通しで大丈夫なんでしょうか?
さすがに息が切れています。デスヨネ~。
四の切の1日2回公演は初めてだったそうなので疲労困憊のご様子。

しかし! 立て板に水っぷりは健在!!

司会の女性の言葉を遮るようにしゃべるしゃべる。
曰く

狐忠信は「人を感じさせない」ことが肝要という口伝

そうですか!
そうなんですよ!
あんだけ跳んだり跳ねたりするのに足音が感じられないのに驚いた。
その細やかな気配りにめろめろな私。
見ている間「超楽しい~~」とご機嫌でした。

この劇場で叔父さんの猿之助さんが初めて四の切で宙乗りを復活させた

宙乗りのマシーンが倉庫に眠っていたのを発見して急遽設置。
そしてオモダカ屋の型で四の切が実現したそうな。
縁のある演目を縁のあるこの劇場で上演するなんて!
そんな意味があったとは…!!

昭和55年の初舞台がここでの『義経千本桜』の安徳帝役

…当時4・5歳ですよね? それが初舞台!
歌舞伎ではそのくらいのデビューは珍しくないのでしょうが
改めて聞くと驚かされます。
そして出番のないときは裏に準備されていた四の切のセットで遊んで
大道具さんに怒られていた少年亀治郎
(笑)
さらに楽屋ではダンボールに隠れてお弟子さんを相手に狐忠信ごっこ
ダンボールからついに本物で演じられるようになりました、と。
いやぁ、感慨深いですね!

個人の企画で宙乗りは前代未聞

あまり個人の企画では大掛かりな装置はつかわないようで
当初、今回の公演でも劇場側から難色をしめされたそうな。
けど、是非に、という熱意に負けた劇場が決断してくれました!
宙乗りをやるときには保険に入るそうですよ。
何かあったときのために。
言われてみればそうですね。
観客のうえを舞うわけですから。しかも鼓を持っていたりするし!
本公演ではスタッフさんが手配してくれることだったので
そういうことが必要、と知ったのも勉強になったとプロデューサーの顔をちらり。

宙乗りのハーネスはかなり痛いし苦しい

かなり締め付けられるのでつらいそうですよ。
特に四の切は獣役で飛ぶので姿勢がつらいらしい。
実際、次の『上州土産百両首』ではあちこちがツッて大変だそうな。
「にこやか」なんてとんでもない状態らしいです。
お客様が喜んでくれなきゃやってられませんよ! って感じらしい。
みなさま、喜びを表に出しましょうね!!
この日の観客の反応はすこぶるよかったのでやりがいがあったのではないでしょうか。

とはいえ、宙乗りの最中は「来年はどうしよう…」と考える

なんか余裕ですね(笑)
来年はどんな趣向なのか今から楽しみです。

亀治郎の会は10回で一区切り

あと2回ってことですか?!
そんなこと言わすに続けてくださいよ!!
でもきっと何らかの形で亀治郎さん企画の歌舞伎公演は続くのではないか
そんな気がします(願望も入りまくっていますが)。

あとは…
四の切における仕掛けをばらしまくってくれた亀治郎さん。
やー、そんなに明かしていいんですか?!
階段の仕掛けは勉強になりました。
そうだったんですね。言われてみれば静御前も忠信も真ん中は避けていた。
義経に敬意を表してとかかな? と思ったらもっと現実的な意味があったんですね。

思い出せるのはこんなところでしょうか。
もっといっぱい話してくれたはずなんですけどね~。

あ!

パンフレットの色の意味は風水的に…

毎年、企画満載で豪華な読み応え充分なパンフレットですが
そのカラフルな表紙の色にも意味があったんです。
今年は鮮やかな黄色ですが、これを西の方角に置くと金運が(爆)
ピンクは恋愛運、緑は…なんだったかな?
そうだったのですか~。
そんなこととは露知らず(そらそうだ!)。

今年のパンフも盛りだくさん! な感じですよ!!
168ページ(だったかな?)で2500円!!
写真満載! 金運もあがるというこの1冊! 一家に一冊ぜひどうぞ!!

私はこれから読みます!!
楽日に向けて予習だ~。
まだ見ていない『上州土産百両首』は泣けるいいお話なようなので楽しみです!
 

先日見かけた自由な観客

観劇:2010年8月17日
会場:新橋演舞場

久々に観た歌舞伎。

『亀治郎の会』と同じ演目が演舞場で観られると聞いたら
観比べるのも一興。と思うじゃないですか!

というわけで成田屋の御曹司による忠信の『義経千本桜』です。
懐事情により安くあげようと三階A席を狙っていたのですが
同じことを考えた人が多数いたようで
私が購入しようとしたときには狙った席は完売。

…しかしこれ以上の出費は許されぬ。
ということで三階B席を探しても
ああ~、もうほとんどないじゃん! しかたない。これで手を打とう。
と購入したのが、三階右側の二列目

そう。花道は全滅のお席です。
下手寄りの舞台もほぼ見えません。
劇場側もそれはわかっていて、そのフォローのためテレビが設置済み。
液晶の大画面に変わってましたよ!
でもデジタルではないようで画質が悪かった(笑)

舞台が見えない代わりに、一階の客席がよく見えました。
おかげで凄く自由な観客を発見してしまったのです!!


それは“鳥居前”で終盤にさしかかろうかというところ。
忠信がドタドタと花道から登場し、いろいろあって
なんだよ、まだいたのか義経! ってあたり。

ん? 今、視界に何か動くものが目に入った??

不自然に動いたものが一階の客席にいたような気がして視線を客席へ。
…? 扇子で仰いでいる人の動きだったのかな??
そのときはよくわからなかったので再び舞台に注目。

あれ? やっぱり何かが視界に入る!

気になって気になってしかたないので舞台無視して客席に注目。
どうせ、下手に張り付いている忠信は見えないし!

あ?! 舞台に向かって手を振っている人がいる?!

手を振る、っていうか手をあげて
時代劇で目上の人が「さがりゃ」となおざりに動かす動作のような…
なんか偉そうな動き。

それも一度や二度ではありません!!

ハァ?! いったいどういう意味なんだ?!

どうやら特定の役者さんに向けての合図のようです。
そう。成田屋の御曹司。
彼がそのお客さんのほうに視線を向けるたびに手をあげて合図するんですよ!

鬱陶しいことこの上ない!!

なんだろ? 私はここにいるわ~というアピール?
右手に仰ぐことをやめない扇子
左手がその合図に使われる腕です。
髪の長いご婦人
年齢は遠目なので正確なところはわかりませんが、おそらく50代。

…役者さんの集中力が削がれると思うんですけど。

それだけでもあり得ないのに屈んでごそごそやり始めたと思ったら
ケータイ構えて激写!

ちょ、一階4列目のど真ん中でなんたる狼藉か?!

今まで、舞台を撮影している人を見たことがなかったわけではありませんが
こんなに堂々と撮っている人、初めて見た!
しかも何度も!!

よく、周囲のひと我慢できたな~。
劇場の人も気づかないもんかね?
これだけ何度も大ぴらに実行されているのに。

さらにこれだけではありません!

なんと花道から引っこむ忠信に向けて手を振るだけでは飽き足らず
ついには立ち上がって大きく手を振るアピール

た、立つなよっ!!

さすがに立ち上がった観客を見たのは初めてです。
別にスタオベする場面ではないし
単純に見えなかったからだと思うんですけど。
だからって立ち上がるかぁ?!

これが休憩なしで始まった“道行初音旅”でも延々繰り返されるのでした。

はっきり言って舞台より気になりますよ、これは!
私の席からはかのご婦人を見ないで舞台に集中することも可能なんですが
どうしても気になってしまってついつい見てしまったワタシでした。

どうしたら満足なんだろう?
舞台から役者さんが手を振り返したらよかったんだろうか?
…絶対そんなことしないと思うけど!

本人は応援しているつもりなのかな?
妨害でしかないと思うんだけど!
失礼じゃないか!
舞台上のすべての役者さんにも他の観客にも!

30分の幕間を挟んで“川連法眼館”でしたが
そのご婦人、幕間で
「歌舞伎観るだけなのになんでそんな大荷物?!」な量の荷物を抱えて
席を外し、そのまま戻ってきませんでした
劇場の人に何か言われたのか、もともとその予定だったのか…

おかげで“川連法眼館”は舞台に集中できましたけどね。
けど、そのご婦人の狼藉のインパクトが大きすぎて
いないとなんだか寂しく感じられたのでした(苦笑)

花道見えない代わりにおもしろいものを見られたけど
ホントビックリした。


手を振るだけでもビックリなのに
盗撮に席を立ちあがるという予想外の行動。
それにいつまでたっても扇子で仰ぐのやめないし
目薬さしたり、お茶飲んだりとにかくじっとしてないから
見てて飽きませんでした(爆)

でも遭遇するのは二度とゴメンですけどね!

盛りだくさんな『四谷怪談忠臣蔵』

観劇:2010年4月12日 (3階1列目上手寄り)
会場:新橋演舞場

1月に来て以来の演舞場。
トイレットペーパーのホルダーがもとに戻っていました。
おや? そんなに不評だったのでしょうか?
おかげでフツーに使えるようになってよかったですが…


通し狂言四谷怪談忠臣蔵 仮名鑑双繪草紙(かなでほんにまいえぞうし)

面白いよ! すごく楽しめたよ! さすがオモダカ屋!!

正直、会場に到着するまではテンション低かったんですよ。
最近、歌舞伎観ても寝ちゃうこと多いし
ぶっちゃけDVD見てる方が楽しいんだよね
四谷怪談と忠臣蔵って私、何度観ているんだろ? もう飽き…ごほごほ。
でもオモダカ屋だし…
とブツクサ言いながらの3階席。
それも発売日をスルーして先行の恩恵を無にするという体たらく。

どうせなら1階席を買えばよかったのに!

なんだか訳のわからないキレ方をしてしまうほど
面白く楽しかったのでした。

おなじみの四谷怪談と忠臣蔵をミックスしたお話です。
もともと四谷怪談は忠臣蔵の裏話としてリンクしているのですが
もっと猿之助テイストを加えたのが今回の『仮名鑑双繪草紙』。

数年前のコクーンでの四谷怪談とも違う
更に仕掛けたっぷりで見どころ満載でスピーディな展開でした。

まさか発端が
新田義貞の霊右近)が高師直猿弥)に乗り移ったことだとは
思わないじゃないですか!
いきなり怨霊登場ですよ! やってくれるぜ!

ええと、著しくネタバレしてしまったので隠します。

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千龝楽、2階・3階席は一の蔵になった!

観劇:2010年3月26日 千龝楽(3階G列センター)
会場:日生劇場

先日も拝見した『染模様忠愛御書』 千龝楽も拝見。
本来なら同じ公演を複数回観るのは主義に反する(?)のですが
初演の時“楽日にサービスがあった”と
誰かが言っていたような記憶があるので「ヨッシャ!」とその気に。

期待通り、サービスがありましたよ!

ラストの火事場
メラメラと燃える細川のお屋敷を実況中継する講談
いよいよ興が乗って参りました!
そこへ飛び込んできたのがモクモクと煙を背負った友さん

え、ここは2階席!!

どうやら細川家へ仕官して日が浅い友さん
正確な蔵の位置を把握していなかった模様…(苦笑)
講談の人に「そこは一の蔵、御朱印状があるのはこっち!」と先導されて
慌てて2階・3階席の通路を駆け抜ける友さんなのでした。

わ~い。目の前を友さんが通った~♪

1階席に到着してからも客席を掻き分け
花道をよじ登る友さん。
その際、上手く昇れず客席のご婦人に手助けしてもらったり
サービス満点でした(笑)

その後も盛り上がる火事場
これはもしかして楽日限定で「カンジンチョー」復活もありえる?!
と期待しましたが
さすがにそれはなかった~(苦笑)
そりゃ、そうか。

そのかわり、クライマックスで大量の火の粉が天井から落下しました。
ええ、舞い落ちるとかそういうレベルの量ではありませんでした。
ドサーっと音が聞こえてきそうな量!

ここはコクーンか?! もしくはオモダカ屋か?!

どよめく観客(爆)
凄かったです! そんなに火の粉用意されていたのか! と。

その後、この火の粉は役者さんにとって悩みの種に。
そのまま、舞台上に敷き詰められた火の粉。
キラキラ素材なのでまるで鏡。
上から見ている分には面白いのですが
かなり足場が悪いらしく、そろりそろりと歩くみなさま。
特に友さんの乗った戸板を運ぶ4名が大変そうでした。

カーテンコールでも苦戦するみなさま。
それなのに何度も拍手で再登場を要求する私たち(笑)
火の粉を散らさないように、足を滑らさないようにお上品に歩く方々のなか
セットの関係で火の粉のない部分を発見した数馬
スタスタと登場。

頭いいな! 数馬!!

それとは対照的に
火の粉めがけてスライディングで登場するのが友さん。
わはは!

やりたいよね、やってほしかったよ!

そうそう。歌舞伎では初めて見たのですが
カーテンコールの最中
客席から花束を持った方々が友さんと数馬にプレゼント!

ええ?! そんなんアリなんですか??

ビックリいたしました。
それを見て「私も受け付けてます」と両手を広げて待ち構える図書さま
おちゃめです。

花束を受け取った友さんと数馬が花道を練り歩くのを祝福するかのように
足元から噴射されるスモーク!
最後までサービス満点でした。

ところで第一幕終了の時って幕がしまった気がしたんですが
楽日では幕は閉まらず暗転して終了でした。
おかげで役者さんがはけるところがうっすら見えて新鮮。
ですが、あれは見えない方がよかったような…

再演はコンパクトだった…っ!

観劇:2010年3月22日 (2階1列目センター)
会場:日生劇場

それなりに楽しみにしていた『染模様忠愛御書』
それはもう
マンガで予習 したり
過去の自分の感想読んだり
カフェオレライターの記事 を読んだり
する程度には楽しみにしていました。

実際に観てみたらいろいろと変更されてコンパクトに!
さすが染さんの再演。
以前「再演するなら前回とは異なることを」と話してらっしゃいましたから
今回もある程度変えてくるんだろうな、と予想したのですが
予想以上でした。

前回がこってりの焼き肉だとしたら
今回は野菜中心のしゃぶしゃぶくらいのあっさり感。
…この例えはいかがなものかと自分でも思います(苦笑)
まぁ、とにかくコンパクトにまとめられていました。

私が気付いた点についてつらつらと…
書いてみたら長文に(驚!)
長すぎるので隠します。

続きを読む

久々に歌舞伎ネタ

DVDにばかり時間を割かれている最近ですが…

3月は『染模様』ですね!
私は今度の連休に観てくる予定です。

私の敬愛する(?)カフェオレライターのマルコさんが
一足先にご覧になったようです
巷で噂の“BL歌舞伎”を見てきたから感想を書く

これに目をつけるとはさすがです(笑)
歌舞伎は超初心者だそうでいろいろ衝撃的だったようで。
歌舞伎=伝統芸能 という知識しか持たない人が
観るにはベストだったと思います。
いろんな要素がてんこ盛りでド派手な舞台なので。
かといって、この歌舞伎を基準にされると困るのですが

笑いの要素がかなり入っていることと、時事ネタが豊富なこと

に着目してもらえると嬉しいです。
そうか! 今回も笑いの要素と時事ネタが織り込まれているのですね!
ヨッシャ! 私も楽しみにしたいと思います。

ただ、チケット代に関しては
ライブですからね~。
しかも生演奏でしかけもてんこ盛りなのでしかたない…

なんて諦めつつ
そりゃあもっとお手頃だったらもっと嬉しいよね!
と思います。ワタシも。
プロフィール

まるあ

Author:まるあ
100%趣味について。
観劇と映画鑑賞と読書が趣味。歌舞伎・三谷幸喜作品・蜷川幸雄演出・劇団☆新感線などを観に行きます。
読書はいろいろな人の感想を参考にマンガも含めて乱読中。

一個人の主観的な感想なので大多数がそう感じるとは限りません。
内容も正確を期していますが記憶を頼りにしているので必ずしも正確ではありません。
以上を了承のうえお読みいただけると幸いです。

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